永田 |
どうもです。 |
西本 |
お疲れさまです。 |
糸井 |
こんにちは。 |
永田 |
えー、今日は、いつもとちょっと違いまして、
金曜日に3人の予定が合わなかったため、
各自、自宅でドラマを観て、
わざわざ土曜日の昼下がりに、
出社しています。 |
西本 |
この、天気のいい土曜日に、
ドラマの感想をしゃべるためだけに
集まっているという我々です。 |
永田 |
オフィスにいるのは我々3人だけです。
おかしな仕事です。 |
糸井 |
ま、たまにはいいんじゃないですかね。 |
永田 |
よろしくお願いします。 |
西本 |
よろしくお願いします。 |
糸井 |
今回は、しゃべりがいのある回ですね。
そのぶん、たいへんだというのもありますが。 |
永田 |
あ、そうですか。 |
糸井 |
ええ。じつは、1話と2話を観たあとで
このドラマはしゃべるのがむつかしいなという
感覚があったんですけれども、
今回は、しゃべるべき
テーマがあるように思います。
というわけで、まあ、
いつも冒頭にくだらない話をする役割を
ぼくがしていますが、
今日はくだらない話はいたしません。 |
西本 |
えっ、くだらない話はナシですか! |
永田 |
そんなテレビガイド、意味あるんですか。 |
糸井 |
たまにはキミたちがやればいいじゃないですか。 |
永田 |
いきなりくだらない話をしろと
言われても困りますよ。 |
糸井 |
それをやらされてる身にもなってください。
じゃあ、にしもっちゃん、
くだらない話をしなさい。 |
西本 |
ああ、そうですか。じゃあしましょうか。
あの、先日、子どもが生まれまして。 |
永田 |
くだらない話じゃないと思いますが、
ともかくおめでとうございます! |
糸井 |
おめでとうございます! |
西本 |
で、今日、ぼくがちょっと集合時間に遅れたのは
はじめて自分で
おむつを取り替えたからなんです。 |
永田 |
ほう。 |
西本 |
といいますのも、
はじめてのおむつ交換をしていたところ、
その最中に子どもがおしっこをしましてね。
そういうことはよくあることだとは思うんですが
おしっこの勢いがよくて
おしっこがそのまま子どもの口に入ってしまって
いきなり飲尿療法になって
大騒ぎということなんです。 |
糸井 |
その話は‥‥おもしろくないね。 |
永田 |
ほほえましい話じゃないですか。 |
糸井 |
まあ、だいたいの親が
そういう話をするわけですけど、
ようするにそれって、
「うちの子はかわいい」ということですよね。 |
永田 |
それでいいじゃないですか。 |
糸井 |
でも、おむつを替えているときに
子どもがおしっこをして大騒ぎ、
なんていうのは当たり前すぎる話ですよ。 |
永田 |
なんでそんなに攻撃的なんですか。 |
糸井 |
だったらぼくだって言いますよ!
うちの犬が、うんちをしたんですよ!
参りましたよ。大騒ぎですよ。
これでいいんですか? |
西本 |
なにをそんなにプリプリしてるんですか。 |
永田 |
この天気のいい土曜日に。 |
西本 |
このさわやかな新緑の季節に。 |
糸井 |
くだらない話でスタートするにしても、
クオリティーを重視したいということですよ。
じゃ、永田くん、
かわりにくだらない話をしなさい。 |
永田 |
ぼくですか。困ったな。
あ、ちょっと待ってくださいね。
(一瞬、席を外し、戻ってくる)
はいこれ、にしもっちゃん、出産祝い。 |
西本 |
あ、ありがとうございます。 |
糸井 |
‥‥それは、なに? |
永田 |
抱っこひもです。 |
糸井 |
抱っこひもですか。 |
永田 |
ええ、抱っこひもです。 |
西本 |
抱っこひも、欲しかったんですよ。 |
糸井 |
抱っこひもが欲しかったんですか。 |
西本 |
ええ、抱っこひもが欲しかったんです。 |
糸井 |
抱っこひもが欲しかったんですね。 |
永田 |
Baby Bjornの抱っこひもです。 |
糸井 |
Baby Bjornの抱っこひもですか。 |
西本 |
(ガサガサガサ‥‥)
あ、Baby Bjornの抱っこひもです。
ありがとうございます。 |
永田 |
いえいえどういたしまして。
Baby Bjornの抱っこひもです。 |
西本 |
Baby Bjornの抱っこひもですね。 |
糸井 |
抱っこひもの話を
いつまで続ける気ですか。 |
西本 |
えっ、抱っこひもの話を
続けちゃいけなかったんですか。 |
永田 |
またこのパターンか。 |
糸井 |
ぼくはね‥‥ほんとうにつまらないです! |
ふたり |
あはははははは。 |
糸井 |
あなたたち、そんなことでいいんですか。 |
永田 |
いったいどうしちゃったんですか。 |
西本 |
なにを怒ってるんですか。 |
糸井 |
不満ですね。
不満といよりもむしろ‥‥孤独です! |
永田 |
なんなんですか。 |
西本 |
なんなんですか。 |
糸井 |
キミたち、自分がいつも、
お笑い芸人について、
どれほど厳しいことを言っているか
思い出してみなさい。 |
永田 |
はあ。 |
西本 |
はあ。 |
糸井 |
キミたちはテレビを観るたびに、
「このコンビのこっちがよくなれば
もっとおもしろいのに」とか、
「うまいけど、笑えない」とか、
「笑っちゃうけど、うまくはない」とか、
さんざん厳しいことを言ってるじゃないですか。
「死ね!」とか言ってるじゃないですか。 |
永田 |
死ねとは言ってませんよ。 |
西本 |
死ねとは言ってませんよ。 |
糸井 |
比喩ですよ。それほど厳しいということですよ。
そんなふたりがだなあ、そろいもそろって、
「おむつを替えたらおしっこしました」
「抱っこひもです」
「わあ、抱っこひもだ」
‥‥そんなことでいいのかっ! |
永田 |
そんなこと言われても、ぼくらはいま
0歳児の父と1歳児の父ですからね。 |
西本 |
そのあたりに関しては、
人間が丸くもなりますよ。 |
糸井 |
人間が丸いんじゃなくて、
レベルが低いんですよ! |
永田 |
落ち着いてくださいよ。 |
西本 |
困った上司だな。 |
糸井 |
今回はね、ぼくは、観たあとで
いろいろと考えたんです。
だからしっかり語るつもりで来たんです。
それが、こんな、
ぬるま湯のようなやり取りを聞かされるなんて! |
西本 |
ぬるま湯かあ‥‥。 |
永田 |
へえ、ぬるま湯かあ‥‥。 |
糸井 |
その反応がぬるま湯だというんだよ。
いつものキレはどうした。
たとえていうならば、つまり
今日のぼくの居心地の悪さは、
「知り合いの家の新築祝いに来た感じ」
ですよ。 |
永田 |
ああーーー、「新築祝い」! |
西本 |
なるほど、そりゃまずい! |
糸井 |
ひととおり、
ぐるっと案内されちゃったりしてさ。
「この柱はなんとかの木なんだけどね」
とか言われちゃってさ。 |
永田 |
それはたしかに居心地が悪い。
「わー、ウォシュレットじゃん!」
みたいなことを
いちおう言ってみたりして。 |
西本 |
たいてい寝室のあたりで
「え、見てもいいの?」
なんて訊いたりするんスよね。
案内されてるっつーの。 |
糸井 |
こう、踊り場にリトグラフかなんかが
かけてあったりしてね。 |
永田 |
「ゲタ箱大きいねえ」とか。 |
西本 |
「タバコは外で吸ったほうがいい?」とか。 |
糸井 |
それ‥‥おもしろいですか? |
ふたり |
おもしろいわけがない。 |
糸井 |
やっとわかってもらえましたか。 |
永田 |
つまり、いまぼくらはふたりして、
新築の家をニコニコしながら
案内していたというわけですか。 |
糸井 |
そうですよ。しかも、今日、
ぼくは新築祝いに来たつもりはないんですよ。
しっかり話をしようというつもりで
土曜日の2時にやってきたんですよ。
そしたら、キミたちが
「いやいや、どうぞどうぞ」と、
新品のスリッパを差し出したわけですよ。 |
西本 |
それは反省しないといけないですね。 |
糸井 |
先週、「笑いとは、エールだ!」
なんつってたやつらが、
抱っこひもを渡してさあ、
渡されたほうもニヤニヤしちゃってさあ。 |
ふたり |
申しわけありません。 |
糸井 |
しかし、それは、なんなんですかね。
そういうホルモンが出るんですかね。
つまり、これからの、子育てという
長い長い道のりを歩み出すにあたり、
いったん、そういう状態にさせるんですかね。 |
西本 |
なんなんですかねえ。
あの、「かわいい」という気持ちが、
それまで女性に対して思っていた
「かわいい」とは違う、
「別のかわいい」があるということに
はじめて気づきました。 |
糸井 |
ああ、なんて平凡な感想だろう! |
永田 |
ありふれたコメントです!
「ザ・新米パパ」! |
糸井 |
どうだ。このつまらなさがわかったか。 |
西本 |
なるほど。我ながら驚きです。 |
永田 |
でもね、糸井さん。いまの話、
この場に糸井さんがいなかったら、ぼく、
「わっかるわぁ!」と相づちをうって
さらに盛り上がってますよ。 |
糸井 |
つまり、ぬるいラリーを続けるわけだろう。 |
西本 |
ぬるぬるのラリーを続けますよ。
ボレーなんか思いつきもしない。 |
永田 |
ていうか、バドミントンだね。
しかも、ネットのない状態の。
休日の公園のバドミントンです。 |
糸井 |
あの、誰かに子どもが生まれるたびに
「あらゆる赤ん坊は、
生まれたときはかわいくない」
とぼくが言うじゃないですか。 |
永田 |
はい。ぼくも言われました。
言われたときは、驚きました。
驚いたというか、あきれましたよ。
「この人は、人間がねじ曲がっている」
と思ったもんですが‥‥。 |
糸井 |
みんなそういう反応をするんですよ。
でも、正しかっただろう?
いまのほうがかわいいだろう? |
永田 |
いまのほうがかわいいですよ。
生まれたばかりの写真を見ると、
「あれ? こんなだったっけ?」
って思うんですよ。
あんなにかわいかったのに。 |
糸井 |
存在としてはかわいくても、
造形としては、かわいくないんですよ。
ところが、生まれたすぐには
それがまったくわからないんです。親には。
で、ぼくはにしもっちゃんに、
生まれたばかりのころに、
そのことをちゃんと説明したんですよ。
そしたら、この男は、
「そうなんですよねー」って、
いちおう理解した顔をしてたんですよ。 |
西本 |
ええ、ええ、たしかに言いました。 |
糸井 |
それが、「かわいい」と言うじゃないですか! |
永田 |
だって、かわいいもんなあ。 |
糸井 |
なんですか、その批評精神のなさは! |
西本 |
あのですね、きちんと言いますけどね。
子どもが生まれてからというもの、
会社はもちろん、親戚の前でも、
ぼくはことさら騒がないようにしてたんです。
ところがね、言わせてもらうとね、
これが‥‥‥‥かわいい。 |
永田 |
うははははははは! |
糸井 |
もう、疲れたよ、おれは。 |
永田 |
それさあ、どんどんかわいくなるからね。
おれ、いまだに自分でも
おかしいなあと思うんだけど、
家に着いて、マンションの入り口から
エレベーターに向かうとき、
ちょっと小走りになっちゃうんだよ。
「まだ起きてるかなあ」って。 |
糸井 |
うわあ、どうでもいい! |
西本 |
なるほど、どうでもいい話だ。 |
糸井 |
おれはいま、
新しい材木のにおいをかがされてるぞ! |
永田 |
しかし、長くこのコンテンツを続けてますけど、
ここまできれいに2対1の状態になって
糸井さんがひいてるっていうのは
過去に例がないですね。 |
糸井 |
ほんとにおもしろくない!
「あらゆる赤ん坊は、
生まれたときはかわいくない」
ということばの裏にはね、
「これから、成長して、
もっともっとかわいくなるんだよ?」
という、ぼくの先輩としての
優しさが込められているわけですよ。
それを、ふたりが、いまの状態で
「かわいい、かわいい!」
と言い合ってしまってどうするんですか。 |
永田 |
というわけで、まあ、ほぼ日版の、
『子ほめ』をお届けしました。 |
糸井 |
今回は『子ほめ』じゃなくて『茶の湯』だろ! |
西本 |
というわけで、話が見事に
『茶の湯』に戻ってきたところで
ドラマの話ですが‥‥。 |
糸井 |
そんな戻り方があるか。
だいたい、親がふつうに子どもをほめるだけじゃ、
『子ほめ』にすらなってないぞ。 |
西本 |
やっと話が戻ってきたのに、
細かいこと言わないでください。 |
永田 |
はい、『茶の湯』です。 |
糸井 |
そんな強引な‥‥。 |
ふたり |
『茶の湯』です! |
糸井 |
くぅ〜、2対1。 |
西本 |
え〜、まず冒頭の部分ですけど、
前回までのまとめとタイトルコールを
いろんな人がやるっていうのがいいですよね。
みんなでドラマを作っているという感じがして。 |
永田 |
スペシャルが昇太さんで、
1回目が虎児、前回がどん太、
そして今回はぎんぎんでした。
今後は誰が高座に上がるのか、たのしみですね。 |
糸井 |
むむむむむ‥‥。 |
西本 |
どうしましたか? |
糸井 |
まだ、なんか新築くさいぞ。 |
永田 |
考えすぎですよ。 |
西本 |
そうですよ。ドラマを観る目と
子どもを見るときの目は別です。 |
糸井 |
いや、ぬるい!
新築の家のにおいがする! |
永田 |
というか、さっさと話を切り出してください。 |
糸井 |
それでは行かせていただきます。 |
ふたり |
どうぞどうぞ。 |
糸井 |
今回はね、これまでと違って、
ナイスな敵役がふたり出てきましたよね。
一方はジャンプ亭ジャンプ、荒川良々という、
芸の世界を小生意気に分析するオタク。
もう一方はBOSS片岡という、
なんだかしらないんだけど
影響力だけはあるというプロデューサー。
この構造はね、これまでのエピソードにはない
「毒」のようなものを含んでますよね。 |
永田 |
毒‥‥といいますと? |
糸井 |
この、『タイガー&ドラゴン』という
ドラマそのものが、ジャンプ亭ジャンプであり、
BOSS片岡であるということですよ。
つまり、自分を鏡に映しながら、
その姿をちくちくとデフォルメしていくという
フグが自分のキモを
食うような構造を持っているんです。 |
西本 |
はあはあはあ、なるほど。 |
永田 |
つまり、もっというと、宮藤官九郎という人は、
いまやBOSS片岡にだってなれるし、
BOSS片岡みたいな人に
翻弄された経験もあるだろうし、
ジャンプ亭のような
マニアックさも持っている一方で、
ジャンプ亭のような人に
いろいろ分析される立場にもあるということで。 |
西本 |
たとえばこんなふうに
語られるっていうことが、
まさにそういうことですよね。 |
糸井 |
そういうことなんです。
その構造はね、これまでの回と違って、
ちょっと痛いんですよ。
自分に対する批評的な視線が入るんです。
だからそこを
しっかり語ろうと思って来たんです。
そ・し・た・ら、キミたちは! |
西本 |
批評精神がなくてすいません。 |
永田 |
子煩悩ですいません。 |
糸井 |
もっと言うとね、ぼくはですね、
自分に対しても向き合うつもりでいるんです。
要するに、この話をしていくと、
「じゃあ、BOSS片岡と、
糸井重里はどこが違うんだよ」
ということになるだろうと、
覚悟までしてきているんですよ。 |
永田 |
うわ。 |
西本 |
そこまで見通してましたか。 |
糸井 |
気合を入れて、土曜の2時に来たわけです。
そしたら、新品のスリッパを履かされて、
「便所は2階にもあるんだよ」なんて! |
西本 |
おむつ替えててすいません。 |
永田 |
抱っこひも選んでてすいません。 |
糸井 |
BOSS片岡について言うとね、
ああいう仕事は実際にあるわけです。
なきゃ困るんです。
この『タイガー&ドラゴン』だって、
プロデューサーが小劇場系の人を
「この子はいい」と思って
入れてるからこそ成り立ってるんです。
そこが見えると、BOSS片岡っていうのは
たんなる敵役には思えないんです。
たとえば、最後のクライマックスのところ、
虎児が片岡に向かって啖呵きりますよね。
「おまえらのひと言に
一喜一憂するやつらがいるんだ」と。
「なぜなら、それは必死だからだ」と。
あれをね、ぼくも、自分が若いころだったら
「そのとおり!」と言って拍手しますよ。
みんなあそこで共感して、
泣いたりするでしょう。
たぶん、うちの女子部なんかも、
ぐっと来ちゃったりするんでしょう。
でもねえ、番組をつくっている人や、
ぼくなんかはそう単純には思えないんです。
つまり、早い話が、
「こっちは必死なんだよ!」
って言ってる人のなかに、
ろくでもないやつだって
たくさん混じってるんですよ。
そこまで思いながら観ていくと、
今回の話というのは毒がキツいんです。
キツい話になるな、とぼくは思ってたんです。
思いながら、ここへ来たんです。
そ・し・た・ら、キミたちはっ! |
永田 |
話の終わりに
いちいち怒るのやめてくださいよ。 |
西本 |
しかも同じパターンじゃないですか。 |
糸井 |
ちょっとした照れ隠しですよ。 |
西本 |
わかりますが。 |
永田 |
たしかに、つくり手の経験みたいなものが
反映されているんでしょうね。
とくに、竜二が、BOSSに
「いいねー」とは言われるんだけど、
なかなかオッケーが出なくて
自分の持ち味を出せばいいのか、
クライアントの欲求に応えるべきなのか
よくわからなくなるあたり、
宮藤さんも経験したことなのかなあと。 |
糸井 |
彼の場合には助けてくれる人がまわりに
いたんだと思うんだけどね。
ま、ステップアップするときの
ほとんどの人が、ああなるんですよね。
ただ、そうは言っても、
ここでのBOSS片岡は
しっかりしたオトナとしては描かれてないんで、
あきらかにやっちゃいけないことを
やってますけれどね。
ええと、それがなんだかわかりま‥‥。 |
西本 |
わかりません! どうぞ! |
永田 |
めんどくさいんで、どうぞ! |
糸井 |
そんな言い方がありますか。 |
西本 |
ここはボレーで返します。 |
永田 |
ふたりしてネットについてます。 |
糸井 |
そんなテニスは変でしょう。 |
ふたり |
どうぞどうぞ。 |
糸井 |
黙ってリストバンドのデザインを
変えちゃったことです。
変えるなら変えるで、言え。 |
永田 |
わ、意外にふつうな解答ですね。 |
西本 |
むしろちょっと平凡じゃないですか? |
糸井 |
しょうがないでしょう。
そうなんだから。 |
永田 |
新築のにおいがしますね。 |
西本 |
ええ。ガレージの電動シャッターを
見せられてる気分です。 |
糸井 |
ま、もっと平凡なことを言うと、
竜二が製品をつくるまで
きちんとプロデュースしなくちゃ
いけませんけどね。 |
西本 |
おお、なんて平凡な指摘だ! |
永田 |
セオリーどおり! 教科書どおり! |
糸井 |
やかましい。 |
永田 |
竜二の店、ドラゴンソーダを
はじめて訪れたときに、
ほんとうに気に入ったかどうか
よくわかってなかったようなんですけど、
そのへんに罪はないんですかね。 |
糸井 |
理由はどうあれ、あの店で、
「いいね」「新しいね」と思ったのは
ほんとうのことなんじゃないですかね。
やっぱりぼくは、BOSSは、
ほとんどなにも悪いことをしていない、
くらいに思ってますよ。
デザインを変えたことも悪くない。
ただ、それを黙ってやっちゃったのは
まずかった。
でも、けっきょくは、
竜二が答えを出せなかったということですよ。
「これでいいのか?」「これでいいんだ」って
悩んでいるあいだにも時間は過ぎていくんだよ、
と思う部分はあります。
きっと、真剣にものをつくっている人には、
竜二とBOSSの両方の気持ちが
わかるんじゃないかと思いますよ。
つまり、このドラマを
つくっている人たちなんかは
両側をわかっててドラマをつくってるんです。
その構造は、痛いし、観てておもしろい。 |
西本 |
じつはぼくも、
似たようなジャンルの業務を
受け持っていることもあって
BOSSに同情してたんです。
っていうのは、プロデューサー業って、
基本というか、基礎になるのが
自分のアイデアだったり、
自分がおもしろいと思うものだったりするので、
わかりやすい拠り所がないんですよ。
今回、竜二も虎児も、
自分を見つめ直したり、
基本に帰ろうとしたりしますよね。
虎児は古典を勉強してみたり。
BOSSは、そういうことができないし、
師匠がいるわけでもないから、
不安だと思うんですよね。
それは自分が仕事をしてても
よくぶちあたるところなんで心が痛かったです。 |
糸井 |
ようするに、
「なにがいいのか?」ということです。
少なくとも落語については、
誰が認めようと認めまいと、
「オレはこれがいいと思う」
というのがあるんですよ。
でも、BOSSの仕事に関しては、
「誰かが認めている」というのが
自分がいいと思う理由になるんですよ。
「人がいいと思うものがいいんだよ」
という理屈なんです。
そのふたつはじつは大きく違うし、
そこは、原宿と浅草の現象の
大きな違いとして描かれてますよね。
BOSSがかわいそうだとしたらそこです。
「人がいいと思うもの」を根拠にしちゃうと
説明できなくなっちゃうんです。
だから巻き込まれた竜二も
わけがわからなくなってしまう。
また、わざわざ孤独に描かれてましたしね。
でっかいオフィスで、
ひとりで仕事してるじゃないですか。
孤独なオヤジっていうかさあ、
あれ、寂しいやつですよね。
それをドラマにしたということで、
お客さんがどっちに私がいるんだろうと
悩んじゃった瞬間に、
ものすごくこの回はおもしろくなるんです。
あいつもそうですよ。荒川良々にしても。
あいつ自身が、うまいのかうまくないのか。
彼がほんとうにわかっているかどうか、
わからないじゃないですか。
ブレてるじゃないですか。 |
永田 |
虎児の、落語家としての
おもしろさもそうですね。
ほんとうにおもしろいのか、ウケてるのか、
虎児自身にも、ソバ屋のオヤジにも、
視聴者にも、よくわかっていない。
いいやつだということはわかる。
ドラマのなかでは、「ウケている場面」が
描かれてはいるけれど、ブレてる。 |
西本 |
竜二のメッシュもそうですよ。
「ダサいもの」として描かれているけど、
ほんとにダサいのかというと
ブレまくってますよ。 |
糸井 |
あのおでん屋のおでんはどうですか。
うまそうじゃないですか。
オヤジもうまいと思ってるんですよ。
でも、食べてるふたりは「まずい」って
にこにこしながら言うわけでしょう?
観るぼくらは先週まで
うまそうだと思って観てたわけでしょう?
つまり、早い話が、
「絶対的な価値ってなんだろう」
という話をみんなでしてるわけです。
その「価値がブレる様子」を
笑い話のネタにしたり、
悩みのタネにしたりしてるんです。
この構造がなにと似てるか、わかりますよね。 |
ふたり |
『茶の湯』だ。 |
糸井 |
そういうことです。つまり、
「お茶というのがいいらしいから」
と言ってやりはじめるから、
やってることがいちいち変なことになっちゃう。
じゃ、茶の湯そのものって
どうなんだっていうところが
本来、知りたいところなんですよ。
だからねえ、今回の構造はえげつなくて
これをオレらに見せて
どないせいっちゅうねん!
というくらい頭が痛かったですよ。
だから、ぼくはおもしろかったですよ。
うちのカミさんなんかも、
ふだんはドラマを
おもしろがらない人なんですけど、
感心してましたよ、今回は。 |
西本 |
ぼくも、観おわった直後に、
「自分が十代のときにこれを観たら
どう感じただろうな」
って思いましたよ。 |
永田 |
あの、さらに言うと、
竜二の価値観というのは
もう一段階、深い部分でブレてますよね。
つまり、メッシュがどうなんだ、
ということより、
「竜二はほんとうに服がつくりたいのか?」
というところが、じつはドラマのなかで
曖昧になってるじゃないですか。
このドラマは、先週の話で出た
「気持ちいいぐしゃぐしゃ」の状態だから、
そこが曖昧でも気にならないんですけど、
これ、ふつうのドラマだったら、もっと、
「そこをはっきりさせろよ、竜二」
って感じると思うんですよね。
ひょっとしたら、ドラマ全体の大きな流れとして
今後扱われるのかもしれませんけど、
要するに、竜二は落語をやりたいのか? |
糸井 |
洋服は落語からの
逃げなんじゃないのかっていうことだよね。
でもさ、現実的なことでいうと、
みんなあんなもんでしょ。
それは、オレだってそうだぜ。
みんなスタートラインはあんなもんだぜ。
もてたくてバンドやってるのか?
音楽が好きだからバンドなのか?
と訊かれたときにバンドマンはみんな、
どっちかのウソをつくんだよ。 |
永田 |
ブレて当然、混ざるのがふつう、
っていうことですね。そうかあ。
それに比べると虎児のブレかたは
まだ健全な気がしますね。
ウケる新作なのか、力の必要な古典なのか、
なんていう悩みかたは、
ほんとうに芸人さんや噺家さんが
悩んでいるようなことだろうし。 |
西本 |
それこそ吉本興業がつくった流れなんですよ。
ダウンタウン以降ですけど、
芸人になるには、
弟子になることからはじめることが
ふつうだったんですけど、
NSCという専門学校に入って
芸人になっていくという構造ができた。 |
永田 |
それも、結論というのはないわけだよね。
ダウンタウンはそうしたというだけで。 |
西本 |
うん。さんまさんや紳助さんの時代は
弟子入りすることが当然だったというだけで、
どちらが正解ということもないんですよ。
落語家やマジシャンは
やっぱり弟子入りしたほうが
世の中に出ていくシステムとしてはいいですし。
ドラマのなかでも両方描かれてますしね。
荒川良々は、まあ、弟子入りしましたけど、
存在としてはノーブランド芸人で、
虎児は弟子入りしてますよね。 |
永田 |
ってことは、虎児は昇太さんに近いんだ。 |
糸井 |
そうですね。極めて近い。 |
永田 |
大らかな師匠について、
自由にやらせてもらっているという。 |
糸井 |
なにが正解というわけじゃないですからね。
みんなが「ほんとうはなんだろう?」と
思いながらやってるわけです。
TBSという会社の社員である人が
演出をしてたりもするでしょうし、
大人計画で松尾スズキのところに入って、
外で活躍している宮藤官九郎という人もいるし。 |
永田 |
もうひとつ、言わせてもらっていいですか。
今回、「おまえそれどうなのよ」っていう
鏡の役目として、
ジャンプ亭とBOSSがいましたけど、
「毒」が含まれているとすると、
ほんとうに切っ先が向けられているのは、
じつは、「お客さん」のほうですよね。
ぼくら視聴者も含む、お客さん。
ブレてることを考えもせずに、
ふらふらしてるあなたたちはどうなの?
大丈夫なの? っていう。 |
西本 |
最後にリストバンドを投げ捨てる人たち。 |
永田 |
そうそう。 |
糸井 |
あの場面には大衆の恐ろしさが
表されてましたよね。
一方、比較として、寄席にいる人は
素直な客として描かれているんですよ。
いいものはいいと言うし、
つまんないものはつまんないと言うし。 |
永田 |
あ、でも、あれはサービスじゃないですか。
たしかに客席に座る人は
「いい客」として表現されてますけど、
その向こう側にいる人を、
ネットの掲示板に書き込む人という形で
表してますよ。 |
糸井 |
あいたたたたた、そうだね。
だから、今回の話は、ほんとうに、
価値観の混沌をさらけ出しているんですよ。
「これはよくない! これが正しい!」
って答えを提示するようなものじゃなく、
そのまんま、いろんな形で出してるんです。
だから痛いんです。ショックがあるんですよ。 |
西本 |
全部を俯瞰でみて
「こういうものはこうするんですよ」
と諭してくれるような長老みたいなものが
ひとつもないです。 |
永田 |
ただ、あまりにみんながブレていると、
破綻するというか、
落ち着かなくなっちゃうんで、
いわば絵の外側というか、
額縁のようなものとして、
西田さんを置いてますよね。
西田さんは、親としてはブレてるけど、
芸の部分ではブレない。
ジャンプ亭を受け入れて、見極めて、
きっちり「辞めてくれ」って言ってるし。
あと、今回の役どころで言うと、
「で、いくら要りまんのん?」と言う鶴瓶さんも
ブレない側の人かな。 |
糸井 |
つまり、長老はいないけれども、
絵の四隅にブレないオヤジを
置いているわけですね。
ちょっとした敬意とともに、
画鋲のようにピタッ、ピタッと。 |
永田 |
あ! あともうひとり、
ブレない軸として機能してる人がいました。
伊東美咲さんですよ。
価値観がふらふらふらふらするなかで、
天然キャラとして
「この人は、いいものはいいと言い、
ダメなものはダメと言う」
役割になってましたよね。 |
糸井 |
ああ、あの人は
リトマス試験紙みたいになってましたね。
まわりがぼこぼこ化学反応してるのに、
「アルカリだったらこの色になります!」
みたいな反応をしてて、よかったですね。 |
西本 |
まわりがブレているから
あの天然キャラがブレない人として
貴重になってくるんですよね。 |
永田 |
うん。結果的に、ひと言だけど、
BOSSのことばより重みがあるという。 |
糸井 |
BOSSと違って、
メグミは「自分がいいと思う」ということを
拠り所にしているからあれが言えるんです。 |
永田 |
で、最初に糸井さんが言ってたことを
確認しておきたいんですけど、
たとえば、糸井さんがBOSSの立場なら
どうするんですかね。 |
糸井 |
うん。いちばん大事なことのひとつは、
その子を「いいな」と感じて
いっしょにやりたいと思ったなら、
「いいな」と感じたことの理由を、
なくさないようにするということでしょうね。
たとえば、へたなんだけど
大きな声が出せる人がいるとしたら、
「大きな声」は変えちゃダメなんです。
あと、あのふたりで言うと、
本来ならばまず、もっと話すべきですね。
「ドラゴンソーダのなにがいいのか?」
ということを、BOSSと竜二で、
徹底的にやり取りしないとダメですよね。
自分が譲れないものがなにか、
わからないうちはムリですよ。
ま、少なくともそういうのが、
ぼくのやりかたですね。
BOSSさんにはBOSSさんの
やりかたがあるんだとは思いますが。 |
永田 |
なるほど。 |
西本 |
あの、BOSSさんが
悪いやつじゃないなと痛感したのは、
最後の寄席のシーンなんですよ。
あの人、ちゃんと観に来てたじゃないですか。 |
糸井 |
来てたなあ。 |
永田 |
来てた来てた。
ああ、あれはけっこう大きなことだね。 |
西本 |
大きなことですよ。
招待券を渡しても、ほんとに悪役だったら
虎児が去った後に
ポイッと捨てるシーンを入れたりするでしょう。
来ているということは
プロデューサーとしても
探す目と足がある人なんですよね。
だから、彼は仕事を
さぼっているわけじゃないんです。
やっぱり、不安で観に来たかもしれないし、
なにか知りたいことがあったのかもしれない。
ちゃんと吸収しようとしてるんだなあ
と思いました。だから、ぼくは
けっこう好きですね、あの男。 |
糸井 |
一回きりのキャラクターなのかな?
あれはこれからも出してほしいね。 |
西本 |
ちなみに、あのBOSS片岡という名前のモデルは
『めちゃイケ』の演出の
片岡飛鳥さんなのかなと思いました。
たしか、芸人さんたちが片岡さんのことを
「BOSS」って呼んでたんですよ。 |
永田 |
へえええ。 |
西本 |
ほんとにそうなのかどうかわかりませんが、
ディテールのひとつとして、報告しておきます。 |
糸井 |
ティテールでいうと、
荒川良々さんの近鉄の帽子はいいよねえ。
思えば岡本太郎だしね。 |
西本 |
近鉄の帽子をかぶってて
大阪弁をしゃべらないというのも、
地味におもしろいところですよ。 |
永田 |
でもあの格好、いるよなあ。
パッと見、非常識な感じでいないように見えて、
ギリギリいるっていう見事な格好。
あと、ソバ屋の、尾美としのりさんの
客席での反応も、ジャンプ亭ジャンプの
ディテールとして見事でしたよね。
「おもしろいんだけど、好きじゃねえなあ」
っていうやつ。なるほどなあと思った。 |
糸井 |
また、自分をほめる師匠に
弟子入りするっていうのもいいよね。 |
永田 |
高田文夫さん(笑)。 |
糸井 |
高田さんがどこで出てくるかと思ったら
あのキャラクターだとはねえ!
ほめる師匠。新しい価値ですよね。 |
西本 |
たけしさんのオールナイトニッポンを
知ってないとあれは出てこないですよね。 |
永田 |
いい音出して球を受ける技術ですね。
そのへんは『落語パラダイス』を
あわせて読んでもらえると、
すごくたのしめると思います。 |
糸井 |
これも『落語パラダイス』を
読んでもらえるとわかるけど、
荒川良々さんのキャラクターというのは、
じつは若いころの
高田文夫さんでもあるんですよね。 |
永田 |
あっ、そうだ!
「おれのほうがおもしろいのに
弟子入りなんかできねえ」
みたいなところだ。 |
糸井 |
その荒川さんを、
高田さんの弟子にしてるというのは
おもしろい構造ですよ。
高田文夫が語る高田文夫を
高田文夫に弟子入りさせてるんです。 |
西本 |
宮藤さんは高田文夫さんの
ファンだったということも
背景にあるでしょうし。 |
永田 |
細かいところでいうと、
西田さんのしゃべりがどんどん
ほんものの落語家さんみたいに
なっていくなあと思って。
とくに、ふだんのしゃべり。
あの、弟子たちに諭すようなところとか
すごくそれっぽくて、さすがだなあと。 |
糸井 |
あのあたりはもっともっと
うまくなるんじゃないですかね。
落語の部分でいうと、ぼくは
「役者さんの落語」と「落語家さんの落語」
の違いが興味深いですね。 |
西本 |
ああ、なるほど。
うまいへたじゃなくて、
たしかにそのふたつのあいだには
なにか違いがあると思います。 |
糸井 |
うまい落語家さんの落語って
ある意味で「歌」のようなものなんですよ。
「歌」だから、何度も聴けるんです。 |
永田 |
なるほど。 |
糸井 |
もちろん、本物の落語家さんのやる落語にも
歌になっているものとそうでないものがあって
役者さんのやる落語はまだ歌じゃないんですよ。
昇太さんが途中でちょっとだけ
『茶の湯』の筋を説明しましたけど、
あれだけで歌だったじゃないですか。
だけど荒川良々さんが高座で
「うまい落語を演じているとき」というのは
まだ歌じゃないんですよ。
だからダメだというんじゃなくて、
ふたつの違いは大きいということです。 |
永田 |
わかります。
荒川良々さん、落語をやっているときよりも
劇中劇に入って、サダキチみたいな役で
二言三言しゃべったときのほうが
よっぽど「歌」でしたよね。 |
糸井 |
そうなんですよ!
あれは「歌」なんです。 |
永田 |
あそこでの西田さんと荒川さんの
短いセリフのやり取りっていうのは
ほんとうにおもしろかったなあ。
「歌」でしたよ、互いに。 |
糸井 |
ああ、だから、落語の部分から、
劇中劇に切り替わるときに快感があるんだね。
あの場面に入ると、役者さん全員が
急に生き生きしだすんですよ。 |
西本 |
時代劇の格好になって、
「全員でいっせいにその役に切り替わる」
っていうのは、あの人たちにとって
もっとも力が発揮できるところなんですね。 |
永田 |
なるほどなあ。 |
糸井 |
あと、細かいところとしては
なにかありますかね。 |
永田 |
今回も「ヅラ問題」はよかったですよ。
取らないという選択肢はまた新しい。 |
西本 |
投げつけようとして「まだ早い!」ですからね。
おおおっ、となりましたよ。
視聴者側が勝手にシリーズみたいにして
たのしんでいるところへ
きちんとシリーズとして
届けてくれるのはうれしいですねえ。 |
糸井 |
あれさ、ノートかなんかがあるんじゃないかね。
表紙に「カツラ」って書いてあってさ。 |
永田 |
「カツラノート」(笑)? |
糸井 |
「カツラノート」(笑)。
ページの頭に
「カツラ5月3日」とか書いてあってさ、
1週間ごとにきちんと
計画と進行状況が記されてる。
「3話ではカツラを取ろうとして止められる」
「5回では投げつけたあと逆さにかぶる」とか。
そういうの、永田くん好みですよね? |
永田 |
もう、大好きですね。
ああいうふざけたことを
どういうふうに段階を踏んで、
予想させつつ予想を裏切りつつ
バカバカしくしていくか、みたいなこと。
第1段階、第2段階あたりを
丁寧に丁寧につくっておいて、
「3」に行くところで「5」に行って、
じゃあつぎは「7」かと思うと
「7」じゃなくて「セブン」!
みたいなところが
ぼくはほんとうに好きなんです。 |
西本 |
「さゆりちゃんが泣いている」
っていうのも、いいシリーズですよね。 |
永田 |
あれもいいですよ。丁寧です。
今回の「泣いてない」っていうパターンも、
虎児にやらせているところが見事です。
西田さんがいつものように
「ほら、さゆりちゃんが
泣いちゃったじゃないか!」って言って、
じつは歯の掃除をしてましたっていうのでも
シリーズとしては成立すると思うんです。
ところがそれをいつもと違って虎児にやらせて
「まだ不慣れなもので」って言わせてるのが
1段階ぶん、丁寧ですよ。 |
糸井 |
このあとも新たなシリーズが
出てきたりするんじゃないですかね。
荒川良々さんは今後も登場するみたいですから
そのあたり、期待大ですよ。 |
永田 |
ソバ屋のオヤジとの対決なんかを
シリーズにしてほしいなあ。 |
西本 |
高田さんもなにかシリーズを
やってくれそうです。 |
糸井 |
ま、そのあたりを期待しつつ
今日はこのあたりで。 |
ふたり |
おつかれさまでした。 |