今回、「夢見の館」っていう 新しい仕組みがあるんですよ。 |
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村のデータをサーバーにアップロードして、 ほかの人に自由に見てもらうシステムです。 村や人の名前とか、地域で検索したり、 「夢番地」と呼んでいる住所のようなIDさえわかれば、 見ず知らずの人の村も見ることができます。 |
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サーバー上にある「誰かの村のコピー」のようなもので、 あくまでも夢の中で見ている村なので、 遊びに来た人がそこでどんなことしようと 元の人の村は破壊されたりしないんです。 だから、自分の村を世の中に見せたかったら、 IDを出して、みんなここに遊びに来ていいよ、 って広めればいいんです。 そうすると、いろんな人がつくった村を 夢見の館で見ることができる。 家自慢ならぬ、村自慢をしてもらおう、と。 |
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おもしろーい。 | |
糸井さんの「にこにこり村」も ぜひ夢見の館にアップして、 公開していただきたいです。 |
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ぼくはもう、このあいだと同じことは しないつもりだったんですが‥‥ だんだんしたくなってきた。 |
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ははははは。 | |
というか、よっぽどしたかったから あんなふうになっちゃったと思うんで、 あらためてやっても、 やっぱりああなっちゃうんじゃないかなぁ。 |
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ああ、なるほど。 そういうゲームですよね、『どうぶつの森』は。 どうしても遊び手の個性が出てしまう。 |
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あの、こないだ久々にやった「ほぼ日」の企画で 「イべんとう」っていうのがあるんです。 どういうものかというと、うちの乗組員全員で 東京駅の大丸の地下にお弁当を買いに行くんですよ。 で、それぞれが真剣にお弁当を選んで、買って、 持って帰って、そのお弁当見せ合って食べるんです。 これがねぇ、ほんとうに、その人が出る。 |
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あーー、なるほど。 | |
その「イべんとう」と『どうぶつの森』ってね、 ぜんぜん違うけど、近いと思うんですよ。 |
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たしかに、通じるものを感じます。 自分の選んだものを「見せ合う」っていうのも 『どうぶつの森』に似てますよね。 |
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そうなんです。 『どうぶつの森』もさ、 「何度やってもこうなっちゃう」 っていうところがあるでしょ? けっきょく、似たような部屋になっちゃうとか。 |
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はいはいはい。 | |
それ、「イべんとう」も同じなんですよ。 今回、大丸の地下を周りながら、 「オレ、今回は、おこわを中心に 組み立てていこうかな」って言ったら、 「前回と同じですね」って言われたの。 で、「え、そうだっけ?」って。 |
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一同 | (笑) |
▲糸井が今年選んだお弁当。 ▲糸井が3年前に選んだお弁当。 |
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前回も「おこわ中心」だった(笑)。 | |
そう。要するに、前回も、今回も、 「炭水化物まつり」だったんですよ、ぼくは。 前回は3年前ですからね。 3年経って真剣に選ぶお弁当が、 3年前に真剣に選んだお弁当とほぼ同じだった。 新鮮な気持ちで選んだはずなのに、 無意識で同じことをしちゃうっていうのが 人間なんですよ。 |
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ああ、それが人間ですよね! | |
こう、ひとの選んだお弁当を ずらっと並べるとおもしろいですよ。 |
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わぁ、人によってぜんぜん違う。 | |
違うんですよ、ほんとにそれぞれ。 | |
まさに『どうぶつの森』ですね、これ。 | |
そうですね。 予算決めて、村づくりして。 |
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こういうことをすると、 自分がなにを欲してるのかっていうことが ほんとうによくわかるんですよね。 だから、たとえばお弁当屋さんをやるとしたら、 こういう、自分の根っこみたいなものを 基準にするべきですよね。 でも、ふつうは本を読んだり、 いろいろ勉強しちゃうと思うんですよ。 こういうものが受けるとか、 こういうものが流通しやすいとか。 でも、インプットをどれだけ増やしても、 アウトプットしてはじめて得られる経験に まったくかなわないんです。 こうすれば勉強ができる、 仕事がうまくいくなんていう本、 本屋さんに山ほど並んでるんですけど、 それを100万冊読んだところで、 なんにもならないんですよね。 それより、自分で思ったようにやってみること、 アウトプットして経験していくことが 人を育てていくわけで。 その意味では、形だけ本を読んだりするよりは 『どうぶつの森』とか「イべんとう」みたいなことで 自分の本性を知ることのほうがよっぽど大事。 「きみはきみで思いっきりやりなさい」というのが これからの時代には、ものすごく必要なんですよ。 |
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うーん、なるほど。 | |
『どうぶつの森』も、「イべんとう」も、 インプットする必要はないですからね。 ただただ、自由な荒野に放たれるだけで。 |
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荒野に放たれて、ま、多少、予算は縛られて、 この中でできることをして、 みんなを感心させようっていう。 |
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「ああ、今回も炭水化物が多かったなぁ‥‥」 って、そういうことを学ぶ、みたいな。 |
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一同 | (笑) |
「自分はなにが得意なんだろう」って、 自分の行動をもってはじめて知るとかね。 『どうぶつの森』のなかで ただただ自由に表現するのと同じですよね。 |
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「こういう家が好きなんだな、オレは」って。 | |
そういうことです。 だからね、さっき、 「今度の『どうぶつの森』は村長になるんです」 って聞いて、ちょっと困ったなと思ったのは、 やらなきゃいけないことが増えるんだったら ちょっと面倒だなと思って。 その、ぼくは自由に乱暴にやりたいだけですから、 『シムシティー』の市長みたいになるよりは、 ただの市民、村民がいいんだけどな、って。 |
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あ、それは大丈夫です。 村長ですけど、 村長はなんにも仕事しなくてもいいんです。 それでも村はちゃんと動いていきます。 |
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あ、そうなんだ。 ちょっと、ほっとしました。 |
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一同 | (笑) |
義務感みたいなものはありません。 だって前の村長、 「亀のコトブキ」ですよ(笑)。 |
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いつも役場で寝てたんで(笑)。 | |
あーー、そうか、あいつか。 たしかにあいつ、なにもしてなかったね。 |
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話し相手になってくれるぐらいでしたよね。 だから、村長とはいえ、 なにもしたくない人はなにもしなくていい という自由はちゃんとあります。 それに、なにかをやるときも、 秘書がつくので大丈夫です。 |
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しずえさんという秘書が、 いろんなサポートをしてくれます。 |
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そうですか。大丈夫かな‥‥。 | |
わかりやすくいうと、 村長の席に座らなければ、 村長の仕事とは無縁です。 ただの村人としての生活が続くだけです。 |
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あー、そうか、なるほど。 その言い方はわかりやすい。 ようやく安心しました。 |
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『どうぶつの森』は、 気ままに遊べるのがいいところなので。 |
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「やらなきゃいけないことがある」というのは、 ちょっと違うんじゃないかということで、 村長とはいえ、極力そういった要素は外しました。 |
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村のメンテナンスで忙しい、 みたいにはしたくなかったので。 |
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条例つくるっていっても、議会もないしね。 苦労する必要がないんですよ。 |
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まぁ、1つだけあるとすれば、 この条例にしたいって、言うと、 「じゃあ手数料、2万ベルです」って(笑)。 |
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お金取られる(笑)。 | |
あー、なるほど(笑)。 ま、収入印紙みたいなことですね。 お金を持ってないとダメなんだね。 でも、それはとても『どうぶつの森』っぽい。 |
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はい。 | |
その条例も村の環境を変えたいと思う人が、 つくればいいだけなので、 条例なしでもまったく問題ありません。 |
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村長になっても、なにもしない自由は つねに残されています。 |
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すばらしいですね。 村長が自分のことだけやってても 村が滅びるわけじゃないんだね。 |
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はい。 ま、草は生えますけど。 |
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一同 | (笑) |