TKR
高阪TK剛、じぶんレポート。

----------ROUND.2----------

みんなもう忘れちゃってるかもしれないけれど、
こういう記事があったんですよね。
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剛語る004

「次の試合は、xxxxxxとやる予定なんで、
これに勝つと、賞金でパソコン買えますし、
その後2回勝つと、ちょっとね・・・(微笑)。
まだ、契約書ちゃんとしてないんで、言えないんですよ。
いや、ほとんど決まってるんで、言えるようになったら
ここでちゃんと伏せ字じゃなく。
文字にモザイクかけないで・・・」
>この大ニュースについては、発表できるようになったら、
すぐに発表します。さらに、トレーニングの様子や、
日常のちょっといい話も加えてここに連載しますから、
お楽しみに! 応援してください」

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で、やっぱりパソコン持ってない悲しさで、
連絡しばらくなかったんですが、
実はこのxxxxxxが、バス・ルッテンだったわけですよ。
もう、この時点からずいぶん時が経ってしまって、
むろん対戦は本決まりになっていた(※1)。
そして、
突如、成瀬選手から試合結果の連絡が入る。
「試合は、ずっと剛が押していて、いったん引き分け。
延長でも優勢に戦っていたんだが、
最後に打ち合いになって、一発くらって敗戦」
という内容だった。
あっちゃーっ!
負けた、ですか。
そのこと、「ほぼ日」でレポートしなきゃ、ガマンして。
・・・そーかー、負けたか・・・。
ぼくは、あちこちの格闘技関係の掲示板などを探して、
とても「ルッテンに有利な状況」で、
高阪くんが負けたらしいということを知った。
グラウンドの得意な高阪が、寝技で優勢になると、
審判がブレイクさせて立たせてしまったりということが、
あったらしい。
しかも、あっちのペイパービューでの番組づくりは、
「ルッテンという新スター」を演出する意図が見え見えで、
まるで、猪木の引退試合における
ドン・フライみたいな立場で、高阪はあつかわれていた
・・・という感じだったらしい。
ふ〜む。
どんな感じだったのか、本人の気持ちとかを聞きたいなぁ。
「敗れた!」って、やっぱりショックだったのだろうか?
勝って、いろいろ買い物する予定もあったわけだし。

電話するタイミングをはかっていたら、
本人から、突然の国際電話。
「おおっ! どどどど、ど、どうだったのよ?!」

では、本人のコメントをお聞きください。
『あ、負けました。
ええ。優勢っていうか、グラウンドでやれましたから、
予定通りだったんですけど。
延長で、気を失って、TKOでしたね』

こっちのファンの発言なんか読むと、
ルッテンをスターにするって感じで、
とにかく勝たせるぞって試合だったっていうんだけど。
それは、ひいき目なのかなぁ?

『いや、そういえば、そうだったんですけどね。
ぼくのほうの映像とか、試合以外はほとんどっていうか、
映ってませんでしたからね。
ルッテンは、アメリカでの実績もあるし、
押し出すタイミングなんでしょうね。
だから、判定じゃ勝てないなって思ってはいましたね。
あ、グラウンドですか、ああ、
1回は、バスが逃げたんですけど、
その後、2回は審判にブレイクさせられたですね。
それで、アレッて思ったんですけど、
そういうこと考えてていいこともないですから、
考えないようにしてましたね』

勝てるという感じはあったの?

『ま、思ったようにはやれていたし、
コンデションも、その日にうまいことピークを
持っていけたんで、いいかなと思ってましたけどね。
とにかく、バスはタフなんですよ。
KOするのはかなり難しいんです。
え? ミーシャくらい? いやぁ、もっと、とにかく、タフで。
マウントポジションとった状態からのパンチで、
ダメージを蓄積させていこうと思ったんですけど。
顔は痛そうな顔するんですけどねぇ、
もくもくと耐えるんですよ。
まぁ、いいポジションの状態で1発いいパンチが入って、
その時に関節とれればイケルと思ったんですケド』

決め手がなかったわけだ。
ってことは、相手も決め手が探せなかったわけだね。

『そうですね。
バスはバリエーションが豊かで、おもしろいんですよ。
頭がいいんで、グラウンドに持っていった時でも、
3回ともちがうパターンでそこに持っていったんですよ。
同じ入り方は絶対にさせてくれなかったですね。
で、ぼくが上になってる時にでも、
上手に脚をからめていましたから、次に、
関節をとりに行けなかったんです。
だから、バスのほうも、そのしのぎ方はできるけど、
立てないと勝ちきれないと思っていたんでしょうし。
まだ、両方とも、課題がいっぱいあるって感じでしょうね』

おもしろかった、と。
負けは、どうやって負けたんだろ?

『おもしろかったですねぇ。
まぁ、延長になって、タックルで入りたかったんですよ。
ロングリーチのパンチがこなくなったんで、
的(まと)をつくって待ってたんですよね。
的をつくって打たせて、タックル。
でも、どうもちょっと入りが浅いんで。
もう、パンチは打たせて、もらっておいてタックルと、
決めていたんでもらっちゃったんですけど、
それがいいのが入っちゃって。
手を抑えられて膝蹴りをくらって、もう2〜3発。
気を失って、気が付いたらマットに座ってた』

ありゃあ。もらってもいいはずのパンチかぁ。
ダメージはどうでしょう?

『2〜3秒、記憶がないんで、
脳しんとう起こしてたんですけど、頭が痛くて。
最初は骨のほうの痛みかと思ってたんですけど、
どうやら中のほうみたいなんで、
明日、病院行って、CTスキャンで調べます。
関節のダメージはないし、
あんまり打たれてないんで、ま、大丈夫です』

この敗戦は、本人としては、どういう感想?

『マッチメイクを決める責任者が、会長か、
終わったらすぐ来て、
「よかったです」って。
「再戦してくれ」って、あとはバスに聞いて、
日程とか決めるって言ってましたし、
悪い試合してなかったのはわかりましたね。
おもしろかったし、課題も両方にあったし、
これで、アメリカに片足かけたなって気がしますね。
まだ片足が日本で、カラダが日付変更線のあたりって、
そんな感じですけどね。
評価されるってことが、明日の食い物に関わるんで、
負けたってことよりも、いい試合にはなったということが、
よかったと思いますね。
これで、次やっても、
これくらいの試合には確実に持っていけるし。
十分に勝つ可能性がありますから』

わぁ、そうかぁ。日本にいて心配してるようなことと、
本人のコトバとは、ずいぶんちがうねぇ。

『あ、そうですか。
今度の武道館(※2)に行くんで、
日本にビデオを持っていきますから見てください。
コンピュータもいよいよ必要になるし、
引っ越しをもうすぐするんで、その時に買いますから』

剛に激励のメールを入れられるわけだよね、その時は。

『モーリスのジム宛(※3)でも、ローマ字で書いてくれれば、
ぼくに教えてくれるから、それでもいいし。
FAXでもいいですよ。夜は音鳴らないようにしてるから』

ということで、ほんとはFAX番号を記しておこうとも、
考えたのですが、やっぱりちょっとやめときます。


(※1)試合はルイジアナ州 
ニューオリンズボンヂャ−トレインセンター
という所で行われました。
これは、前に、高阪選手がキモ選手に勝った場所でした。

(※2)んじゃ?! 怪我で欠場の
フランク・シャムロックのピンチヒッターで、
田村潔司選手とやるのだろうか??
おいおい、大丈夫かよ。CTスキャンの結果は?

(※3)maurice@cyberpost1.com
つよぴょんは、ここの居候ですから、
マスターに失礼のないよう
十分に注意してメールしてくださいね。

で、ここで終わりにしようと思ったら、
新たに読者からのグッドタイミングなメールが届いた。
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さらに読者からのホットニュース!

FROM:チェイゴ
糸井さん、皆さん、こんにちは。
糸井さん(及びわたくし)イチオシの高阪選手、
アメリカのUFC大会で惜しくも
バス・ルッテン選手に負けてしまったようですねぇ。

12分の本戦を優位に進め、
このまま判定に持ち込めば、
間違いなく判定勝ちという好内容だったようですが、
3分間の延長で惜しくも打撃のラッシュで
レフェリーストップ負けしてしまいました。
ですが、この一戦を巡って、
今、海の向こうは大騒ぎ(??)のようです。
ちなみにNETNEWSのalt.ufcには、
(まあ拙い英語力なんですけれども)
以下のような文章が山のように……、

I again guess BJM decision to stand the fighters up.
Both fighters are on the ground throwing punches
and he stands them up, which definitely 
benefits Bas.
とか
not only does big john stand them up twice for no reason, he lets bas
kick TK in the face when he's SITTING position at the end of the fight and
no foul is called!! instead he gives the TKO to bas!!! THIS SUCKS!!!!
TK WAS ROBBED!!!!
とか
without those standups, bas was losing and would have lost that fight.
the standups were ridiculous! at the 5 minute mark TK is dominating bas
on the ground, he's punching him about 8 times in a row to the body and
suddenly big john stands them up! then at about 9 minutes same thing TK
is dominating bas on the ground, throws 5 punches to bas's head, and
immediately big john stands them up!!
とか
all hail the new poster boy of the UFC, now that frank is gone. bas "no
ground game, but tag teaming with the ref" rutten.
とか
Rutten did not impress anyone with his ground skills. He was taken down
at will by Kohsaka and won only due to McCarthy's intervention. He was
getting pounded really good. I am willing to bet that McCarthy was under
a direct order from Myerowitz to stop the fight as soon as Rutten
connects.
とか
I have seen it in slow-mo and Bas kicked a downed opponent(TK was on his
ass)BEFORE BJM stopped the fight. So where is the foul BJM??????????????
And what is this shit about IMPROVING YOUR POSITION? I never heard that
one before.Oh, that must be the new "Bas Rule".When your throwing as many
strikes as TK was on the ground you dont need to improve your position.
Please BJM,get some glasses and get a clue or get the fuck out of the
Octogon.
とか
rutten sucked on the ground. he had no chance of winning at all with TK
beating the shit out of him like that and controlling him like that.
rutten by SEG executive decision.
とか
I think Bas' is a great fighter but TK wasn't given a fair chance. It's
like they knew Bas was a stand up fighter so they want to keep it up. I
don't think it was fair to TK.
とか
bas rutten was doomed in that fight until they cheated to help him.
とか
If fighters are inactive for a stretch of time on the ground, I have no
problem with a stand up. TK was far from inactive. I really believe it
was to save Bas.
とか……すごく長くなってしまいましたが、
ルッテン選手はルッテン選手で素晴らしい選手ですから、
まるでルッテン選手とレフェリーがグルだったかの
ような物言いはあんまりですけども、
この試合の裁き方には、
とにかくこのくらいたくさん
文句のある外人さんがいるようです。

BJM,big john,McCarthyは、
どれもレフェリーのことですが、
要するに理由もないのに
(上になった高阪がパンチでどんどん攻めている最中で
膠着もしていないのに)レフェリーがブレークした、
それが何度も続いた、と。
向こうのペイパービューの演出が露骨に
「新ヒーロー、バス・ルッテンあらわる」的なつくり
だったこともあって、
そこまでSEG(主催)はヒーローが欲しいのか、
高阪にフェアじゃなかった、ということのようです。

高阪選手自身は、素直に「自分の能力不足」と
コメントしているようで、
このようなアメリカにおける反応は知らないでしょうが、
何はともあれ、高阪ファン、リングスファンとしては、
同じくalt.ufcの以下のような文章を誇りに思いました。

I don't know how good the Japanese guy is
but Rutten didn't overwhelm me.

 高阪選手がPCを買えることを祈りつつ...
                    チェイゴ

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ああ、やっぱりなぁ。そういう反応の多い試合だったのか。
言い訳をしなかった高阪剛に、
あらためて応援のエールを送りたいと思います。

◆ちなみに、上記の英文を、どんな訳でもいいから、
急いでさっと理解したい教養あるぼくらのために、
ここをクリックすると、
日本語的なるものがでてくるようにしました。

1999-01-14-THU

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