第3回
「茶の湯」 を観て





永田 どうもです。
西本 お疲れさまです。
糸井 こんにちは。
永田 えー、今日は、いつもとちょっと違いまして、
金曜日に3人の予定が合わなかったため、
各自、自宅でドラマを観て、
わざわざ土曜日の昼下がりに、
出社しています。
西本 この、天気のいい土曜日に、
ドラマの感想をしゃべるためだけに
集まっているという我々です。
永田 オフィスにいるのは我々3人だけです。
おかしな仕事です。
糸井 ま、たまにはいいんじゃないですかね。
永田 よろしくお願いします。
西本 よろしくお願いします。
糸井 今回は、しゃべりがいのある回ですね。
そのぶん、たいへんだというのもありますが。
永田 あ、そうですか。
糸井 ええ。じつは、1話と2話を観たあとで
このドラマはしゃべるのがむつかしいなという
感覚があったんですけれども、
今回は、しゃべるべき
テーマがあるように思います。
というわけで、まあ、
いつも冒頭にくだらない話をする役割を
ぼくがしていますが、
今日はくだらない話はいたしません。
西本 えっ、くだらない話はナシですか!
永田 そんなテレビガイド、意味あるんですか。
糸井 たまにはキミたちがやればいいじゃないですか。
永田 いきなりくだらない話をしろと
言われても困りますよ。
糸井 それをやらされてる身にもなってください。
じゃあ、にしもっちゃん、
くだらない話をしなさい。
西本 ああ、そうですか。じゃあしましょうか。
あの、先日、子どもが生まれまして。
永田 くだらない話じゃないと思いますが、
ともかくおめでとうございます!
糸井 おめでとうございます!
西本 で、今日、ぼくがちょっと集合時間に遅れたのは
はじめて自分で
おむつを取り替えたからなんです。
永田 ほう。
西本 といいますのも、
はじめてのおむつ交換をしていたところ、
その最中に子どもがおしっこをしましてね。
そういうことはよくあることだとは思うんですが
おしっこの勢いがよくて
おしっこがそのまま子どもの口に入ってしまって
いきなり飲尿療法になって
大騒ぎということなんです。
糸井 その話は‥‥おもしろくないね。
永田 ほほえましい話じゃないですか。
糸井 まあ、だいたいの親が
そういう話をするわけですけど、
ようするにそれって、
「うちの子はかわいい」ということですよね。
永田 それでいいじゃないですか。
糸井 でも、おむつを替えているときに
子どもがおしっこをして大騒ぎ、
なんていうのは当たり前すぎる話ですよ。
永田 なんでそんなに攻撃的なんですか。
糸井 だったらぼくだって言いますよ!
うちの犬が、うんちをしたんですよ!
参りましたよ。大騒ぎですよ。
これでいいんですか?
西本 なにをそんなにプリプリしてるんですか。
永田 この天気のいい土曜日に。
西本 このさわやかな新緑の季節に。
糸井 くだらない話でスタートするにしても、
クオリティーを重視したいということですよ。
じゃ、永田くん、
かわりにくだらない話をしなさい。
永田 ぼくですか。困ったな。
あ、ちょっと待ってくださいね。
(一瞬、席を外し、戻ってくる)
はいこれ、にしもっちゃん、出産祝い。
西本 あ、ありがとうございます。
糸井 ‥‥それは、なに?
永田 抱っこひもです。
糸井 抱っこひもですか。
永田 ええ、抱っこひもです。
西本 抱っこひも、欲しかったんですよ。
糸井 抱っこひもが欲しかったんですか。
西本 ええ、抱っこひもが欲しかったんです。
糸井 抱っこひもが欲しかったんですね。
永田 Baby Bjornの抱っこひもです。
糸井 Baby Bjornの抱っこひもですか。
西本 (ガサガサガサ‥‥)
あ、Baby Bjornの抱っこひもです。
ありがとうございます。
永田 いえいえどういたしまして。
Baby Bjornの抱っこひもです。
西本 Baby Bjornの抱っこひもですね。
糸井 抱っこひもの話を
いつまで続ける気ですか。
西本 えっ、抱っこひもの話を
続けちゃいけなかったんですか。
永田 またこのパターンか。
糸井 ぼくはね‥‥ほんとうにつまらないです!
ふたり あはははははは。
糸井 あなたたち、そんなことでいいんですか。
永田 いったいどうしちゃったんですか。
西本 なにを怒ってるんですか。
糸井 不満ですね。
不満といよりもむしろ‥‥孤独です!
永田 なんなんですか。
西本 なんなんですか。
糸井 キミたち、自分がいつも、
お笑い芸人について、
どれほど厳しいことを言っているか
思い出してみなさい。
永田 はあ。
西本 はあ。
糸井 キミたちはテレビを観るたびに、
「このコンビのこっちがよくなれば
 もっとおもしろいのに」とか、
「うまいけど、笑えない」とか、
「笑っちゃうけど、うまくはない」とか、
さんざん厳しいことを言ってるじゃないですか。
「死ね!」とか言ってるじゃないですか。
永田 死ねとは言ってませんよ。
西本 死ねとは言ってませんよ。
糸井 比喩ですよ。それほど厳しいということですよ。
そんなふたりがだなあ、そろいもそろって、
「おむつを替えたらおしっこしました」
「抱っこひもです」
「わあ、抱っこひもだ」
‥‥そんなことでいいのかっ!
永田 そんなこと言われても、ぼくらはいま
0歳児の父と1歳児の父ですからね。
西本 そのあたりに関しては、
人間が丸くもなりますよ。
糸井 人間が丸いんじゃなくて、
レベルが低いんですよ!
永田 落ち着いてくださいよ。
西本 困った上司だな。
糸井 今回はね、ぼくは、観たあとで
いろいろと考えたんです。
だからしっかり語るつもりで来たんです。
それが、こんな、
ぬるま湯のようなやり取りを聞かされるなんて!
西本 ぬるま湯かあ‥‥。
永田 へえ、ぬるま湯かあ‥‥。
糸井 その反応がぬるま湯だというんだよ。
いつものキレはどうした。
たとえていうならば、つまり
今日のぼくの居心地の悪さは、
「知り合いの家の新築祝いに来た感じ」
ですよ。
永田 ああーーー、「新築祝い」!
西本 なるほど、そりゃまずい!
糸井 ひととおり、
ぐるっと案内されちゃったりしてさ。
「この柱はなんとかの木なんだけどね」
とか言われちゃってさ。
永田 それはたしかに居心地が悪い。
「わー、ウォシュレットじゃん!」
みたいなことを
いちおう言ってみたりして。
西本 たいてい寝室のあたりで
「え、見てもいいの?」
なんて訊いたりするんスよね。
案内されてるっつーの。
糸井 こう、踊り場にリトグラフかなんかが
かけてあったりしてね。
永田 「ゲタ箱大きいねえ」とか。
西本 「タバコは外で吸ったほうがいい?」とか。
糸井 それ‥‥おもしろいですか?
ふたり おもしろいわけがない。
糸井 やっとわかってもらえましたか。
永田 つまり、いまぼくらはふたりして、
新築の家をニコニコしながら
案内していたというわけですか。
糸井 そうですよ。しかも、今日、
ぼくは新築祝いに来たつもりはないんですよ。
しっかり話をしようというつもりで
土曜日の2時にやってきたんですよ。
そしたら、キミたちが
「いやいや、どうぞどうぞ」と、
新品のスリッパを差し出したわけですよ。
西本 それは反省しないといけないですね。
糸井 先週、「笑いとは、エールだ!」
なんつってたやつらが、
抱っこひもを渡してさあ、
渡されたほうもニヤニヤしちゃってさあ。
ふたり 申しわけありません。
糸井 しかし、それは、なんなんですかね。
そういうホルモンが出るんですかね。
つまり、これからの、子育てという
長い長い道のりを歩み出すにあたり、
いったん、そういう状態にさせるんですかね。
西本 なんなんですかねえ。
あの、「かわいい」という気持ちが、
それまで女性に対して思っていた
「かわいい」とは違う、
「別のかわいい」があるということに
はじめて気づきました。
糸井 ああ、なんて平凡な感想だろう!
永田 ありふれたコメントです!
「ザ・新米パパ」!
糸井 どうだ。このつまらなさがわかったか。
西本 なるほど。我ながら驚きです。
永田 でもね、糸井さん。いまの話、
この場に糸井さんがいなかったら、ぼく、
「わっかるわぁ!」と相づちをうって
さらに盛り上がってますよ。
糸井 つまり、ぬるいラリーを続けるわけだろう。
西本 ぬるぬるのラリーを続けますよ。
ボレーなんか思いつきもしない。
永田 ていうか、バドミントンだね。
しかも、ネットのない状態の。
休日の公園のバドミントンです。
糸井 あの、誰かに子どもが生まれるたびに
「あらゆる赤ん坊は、
 生まれたときはかわいくない」
とぼくが言うじゃないですか。
永田 はい。ぼくも言われました。
言われたときは、驚きました。
驚いたというか、あきれましたよ。
「この人は、人間がねじ曲がっている」
と思ったもんですが‥‥。
糸井 みんなそういう反応をするんですよ。
でも、正しかっただろう?
いまのほうがかわいいだろう?
永田 いまのほうがかわいいですよ。
生まれたばかりの写真を見ると、
「あれ? こんなだったっけ?」
って思うんですよ。
あんなにかわいかったのに。
糸井 存在としてはかわいくても、
造形としては、かわいくないんですよ。
ところが、生まれたすぐには
それがまったくわからないんです。親には。
で、ぼくはにしもっちゃんに、
生まれたばかりのころに、
そのことをちゃんと説明したんですよ。
そしたら、この男は、
「そうなんですよねー」って、
いちおう理解した顔をしてたんですよ。
西本 ええ、ええ、たしかに言いました。
糸井 それが、「かわいい」と言うじゃないですか!
永田 だって、かわいいもんなあ。
糸井 なんですか、その批評精神のなさは!
西本 あのですね、きちんと言いますけどね。
子どもが生まれてからというもの、
会社はもちろん、親戚の前でも、
ぼくはことさら騒がないようにしてたんです。
ところがね、言わせてもらうとね、
これが‥‥‥‥かわいい。
永田 うははははははは!
糸井 もう、疲れたよ、おれは。
永田 それさあ、どんどんかわいくなるからね。
おれ、いまだに自分でも
おかしいなあと思うんだけど、
家に着いて、マンションの入り口から
エレベーターに向かうとき、
ちょっと小走りになっちゃうんだよ。
「まだ起きてるかなあ」って。
糸井 うわあ、どうでもいい!
西本 なるほど、どうでもいい話だ。
糸井 おれはいま、
新しい材木のにおいをかがされてるぞ!
永田 しかし、長くこのコンテンツを続けてますけど、
ここまできれいに2対1の状態になって
糸井さんがひいてるっていうのは
過去に例がないですね。
糸井 ほんとにおもしろくない!
「あらゆる赤ん坊は、
 生まれたときはかわいくない」
ということばの裏にはね、
「これから、成長して、
 もっともっとかわいくなるんだよ?」
という、ぼくの先輩としての
優しさが込められているわけですよ。
それを、ふたりが、いまの状態で
「かわいい、かわいい!」
と言い合ってしまってどうするんですか。
永田 というわけで、まあ、ほぼ日版の、
『子ほめ』をお届けしました。
糸井 今回は『子ほめ』じゃなくて『茶の湯』だろ!
西本 というわけで、話が見事に
『茶の湯』に戻ってきたところで
ドラマの話ですが‥‥。
糸井 そんな戻り方があるか。
だいたい、親がふつうに子どもをほめるだけじゃ、
『子ほめ』にすらなってないぞ。
西本 やっと話が戻ってきたのに、
細かいこと言わないでください。
永田 はい、『茶の湯』です。
糸井 そんな強引な‥‥。
ふたり 『茶の湯』です!
糸井 くぅ〜、2対1。
西本 え〜、まず冒頭の部分ですけど、
前回までのまとめとタイトルコールを
いろんな人がやるっていうのがいいですよね。
みんなでドラマを作っているという感じがして。
永田 スペシャルが昇太さんで、
1回目が虎児、前回がどん太、
そして今回はぎんぎんでした。
今後は誰が高座に上がるのか、たのしみですね。
糸井 むむむむむ‥‥。
西本 どうしましたか?
糸井 まだ、なんか新築くさいぞ。
永田 考えすぎですよ。
西本 そうですよ。ドラマを観る目と
子どもを見るときの目は別です。
糸井 いや、ぬるい!
新築の家のにおいがする!
永田 というか、さっさと話を切り出してください。
糸井 それでは行かせていただきます。
ふたり どうぞどうぞ。
糸井 今回はね、これまでと違って、
ナイスな敵役がふたり出てきましたよね。
一方はジャンプ亭ジャンプ、荒川良々という、
芸の世界を小生意気に分析するオタク。
もう一方はBOSS片岡という、
なんだかしらないんだけど
影響力だけはあるというプロデューサー。
この構造はね、これまでのエピソードにはない
「毒」のようなものを含んでますよね。
永田 毒‥‥といいますと?
糸井 この、『タイガー&ドラゴン』という
ドラマそのものが、ジャンプ亭ジャンプであり、
BOSS片岡であるということですよ。
つまり、自分を鏡に映しながら、
その姿をちくちくとデフォルメしていくという
フグが自分のキモを
食うような構造を持っているんです。
西本 はあはあはあ、なるほど。
永田 つまり、もっというと、宮藤官九郎という人は、
いまやBOSS片岡にだってなれるし、
BOSS片岡みたいな人に
翻弄された経験もあるだろうし、
ジャンプ亭のような
マニアックさも持っている一方で、
ジャンプ亭のような人に
いろいろ分析される立場にもあるということで。
西本 たとえばこんなふうに
語られるっていうことが、
まさにそういうことですよね。
糸井 そういうことなんです。
その構造はね、これまでの回と違って、
ちょっと痛いんですよ。
自分に対する批評的な視線が入るんです。
だからそこを
しっかり語ろうと思って来たんです。
そ・し・た・ら、キミたちは!
西本 批評精神がなくてすいません。
永田 子煩悩ですいません。
糸井 もっと言うとね、ぼくはですね、
自分に対しても向き合うつもりでいるんです。
要するに、この話をしていくと、
「じゃあ、BOSS片岡と、
 糸井重里はどこが違うんだよ」
ということになるだろうと、
覚悟までしてきているんですよ。
永田 うわ。
西本 そこまで見通してましたか。
糸井 気合を入れて、土曜の2時に来たわけです。
そしたら、新品のスリッパを履かされて、
「便所は2階にもあるんだよ」なんて!
西本 おむつ替えててすいません。
永田 抱っこひも選んでてすいません。
糸井 BOSS片岡について言うとね、
ああいう仕事は実際にあるわけです。
なきゃ困るんです。
この『タイガー&ドラゴン』だって、
プロデューサーが小劇場系の人を
「この子はいい」と思って
入れてるからこそ成り立ってるんです。
そこが見えると、BOSS片岡っていうのは
たんなる敵役には思えないんです。
たとえば、最後のクライマックスのところ、
虎児が片岡に向かって啖呵きりますよね。
「おまえらのひと言に
 一喜一憂するやつらがいるんだ」と。
「なぜなら、それは必死だからだ」と。
あれをね、ぼくも、自分が若いころだったら
「そのとおり!」と言って拍手しますよ。
みんなあそこで共感して、
泣いたりするでしょう。
たぶん、うちの女子部なんかも、
ぐっと来ちゃったりするんでしょう。
でもねえ、番組をつくっている人や、
ぼくなんかはそう単純には思えないんです。
つまり、早い話が、
「こっちは必死なんだよ!」
って言ってる人のなかに、
ろくでもないやつだって
たくさん混じってるんですよ。
そこまで思いながら観ていくと、
今回の話というのは毒がキツいんです。
キツい話になるな、とぼくは思ってたんです。
思いながら、ここへ来たんです。
そ・し・た・ら、キミたちはっ!
永田 話の終わりに
いちいち怒るのやめてくださいよ。
西本 しかも同じパターンじゃないですか。
糸井 ちょっとした照れ隠しですよ。
西本 わかりますが。
永田 たしかに、つくり手の経験みたいなものが
反映されているんでしょうね。
とくに、竜二が、BOSSに
「いいねー」とは言われるんだけど、
なかなかオッケーが出なくて
自分の持ち味を出せばいいのか、
クライアントの欲求に応えるべきなのか
よくわからなくなるあたり、
宮藤さんも経験したことなのかなあと。
糸井 彼の場合には助けてくれる人がまわりに
いたんだと思うんだけどね。
ま、ステップアップするときの
ほとんどの人が、ああなるんですよね。
ただ、そうは言っても、
ここでのBOSS片岡は
しっかりしたオトナとしては描かれてないんで、
あきらかにやっちゃいけないことを
やってますけれどね。
ええと、それがなんだかわかりま‥‥。
西本 わかりません! どうぞ!
永田 めんどくさいんで、どうぞ!
糸井 そんな言い方がありますか。
西本 ここはボレーで返します。
永田 ふたりしてネットについてます。
糸井 そんなテニスは変でしょう。
ふたり どうぞどうぞ。
糸井 黙ってリストバンドのデザインを
変えちゃったことです。
変えるなら変えるで、言え。
永田 わ、意外にふつうな解答ですね。
西本 むしろちょっと平凡じゃないですか?
糸井 しょうがないでしょう。
そうなんだから。
永田 新築のにおいがしますね。
西本 ええ。ガレージの電動シャッターを
見せられてる気分です。
糸井 ま、もっと平凡なことを言うと、
竜二が製品をつくるまで
きちんとプロデュースしなくちゃ
いけませんけどね。
西本 おお、なんて平凡な指摘だ!
永田 セオリーどおり! 教科書どおり!
糸井 やかましい。
永田 竜二の店、ドラゴンソーダを
はじめて訪れたときに、
ほんとうに気に入ったかどうか
よくわかってなかったようなんですけど、
そのへんに罪はないんですかね。
糸井 理由はどうあれ、あの店で、
「いいね」「新しいね」と思ったのは
ほんとうのことなんじゃないですかね。
やっぱりぼくは、BOSSは、
ほとんどなにも悪いことをしていない、
くらいに思ってますよ。
デザインを変えたことも悪くない。
ただ、それを黙ってやっちゃったのは
まずかった。
でも、けっきょくは、
竜二が答えを出せなかったということですよ。
「これでいいのか?」「これでいいんだ」って
悩んでいるあいだにも時間は過ぎていくんだよ、
と思う部分はあります。
きっと、真剣にものをつくっている人には、
竜二とBOSSの両方の気持ちが
わかるんじゃないかと思いますよ。
つまり、このドラマを
つくっている人たちなんかは
両側をわかっててドラマをつくってるんです。
その構造は、痛いし、観てておもしろい。
西本 じつはぼくも、
似たようなジャンルの業務を
受け持っていることもあって
BOSSに同情してたんです。
っていうのは、プロデューサー業って、
基本というか、基礎になるのが
自分のアイデアだったり、
自分がおもしろいと思うものだったりするので、
わかりやすい拠り所がないんですよ。
今回、竜二も虎児も、
自分を見つめ直したり、
基本に帰ろうとしたりしますよね。
虎児は古典を勉強してみたり。
BOSSは、そういうことができないし、
師匠がいるわけでもないから、
不安だと思うんですよね。
それは自分が仕事をしてても
よくぶちあたるところなんで心が痛かったです。
糸井 ようするに、
「なにがいいのか?」ということです。
少なくとも落語については、
誰が認めようと認めまいと、
「オレはこれがいいと思う」
というのがあるんですよ。
でも、BOSSの仕事に関しては、
「誰かが認めている」というのが
自分がいいと思う理由になるんですよ。
「人がいいと思うものがいいんだよ」
という理屈なんです。
そのふたつはじつは大きく違うし、
そこは、原宿と浅草の現象の
大きな違いとして描かれてますよね。
BOSSがかわいそうだとしたらそこです。
「人がいいと思うもの」を根拠にしちゃうと
説明できなくなっちゃうんです。
だから巻き込まれた竜二も
わけがわからなくなってしまう。
また、わざわざ孤独に描かれてましたしね。
でっかいオフィスで、
ひとりで仕事してるじゃないですか。
孤独なオヤジっていうかさあ、
あれ、寂しいやつですよね。
それをドラマにしたということで、
お客さんがどっちに私がいるんだろうと
悩んじゃった瞬間に、
ものすごくこの回はおもしろくなるんです。
あいつもそうですよ。荒川良々にしても。
あいつ自身が、うまいのかうまくないのか。
彼がほんとうにわかっているかどうか、
わからないじゃないですか。
ブレてるじゃないですか。
永田 虎児の、落語家としての
おもしろさもそうですね。
ほんとうにおもしろいのか、ウケてるのか、
虎児自身にも、ソバ屋のオヤジにも、
視聴者にも、よくわかっていない。
いいやつだということはわかる。
ドラマのなかでは、「ウケている場面」が
描かれてはいるけれど、ブレてる。
西本 竜二のメッシュもそうですよ。
「ダサいもの」として描かれているけど、
ほんとにダサいのかというと
ブレまくってますよ。
糸井 あのおでん屋のおでんはどうですか。
うまそうじゃないですか。
オヤジもうまいと思ってるんですよ。
でも、食べてるふたりは「まずい」って
にこにこしながら言うわけでしょう?
観るぼくらは先週まで
うまそうだと思って観てたわけでしょう?
つまり、早い話が、
「絶対的な価値ってなんだろう」
という話をみんなでしてるわけです。
その「価値がブレる様子」を
笑い話のネタにしたり、
悩みのタネにしたりしてるんです。
この構造がなにと似てるか、わかりますよね。
ふたり 『茶の湯』だ。
糸井 そういうことです。つまり、
「お茶というのがいいらしいから」
と言ってやりはじめるから、
やってることがいちいち変なことになっちゃう。
じゃ、茶の湯そのものって
どうなんだっていうところが
本来、知りたいところなんですよ。
だからねえ、今回の構造はえげつなくて
これをオレらに見せて
どないせいっちゅうねん!
というくらい頭が痛かったですよ。
だから、ぼくはおもしろかったですよ。
うちのカミさんなんかも、
ふだんはドラマを
おもしろがらない人なんですけど、
感心してましたよ、今回は。
西本 ぼくも、観おわった直後に、
「自分が十代のときにこれを観たら
 どう感じただろうな」
って思いましたよ。
永田 あの、さらに言うと、
竜二の価値観というのは
もう一段階、深い部分でブレてますよね。
つまり、メッシュがどうなんだ、
ということより、
「竜二はほんとうに服がつくりたいのか?」
というところが、じつはドラマのなかで
曖昧になってるじゃないですか。
このドラマは、先週の話で出た
「気持ちいいぐしゃぐしゃ」の状態だから、
そこが曖昧でも気にならないんですけど、
これ、ふつうのドラマだったら、もっと、
「そこをはっきりさせろよ、竜二」
って感じると思うんですよね。
ひょっとしたら、ドラマ全体の大きな流れとして
今後扱われるのかもしれませんけど、
要するに、竜二は落語をやりたいのか?
糸井 洋服は落語からの
逃げなんじゃないのかっていうことだよね。
でもさ、現実的なことでいうと、
みんなあんなもんでしょ。
それは、オレだってそうだぜ。
みんなスタートラインはあんなもんだぜ。
もてたくてバンドやってるのか?
音楽が好きだからバンドなのか?
と訊かれたときにバンドマンはみんな、
どっちかのウソをつくんだよ。
永田 ブレて当然、混ざるのがふつう、
っていうことですね。そうかあ。
それに比べると虎児のブレかたは
まだ健全な気がしますね。
ウケる新作なのか、力の必要な古典なのか、
なんていう悩みかたは、
ほんとうに芸人さんや噺家さんが
悩んでいるようなことだろうし。
西本 それこそ吉本興業がつくった流れなんですよ。
ダウンタウン以降ですけど、
芸人になるには、
弟子になることからはじめることが
ふつうだったんですけど、
NSCという専門学校に入って
芸人になっていくという構造ができた。
永田 それも、結論というのはないわけだよね。
ダウンタウンはそうしたというだけで。
西本 うん。さんまさんや紳助さんの時代は
弟子入りすることが当然だったというだけで、
どちらが正解ということもないんですよ。
落語家やマジシャンは
やっぱり弟子入りしたほうが
世の中に出ていくシステムとしてはいいですし。
ドラマのなかでも両方描かれてますしね。
荒川良々は、まあ、弟子入りしましたけど、
存在としてはノーブランド芸人で、
虎児は弟子入りしてますよね。
永田 ってことは、虎児は昇太さんに近いんだ。
糸井 そうですね。極めて近い。
永田 大らかな師匠について、
自由にやらせてもらっているという。
糸井 なにが正解というわけじゃないですからね。
みんなが「ほんとうはなんだろう?」と
思いながらやってるわけです。
TBSという会社の社員である人が
演出をしてたりもするでしょうし、
大人計画で松尾スズキのところに入って、
外で活躍している宮藤官九郎という人もいるし。
永田 もうひとつ、言わせてもらっていいですか。
今回、「おまえそれどうなのよ」っていう
鏡の役目として、
ジャンプ亭とBOSSがいましたけど、
「毒」が含まれているとすると、
ほんとうに切っ先が向けられているのは、
じつは、「お客さん」のほうですよね。
ぼくら視聴者も含む、お客さん。
ブレてることを考えもせずに、
ふらふらしてるあなたたちはどうなの?
大丈夫なの? っていう。
西本 最後にリストバンドを投げ捨てる人たち。
永田 そうそう。
糸井 あの場面には大衆の恐ろしさが
表されてましたよね。
一方、比較として、寄席にいる人は
素直な客として描かれているんですよ。
いいものはいいと言うし、
つまんないものはつまんないと言うし。
永田 あ、でも、あれはサービスじゃないですか。
たしかに客席に座る人は
「いい客」として表現されてますけど、
その向こう側にいる人を、
ネットの掲示板に書き込む人という形で
表してますよ。
糸井 あいたたたたた、そうだね。
だから、今回の話は、ほんとうに、
価値観の混沌をさらけ出しているんですよ。
「これはよくない! これが正しい!」
って答えを提示するようなものじゃなく、
そのまんま、いろんな形で出してるんです。
だから痛いんです。ショックがあるんですよ。
西本 全部を俯瞰でみて
「こういうものはこうするんですよ」
と諭してくれるような長老みたいなものが
ひとつもないです。
永田 ただ、あまりにみんながブレていると、
破綻するというか、
落ち着かなくなっちゃうんで、
いわば絵の外側というか、
額縁のようなものとして、
西田さんを置いてますよね。
西田さんは、親としてはブレてるけど、
芸の部分ではブレない。
ジャンプ亭を受け入れて、見極めて、
きっちり「辞めてくれ」って言ってるし。
あと、今回の役どころで言うと、
「で、いくら要りまんのん?」と言う鶴瓶さんも
ブレない側の人かな。
糸井 つまり、長老はいないけれども、
絵の四隅にブレないオヤジを
置いているわけですね。
ちょっとした敬意とともに、
画鋲のようにピタッ、ピタッと。
永田 あ! あともうひとり、
ブレない軸として機能してる人がいました。
伊東美咲さんですよ。
価値観がふらふらふらふらするなかで、
天然キャラとして
「この人は、いいものはいいと言い、
 ダメなものはダメと言う」
役割になってましたよね。
糸井 ああ、あの人は
リトマス試験紙みたいになってましたね。
まわりがぼこぼこ化学反応してるのに、
「アルカリだったらこの色になります!」
みたいな反応をしてて、よかったですね。
西本 まわりがブレているから
あの天然キャラがブレない人として
貴重になってくるんですよね。
永田 うん。結果的に、ひと言だけど、
BOSSのことばより重みがあるという。
糸井 BOSSと違って、
メグミは「自分がいいと思う」ということを
拠り所にしているからあれが言えるんです。
永田 で、最初に糸井さんが言ってたことを
確認しておきたいんですけど、
たとえば、糸井さんがBOSSの立場なら
どうするんですかね。
糸井 うん。いちばん大事なことのひとつは、
その子を「いいな」と感じて
いっしょにやりたいと思ったなら、
「いいな」と感じたことの理由を、
なくさないようにするということでしょうね。
たとえば、へたなんだけど
大きな声が出せる人がいるとしたら、
「大きな声」は変えちゃダメなんです。
あと、あのふたりで言うと、
本来ならばまず、もっと話すべきですね。
「ドラゴンソーダのなにがいいのか?」
ということを、BOSSと竜二で、
徹底的にやり取りしないとダメですよね。
自分が譲れないものがなにか、
わからないうちはムリですよ。
ま、少なくともそういうのが、
ぼくのやりかたですね。
BOSSさんにはBOSSさんの
やりかたがあるんだとは思いますが。
永田 なるほど。
西本 あの、BOSSさんが
悪いやつじゃないなと痛感したのは、
最後の寄席のシーンなんですよ。
あの人、ちゃんと観に来てたじゃないですか。
糸井 来てたなあ。
永田 来てた来てた。
ああ、あれはけっこう大きなことだね。
西本 大きなことですよ。
招待券を渡しても、ほんとに悪役だったら
虎児が去った後に
ポイッと捨てるシーンを入れたりするでしょう。
来ているということは
プロデューサーとしても
探す目と足がある人なんですよね。
だから、彼は仕事を
さぼっているわけじゃないんです。
やっぱり、不安で観に来たかもしれないし、
なにか知りたいことがあったのかもしれない。
ちゃんと吸収しようとしてるんだなあ
と思いました。だから、ぼくは
けっこう好きですね、あの男。
糸井 一回きりのキャラクターなのかな?
あれはこれからも出してほしいね。
西本 ちなみに、あのBOSS片岡という名前のモデルは
『めちゃイケ』の演出の
片岡飛鳥さんなのかなと思いました。
たしか、芸人さんたちが片岡さんのことを
「BOSS」って呼んでたんですよ。
永田 へえええ。
西本 ほんとにそうなのかどうかわかりませんが、
ディテールのひとつとして、報告しておきます。
糸井 ティテールでいうと、
荒川良々さんの近鉄の帽子はいいよねえ。
思えば岡本太郎だしね。
西本 近鉄の帽子をかぶってて
大阪弁をしゃべらないというのも、
地味におもしろいところですよ。
永田 でもあの格好、いるよなあ。
パッと見、非常識な感じでいないように見えて、
ギリギリいるっていう見事な格好。
あと、ソバ屋の、尾美としのりさんの
客席での反応も、ジャンプ亭ジャンプの
ディテールとして見事でしたよね。
「おもしろいんだけど、好きじゃねえなあ」
っていうやつ。なるほどなあと思った。
糸井 また、自分をほめる師匠に
弟子入りするっていうのもいいよね。
永田 高田文夫さん(笑)。
糸井 高田さんがどこで出てくるかと思ったら
あのキャラクターだとはねえ!
ほめる師匠。新しい価値ですよね。
西本 たけしさんのオールナイトニッポンを
知ってないとあれは出てこないですよね。
永田 いい音出して球を受ける技術ですね。
そのへんは『落語パラダイス』
あわせて読んでもらえると、
すごくたのしめると思います。
糸井 これも『落語パラダイス』を
読んでもらえるとわかるけど、
荒川良々さんのキャラクターというのは、
じつは若いころの
高田文夫さんでもあるんですよね。
永田 あっ、そうだ!
「おれのほうがおもしろいのに
 弟子入りなんかできねえ」
みたいなところだ。
糸井 その荒川さんを、
高田さんの弟子にしてるというのは
おもしろい構造ですよ。
高田文夫が語る高田文夫を
高田文夫に弟子入りさせてるんです。
西本 宮藤さんは高田文夫さんの
ファンだったということも
背景にあるでしょうし。
永田 細かいところでいうと、
西田さんのしゃべりがどんどん
ほんものの落語家さんみたいに
なっていくなあと思って。
とくに、ふだんのしゃべり。
あの、弟子たちに諭すようなところとか
すごくそれっぽくて、さすがだなあと。
糸井 あのあたりはもっともっと
うまくなるんじゃないですかね。
落語の部分でいうと、ぼくは
「役者さんの落語」と「落語家さんの落語」
の違いが興味深いですね。
西本 ああ、なるほど。
うまいへたじゃなくて、
たしかにそのふたつのあいだには
なにか違いがあると思います。
糸井 うまい落語家さんの落語って
ある意味で「歌」のようなものなんですよ。
「歌」だから、何度も聴けるんです。
永田 なるほど。
糸井 もちろん、本物の落語家さんのやる落語にも
歌になっているものとそうでないものがあって
役者さんのやる落語はまだ歌じゃないんですよ。
昇太さんが途中でちょっとだけ
『茶の湯』の筋を説明しましたけど、
あれだけで歌だったじゃないですか。
だけど荒川良々さんが高座で
「うまい落語を演じているとき」というのは
まだ歌じゃないんですよ。
だからダメだというんじゃなくて、
ふたつの違いは大きいということです。
永田 わかります。
荒川良々さん、落語をやっているときよりも
劇中劇に入って、サダキチみたいな役で
二言三言しゃべったときのほうが
よっぽど「歌」でしたよね。
糸井 そうなんですよ!
あれは「歌」なんです。
永田 あそこでの西田さんと荒川さんの
短いセリフのやり取りっていうのは
ほんとうにおもしろかったなあ。
「歌」でしたよ、互いに。
糸井 ああ、だから、落語の部分から、
劇中劇に切り替わるときに快感があるんだね。
あの場面に入ると、役者さん全員が
急に生き生きしだすんですよ。
西本 時代劇の格好になって、
「全員でいっせいにその役に切り替わる」
っていうのは、あの人たちにとって
もっとも力が発揮できるところなんですね。
永田 なるほどなあ。
糸井 あと、細かいところとしては
なにかありますかね。
永田 今回も「ヅラ問題」はよかったですよ。
取らないという選択肢はまた新しい。
西本 投げつけようとして「まだ早い!」ですからね。
おおおっ、となりましたよ。
視聴者側が勝手にシリーズみたいにして
たのしんでいるところへ
きちんとシリーズとして
届けてくれるのはうれしいですねえ。
糸井 あれさ、ノートかなんかがあるんじゃないかね。
表紙に「カツラ」って書いてあってさ。
永田 「カツラノート」(笑)?
糸井 「カツラノート」(笑)。
ページの頭に
「カツラ5月3日」とか書いてあってさ、
1週間ごとにきちんと
計画と進行状況が記されてる。
「3話ではカツラを取ろうとして止められる」
「5回では投げつけたあと逆さにかぶる」とか。
そういうの、永田くん好みですよね?
永田 もう、大好きですね。
ああいうふざけたことを
どういうふうに段階を踏んで、
予想させつつ予想を裏切りつつ
バカバカしくしていくか、みたいなこと。
第1段階、第2段階あたりを
丁寧に丁寧につくっておいて、
「3」に行くところで「5」に行って、
じゃあつぎは「7」かと思うと
「7」じゃなくて「セブン」!
みたいなところが
ぼくはほんとうに好きなんです。
西本 「さゆりちゃんが泣いている」
っていうのも、いいシリーズですよね。
永田 あれもいいですよ。丁寧です。
今回の「泣いてない」っていうパターンも、
虎児にやらせているところが見事です。
西田さんがいつものように
「ほら、さゆりちゃんが
 泣いちゃったじゃないか!」って言って、
じつは歯の掃除をしてましたっていうのでも
シリーズとしては成立すると思うんです。
ところがそれをいつもと違って虎児にやらせて
「まだ不慣れなもので」って言わせてるのが
1段階ぶん、丁寧ですよ。
糸井 このあとも新たなシリーズが
出てきたりするんじゃないですかね。
荒川良々さんは今後も登場するみたいですから
そのあたり、期待大ですよ。
永田 ソバ屋のオヤジとの対決なんかを
シリーズにしてほしいなあ。
西本 高田さんもなにかシリーズを
やってくれそうです。
糸井 ま、そのあたりを期待しつつ
今日はこのあたりで。
ふたり おつかれさまでした。





あやや
もー今日もよかったですよー!
なんといっても、グッと来たのは
BOSS片岡に虎児が最後に
ビシッと言うところですよね。
「おめえらが軽々しくキテるだの
 終わってるだの言うたんびに、
 一喜一憂してるヤツがいるんだよ。
 なぜだかわかるか? 必死だからだよっ。
 必死にどうにかなりてえ、
 かっけえもんつくりてえ、
 おもしろいもんつくりてえって、
 そうやって体すりへらして
 やってっからだよ。
 自分の言葉に責任持てよっ」
もーあんまりよかったから、
何度も観てセリフ覚えちゃいましたよ!

モギコ
あらら‥‥。

りか
糸井さんの思ったとおりの展開だ‥‥。

あやや
なになに? どういうこと?

ゆーないと
なんか、男子部の話で、
「女子部はきっとあのセリフで
 ぐっと来てるに違いない」って
言われてたんですって。

モギコ
ていうか、男子部読んでる?

あやや
読んでるわけないですよ、
あんな長いの!

りか
きゃ☆

あやや
そんな予想はどうでもいいですよ。
あそこはしびれました!
あと、笑っちゃったポイントも
今回はすごく多かったですよ。
最初のところの、
自分から電話かけといて
「いちいち電話かけてくんじゃねえっ」
って言ってるぎんぎんとか。

ゆーないと
あれ、超うける。
あたしがはまったのはやっぱ
人生ゲームよ。本番中なのに。
林家亭一門、なにやってんの!

りか
あそこは、西田さんが
「デザイナーとして大成功〜」って
拍手してるのがおかしかったなー。

モギコ
私が笑ったのはあそこですよ、
阿部サダヲさんの
「ボーンボーンボーン、はい3時です!」
ちょっと、やってみたいくらい気に入った。

あやや
おかしかったですよ、あれ!

ゆーないと
うんうん。

りか
ん? ‥‥あれってどういう場面で
どういうギャグとして出てきたんだっけ?

モギコ
え? いや、だから、
「ボーンボーンボーン、はい3時です!」

ゆーないと
どうでしたっけ?

あやや
まあ、どうでもいいじゃないですか!
おもしろかったんだから
それでいいじゃないですか!

モギコ
でも、このドラマって
そういうことが多くて不思議よね。
好きな場面とか笑ったセリフとか
すんごくたくさんあるけど、
つながりとかあやふや。

りか
そこが『新選組!』とかとは
大きく違うところね。
私が今回断片的に覚えてるのは
ジャンプ亭ジャンプの「談志」!

あやや
あれ、笑ったー。

ゆーないと
しかも一瞬だからね!
荒川良々さんが駆使されてたね!

モギコ
あの七変化はシリーズにしてほしい。

あやや
あっ、たいへんなところを忘れてた!

りか
なになに?

あやや
「おかあさ〜ん! おかあさ〜ん!」
の場面ですよ! 虎児!

ゆーないと
あそこよかった!
笑えたし、泣けた!

モギコ
部屋にジャンプ亭がいて、
驚いてお母さんを呼びに行くところね。

りか
あれはよかったねー。

あやや
虎児が家族の一員になってるようで
おかしいのに感動しちゃうんですよ。
あっ、そうだ!
あと、抹茶フロートもおもしろかったね!

3人
抹茶フロート?

あやや
喫茶「よしこ」のママが
虎児と西田さんが話してる横で
「抹茶フロートでーす」
とかって運んでるのよ。
つまり、男子部ふうに言うと
『茶の湯』と重ねてるんですよ。

3人
ぜんぜん気づかなかった。

あやや
‥‥‥‥。







2005-05-05-THU
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