うちのおかんは、70半ばにもなって、 なぜそんな色にしたのか訊いても、 こういうのは、どうすればいいのでしょうか。 (相談者:かくれ肥満児) |
頭を紫に染めていらっしゃる方、たまに見ますね。 でも、この方のお母さんは、 「うっすら紫」ではなく かなり濃いパープルなんだそうです。 |
|
ディープパープルですか ハードですね。 東京ではあんまり見かけないですね。 紫の頭は、関西に限るのかな? |
|
いや、いらっしゃいますよ。 よく渋谷のデパートなどにいます。 |
|
美容師の友人に聞いたんですけど、 白髪って、すぐ黄ばむんでしょ? |
|
黄ばむんですか。知らなかったです。 |
|
真っ白をキープするのは、むずかしいんですって。 そういうこともあって、 髪に紫などの色を入れると きれいに上品に見える‥‥ とかやったんやないかなぁ。 しかも、紫は白髪に入りやすい色みたいですよ。 |
|
へぇえ。 でも、すごく濃い紫は、どうかなぁ? |
|
なかには濃い人もいますね。 美容師さんが 「ちょっと紫入れる?」 とすすめたのからはじまって、だんだん 「もっと濃く、もっと濃く」 「誰よりも濃く」となって、 あんなことになってるんちゃうかなぁ? 70代半ばといえば、 人によってはほとんど白髪な気がする。 もう、白髪を隠してるとかじゃなくて、 紫の主張なんでしょうね。 関西のおばちゃんたちって、 派手な方が多いといいますけど、 実際、そうです。 若いときに地味やった人が 年いってだんだん派手になったりします。 昔の女の人って、 ちょっと派手なものを着たりすると 「夜の女」とか陰口叩かれたりするでしょう。 その抑圧された気持ちが 年取ったときに反動となって、 ワーッと爆発するのではないでしょうか。 しかも、お母さんはきっと 紫という色がお好きなんでしょうね。 カラーセラピーで 「赤を身にまとうあなたは、いま攻撃的な気分」 とか言われたりします。 私の知り合いで、福井さんという占い師がいます。 一時期いっしょに住んでたこともある 友人なんですけれども、 その人は、何でも色で決めつけてきました。 私が紫を着てたら 「あぁ、なんか疲れてるなぁ、自分」 と声をかけてくるんです。 「いたって元気やわ!」 と言い返しましたけど、 「いや、紫を身にまとうのは 体が回復を求めてるねんって。 自分で気づいてないだけやから!」 と、福井さんはさらに言ってきました。 別の日に、黄色と白でコーディネートしたら、 「なんかイラついてんなぁ、自分」 と出がけに言ってきました。 すこぶる気分のいい私は、 そのひと言のせいで 出鼻をくじかれたことがありました。 だから‥‥それで覚えてるんですけど、 紫は、たぶん、疲れてて 体が回復を求めてるんじゃないかと(笑)。 すみません、福井さんの受け売りで。 色のパワーを否定するつもりはありませんが、 私は信じられなくて。 でも自分が好きな色とか似合うと思ってる色を 身につけてると気分いいですよね。 たとえ「ボルドーがあなたのラッキーカラー」 と言われても、 そんな嫌いな色着て出かけたら、 私一日中腹立ってると思うわ。 でもこの人はいっしょに住んでいたとき、 私の家族の話を毎夜おもしろがって聞いてくれました。 今では福井さん、あの日々のことを 「地獄の千夜一夜」と呼んで懐かしんでいます。 『株式会社 家族』を書くきっかけをくれた人です。 それにしても、お母さん、おしゃれですね。 頭を紫にしていることで、まわりからも 「おしゃれね」と言われてると私は思います。 むしろ70すぎて、手をかけてへんよりは、 すごくいいと思う。 自分のお母さんが黄ばんでるより、 紫で光ってたほうが クールじゃありませんか。 私らが気づかないだけで、 年いったら「年いってる界」で、 段階があるのでしょう。 美的感覚もちがうと思います。 年齢どおりに年老いて見えたら 「こうしたら老けて見えるんやわ!」 と発見することもきっとあります。 そこを防止するための策が いっぱいあるのではないでしょうか。 若者には考え及ばないことです。 あとは、紫って、 年齢を重ねた人しか似合わない 「高貴な色」というイメージがありますね。 武道でも、紫帯と言えばトップクラスやし。 昔は皇帝しか着られない色やったと いうじゃないですか。 頭を赤や緑に染めてみせる若者もいますが、 紫はハードル高いでしょう。 紫は自然界に出てくる色じゃない、毒の色やし。 ポイズンですよ、ポイズン! その、ポイズン色を、果敢に 「そらあんた、かっこええからやないの」 とおっしゃってるんですから、 納得して実践されているんですよ。 バンクスです。 |
|
お母さんを「どうすればいいでしょうか」と 相談者は書いていらっしゃいますが。 |
|
喜んでやってるんだから、 もちろん、ほっといていいと思います。 |
|
ありがとうございます。 それでは、今日も最後にまとめをお願いします。 |
|
わかりました。 |