天久聖一の味写道
味写道その43

師匠 お茶くん、今年も梅雨がやってきたな。
お茶 師匠が風呂場のカビと戦う季節ですね。
師匠 ふむ、ところでなぜ梅雨は
「梅雨(ばいう)」と書くか知っとるか?
お茶 いえ、存じません。
師匠 中国ではもともと梅雨は
カビ(黴)の生えやすい季節のため
「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたそうじゃが、
それだとイメージが悪いため
「梅」の字を当てたという説がある。
お茶 物知りですね。
師匠 ネットは便利じゃ。
お茶 ではどうして梅雨はツユと呼ばれるか知ってますか?
師匠 それは知らんな。
お茶 6月と言えばジューンブライド、
あなたへの愛「LOVE TO YOU」 の
「TO YOU」が「ツユ」になったと言われています。
師匠 なるほど、勉強になるな。
お茶 という真っ赤な嘘は置いといて今週の味写道、
まずはH・N 阿房奈児さんの作品です。


味写NO.576
「URAMESHIYA」
H・N 阿房奈児さん

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お茶 まずはお便りを紹介します。
ニューヨークの自然史博物館で
恐竜の骨格標本を撮ったとき、
偶然ドリフな二人組が映ってました。

師匠 本当じゃ、まさに「志村、うしろ!」状態じゃな。
 


お茶 志村けん氏の世界的人気が伺えますね。
師匠 SHIMURA USHIRO!はもはや世界共通語じゃ。
お茶 でもはぜ恐竜標本の前なのでしょうか。
師匠 おそらくこの恐竜のマネをしてるんじゃろうな。
お茶 日本人が見ればてっきり幽霊かと思いますね。
師匠 恐竜の幽霊じゃ。
後ろレベルでいうとかなり高いぞい。
お茶 なんですか後ろレベルって。
師匠 しかしそのうち「へんなおじさん」も
海外で火がつくかもしれんな。
お茶 では DAFFUNDA!も世界共通語ですね。
師匠 ふむ、これぞクールジャパンじゃ!
お茶 それでは次、H・N 豆ねこさんのこの作品です。



味写NO.577
「扉の向こう」
H・N 豆ねこさん

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師匠 これはまったく状況が読めん‥‥。
お茶 ではこちらもお便りを紹介しましょう。
自分の結婚式で撮れてしまった味写です。
私の友人が結婚式のゲストの皆様に
新郎新婦の似顔絵を描くという余興をやってくれまして、
その似顔絵を回収に行った際に
撮れてしまった写真でございます。
ちなみにドアにいるおじさんは
新婦父のお兄さんです。

師匠 ふむ、申し訳ないが
いまひとつリアクションしづらい説明じゃな。
お茶 普通「回収に行った際」に
シャッターは切りませんよね。
師匠 じゃが、だからこそ
こういう不思議な一枚が獲れたんじゃろうな。
お茶 ポイントはやはりドアの前の人でしょうか。
師匠 手前の三人とはまったく別の
静かな緊張感を感じるぞい。
お茶 ドアの向こうにはなにがあるんでしょうか?
師匠 会場を埋め尽くす五万人の大観衆かもしれん。
お茶 倒産後空っぽになった会社の
オフィスかもしれませんね。
師匠 いずれにせよ見る者の想像をかき立てる佇まいじゃ。
お茶 それではラスト、H・N ばるばさんの作品です。


味写NO.578
「奇跡の一枚」
H・N ばるばさん

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師匠 これはまた味わい深い一枚じゃな。
お茶 投稿者さまが数年前、門前仲町で撮った一枚です。
当時デジカメにはまっており、
目にとまった風景をいろいろ撮っていたそうです。
師匠 そして偶然この写真が撮れた。
お茶 投稿者さま本人も
偶然が生んだやたら完成度が高い一枚
とおっしゃてます。
師匠 ふむ、たしかにこのおじさんと猫の位置、
構図からのどかな光の加減まで
バッチリ決まっとる。
かといってまったく作為も感じんし、
まるでこの光景の中に
居合わせてるような一枚じゃな。
お茶 こういう奇跡の一枚が
カメラ好きにはたまらないんでしょうね。
師匠 これに心霊とUFOが写っておればさらに奇跡じゃが。
お茶 いりませんよ、心霊とUFOも。
師匠 たまにはこのような
「よく撮れた」味写も味わい深いものじゃな。
お茶 今週は以上でございます。
師匠 ふむ、味写道では随時諸君からの
お宝を募集しておるぞい。
採用者にはお茶くんの分身をプレゼントじゃ。
お茶 それではみなさまの日曜に幸アレ!(茶柱)
2013-06-02-SUN
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