ほぼ日刊イトイ新聞のあちこちで
「山口工務店」という、
謎の団体名を見かけたことはありませんか?
そう、それは、弊社のデザイナー、
ぐっさんこと山口が率いる創造精神に満ちた工作団体。
シール1枚から本格的なセットまで
およそあらゆるものをDIY、いやDIM。
今年もいろいろつくったということで、
去年に引き続き振り返ってみましょうかね。
今年も無意味に事務所コント仕立てでお届けします。
毎年定番のイベントになるか?



2009年、山口工務店はこんなものをつくりました。
♪ホンワカパッパ〜、ホンワカパッパ〜、
 やまぐーちーこうむてーん〜〜〜。
どうも、こんちはーー! 
しゃちょー! 永田しゃちょー!
いらっしゃいますかー!
おお、山口くんか。
なんや、年末のご挨拶か。
ドキッ。
しゃ、社長、な、なんか、
感じ変わりましたね。
わかるか?
小学校低学年でもわかりますよ。
パーマあてたんや、パーマ。
どや? ちょっとやんちゃな感じやろ?
やんちゃすぎますよ‥‥。
ま、それはそうと、
今年も山口工務店さんにはお世話になったなー。
ちいさいものから、おおきいものまで、
いろいろつくってもらって助かったわー。
こちらこそ、たくさん発注いただきまして、
ありがとうございました。
来年もどうぞ、よろしくお願いします。
はい、これ、つまらないものですけど。
おお、いつもの、てぬぐいやな。
おおきに、おおきに。
おーい、山口くん来てるでー。
お茶、出してんかー。
いえいえ、どうぞ、おかまいなく。
あと、これ、来年の年賀状です。
ばたばたしてて、
つくるのが遅れちゃったんで、
今年も手渡しですいません。
いやいや、かまへんがな。
お、これは、これは‥‥。
毎年恒例ですが、
この1年につくったものを
ずらっと並べてみました。
また、ぎょうさんこしらえたねー。
こうしてまとめてみると、
けっこうな量ですね。
せっかくやから、
今年も振り返ってみよか?
あ、うれしいですねぇー。
ほな、このへんから。

あ、これは、
佐伯チズさんと糸井さんが
対談したとき
のセットですね。
いきなり、すごいな‥‥。
これは、どないなってんの?
意外に構造は単純なんですよ。
白の不織布をカッターで波形に切って
天井からぶら下げて、その合間合間に、
電球型蛍光灯を配置してるんです。






はーーーー。たいしたもんやなーー。
じつはこのセット、
これまでにつくったセットのなかで
いちばん迷いながらつくったんですよ。
この形になるまでに
3回くらいつくり直したかな?
おお、舞台美術のプロでも
迷うことがあるんや。
いや、あの、ぼく、
本業はデザイナーですけど‥‥。
ガッハハハハハハハハ、
またそんな冗談言うて!
いや、ほんとですって‥‥。
あーー、笑ったら暑なってきたわ。
もーこれ、脱ご。
え?
よっこらしょっと。ふぅ。
ヅ、ヅラやったんですか!
当たり前やがな。
どこの社長がこの年末の忙しいときに
突然、アフロにせなあかんねん。
な、なにがしたいんですか‥‥。
さぁ、つぎ行ってみよか。
ええと、これは?
あ、これは、
「ほぼ日」の11周年記念日のときに
フグカメラの前に置いた電飾看板です。

いいね、めでたいね。
いつもはフグカメラのそばに
アニバーサリーな飾りを置くんですが、
今年は大きなものをつくって、
フグカメラからずいぶん離してみました。
会社の棚にペタッとくっつけたので、
「th」の部分は鍵穴をよけて、
ちゃんと扉が開くようにつくってあります。



うーーーん、プロの仕事やねぇ。
本業はデザイナーなんですけどね。
ガハハハハハハハ!
ええから、ええから!
じゃなくて‥‥。
さぁ、つぎ行こう、つぎ。
お、これはなんやったかな?

ああ、「みうらじゅんに訊け!」
生中継をしたときのセットですね。
みうらじゅんさんをリッチにもてなす、
というコンセプトでリゾート風に。
実際には、糸井さんじゃなくて、
ここにみうらじゅんさんが座りました。
この、うしろのでっかい砂浜は、写真?
これはですね、
ハワイのビーチの写真を
ふつうのA3のプリンターで
バラバラに出力して、
50枚近くを貼り合わせて
あの大きさにしました。
ほら、こうして、撮影すると、
ほんとにハワイにいるみたいでしょう?



はー、なるほどねー。
ん? リゾートっぽい写真が
ここにもあるぞ?

これは『Wii Sports Resort』
やったときのセットなんですが、
こっちのテーマもずばりリゾートでした。
ああ! なんか、
みうらじゅんさんのセットと
似てると思ったら、
パラソルがいっしょ?
そのとおり! 経費削減!
使い回し大歓迎の山口工務店です。
しかし、パラソルの使い回しを見抜くとは、
さすが、社長、お目が高い!
ガハハハハハハハ、
照れるがな、照れるがな。
脱いで脱いで、カツラを脱いで。
はーい、お茶をどうぞ〜〜。
あら、山口さん、こんにちは。
今年もお世話になりました。
あっ、木下さん!
(ポワワワワ〜〜〜ン)
こ、ことし、も、おせせわせわせにわ!
こらこらこらこら、
一年前とまったく成長がないな。
また目がハートになってるわ。
フフフフ、じゃあ、
ごゆっくり(パチッ☆)。
(ポワワワワ〜〜〜ン)
こらこら、きのピー!
誰彼かまわずウインクしたらあかんって
言うてるやろ!
(ポワワワワ〜〜〜ン)
おまえもいつまで
ポワワワワ〜ンなってんねん。
カパーン!
イタタタタ‥‥。
社長、お客の後頭部を
スリッパではたかないでくださいよ。
ほな、つぎの写真、行こか。
これはまた、えらいことになってるね。
ちょっと、これ、別次元ちゃう?
ネクストレベルちゃう?
ええ、これは、なんというか、
超えてはいけない一線を
超えてしまった感じがしました。
いわゆる、「大物」です。

‥‥‥‥これはもう、業者の仕事やね。
いいえ、ぼくは単なる
工作好きのデザイナーにすぎません。
工作いうレベルちゃうで。
ああ、たしかに。
なにしろ、材料を総合すると
100キロ以上の重さがあるはずです。
でも、石膏ボードや木材を
うまく組み合わせましたから、
値段はかなりリーズナブルです!

そこらへんは、小心者ゆえの節制が。
そうなんです!
予算をおさえるからこそ、のびのびつくれる。
でも、そうはいっても、このボリュームですから、
ホームセンターのレジ前でかなり長考しました。
これでいいのか、もっと安くなるんじゃないか、
失敗はゆるされないぞ、などと思いながら、
ホームセンターの通路を行ったり来たり‥‥。
ええ話や、グスッ‥‥。
カツラを脱いでください‥‥。
ちなみに、会社の車の荷台に
150センチ以上のものが入らないため、
この壁のすべての素材は
150センチ以下の大きさです。

工夫してるなぁ。
色もイチから塗ってるし、
手すりの裏に、蛍光灯はめこんで
フワッとした光、つくってるし‥‥。

いや、苦労しました、これは。
なにしろ、デカいもんなー。
ま、これほどしっかりしたものをつくるのは、
めったにありませんよ。
かと思うと、けっこう、
ちいちゃいものもつくってたよな。
これとか。

あ、「カッパとウサギのコーヒーさがし」
卓上メニューか。それっぽいなぁ。
このへんのフグ色ペンのラベルなんかも。

あと、このへんも、まぁ、小物かな。
「考える人」の松家さん
うちで授業をしたときに
教壇をベニヤでつくったんですよ。



うわー、それっぽい、それっぽい。
あとは、
「TVウォッチャーの熱情」の
発売イベント「擬音まつり」のときの
ちょうちんなんかも。

うーん、さすがや!
どれもこれも場面場面に
見事に馴染んでるけど、
これを自分で用意しよう思たら
かなりの苦労やさかいな。
これをササッとつくってくれるのは
ほんまに助かるわぁー。
いや、ええ仕事してるな、山口工務店。
はっはっはっはっ、
いやぁ、それほどでも!
こらこら、わしのカツラを返せ。
こんにちはーー!!
すいません、うちの山口、来てますかー!
あっ、しまった、西田くんが来た。
あっ、いた! もー、ぐっさん!
いつまで挨拶回りしてるんですか。
お正月のトリプルフグカメラの
準備がまだ終わってないでしょ!
なんや、去年もおんなじやり取りを
聞いた気がするなぁ‥‥。
あ、永田社長、聞いてくださいよ、
うちの山口ときたら、
大事なトリプルフグカメラの
準備もせずに‥‥。
あら、西田クン、
いらっしゃい(パチッ☆)。
ああっ、木下さん!
(ポワワワワ〜〜〜ン)
こ、ことし、も、おせわせせわせにわ!
今年もかーい。カパーン!
ついでに、カパーン!
イタタタタ‥‥2年連続ダブルで‥‥。
で、なんの話やったかな?
ト、トリプルフグカメラです。
せや、せや。
やっぱり山口工務店といえば、
フグカメラに趣向を凝らす
「トリプルフグカメラ」。
2009年の「トリプルフグカメラ」は
どんなんがあったかな?
わかりました、ご説明いたしましょう。
2009年のトリプルフグカメラは、
お正月の「2001年宇宙のフグ」
ゴールデンウィークの「フグ・ドゥ・ソレイユ」
そして夏休みの「フグシック・パーク」という
3種類をつくりました。
順にご紹介していきましょう。
まず、お正月は、宇宙をモチーフにした、
「2001年宇宙のフグ」

あああ、やったなー。
意外に、プラモデルのスペースシャトルに
色を塗る作業がいちばん手間だったんだよね。

逆に、青いボールを
適当に白く塗っただけの地球は
かなりの完成度でした。
オレンジの土星も
どうなることかと思ったけど、
並べてみたらけっこうポップでよかったね。

なるほど、なるほど。
続きましては、
ゴールデンウィークの
「フグ・ドゥ・ソレイユ」
言うまでもありませんが、
こちらは『ZED』や『コルテオ』でお馴染みの
シルク・ドゥ・ソレイユをテーマにしました。
サーカスのテント特有のわくわくする感じ、
幻想的な雰囲気を再現しました。



いいねー、いいねー。
もう、これが水槽であるということを
忘れそうになるね。
ステキー。
紫の床がきらきらして、キレイ!
よくぞ言ってくださいました、木下さん!
この床はね、じつはね、
いままでの電飾とはちょっと違っててね、
それまではたいてい、
穴を開けたところにLEDをつけていたから
穴がちらっと見える感じだったんだけど、
このときは、穴を開けたあと、
プリントしたOHPシートを上からかぶせて
その下からLEDをつけることによって、
よりなめらかな床が表現できるように‥‥。

ああ、そう、へー、ふーん、
ふわぁ〜(あくび)。
ガーーーン!!
そして最後は「フグシック・パーク」
その名のとおり、恐竜の世界がテーマ!
なんと、時間がくると、
地面が割れてマグマがふきだし、
火山も噴火しちゃうんですよー。





なんか、こわーい。
や、でも、木下さん、
ぼくら、こんなんもつくってますよ?

きゃーーー! かわいーーー☆
かわいいでしょう?
スパイラルホールでやった
「劇的3時間SHOW」っていうイベントで
押すと音が鳴るスイッチを使ったんですが、
そのままだと機械っぽすぎてイヤだったので
かわいいカバーをつくったんです。
これ、土台のところは、
ボクがつくったんですよ!

ステキー☆
えっへん!!
こらこら、わしのアフロを返せ。
ちなみに、現在のトリプルフグカメラは
「フーグじいさんの空飛ぶ家」
PIXARの最新映画がモチーフです。
ほんま、たくさんつくったんやなー。
さ、ぼちぼち最後の作品、紹介しよか。
はいはい、こちらは、
弊社の社長、糸井重里の誕生日企画として
社内の大会議室に屋台をこしらえました。
題して「飯島食堂」!
なんと、屋台の中では、
『LIFE』でお馴染みの飯島奈美さんが
腕をふるってくださいましたー!





わー、ステキー、屋台大好きー。
ぼくも屋台大好きなんですよー。
地元、福岡の屋台はうまいですよー。
ん? なんて?
いや、ぼく、福岡出身なもんで。
ま! あんた、福岡の出身やったとね。
そんなら、そげん言ってくれたらいいとに!
木下さんも福岡?
福岡よー。そうね、あんた、福岡ね。
どうりで、「いい男やねぇ」と思ったもん。
またまた、そげんこと言ってからっ!
‥‥木下さん、なんか人格変わってますけど。
‥‥きのピーの郷土愛は尋常やないからな。
福岡って、いいところやん?
ときどき「美味しい魚が食べたい!」とか思わん?
そりゃ、思うに決まっとろうもん。イカとかね。
なんば食べてもおいしかよねー、福岡は。
もつ鍋とか、高菜とか、とんこつラーメンとか。
ごまさばとか、水炊きとか、辛子明太子とか。
ああ、いなかの母に会いたくなってきた〜。
お母さん、元気しとうかいな?
お母さーん、お正月は帰るけん、待っとってねー!
収拾がつかなくなってきたところで、
「山口工務店2009納会」、
お開きにしたいと思います!
今年もお世話になりました!
来年も、山口工務店を、
どうぞよろしくお願いします!
よろしければ、
山口工務店への感想などもお寄せください。
どうぞよろしくお願いします!
はげみにしています!
ほな、また〜。
お母さーん、見てる〜?
こらこら、ワシのアフロを返せ!


♪ホンワカパッパ〜、ホンワカパッパ〜、
 やまぐーちーこうむてーん〜〜〜、
 まった、らいね〜〜ん〜〜。


( お し ま い )

2009-12-29-TUE

「山口工務店2008納会」はこちら


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN