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2006年1月12日から6月5日までの現場からです。 |
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6月5日(月)更新
今日は、壁画の両端下部の白い部分に
彩色する作業をお伝えします。 |
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写真の白い部分は、
展示の都合上、今回の修復で
ほかの部分と大きさをそろえるために
付け加えた部分です。
『明日の神話』を飾る予定だったホテルの設計変更で、
ホテルロビーの階段の踊り場が絵の両端にかかるために、
メキシコで太郎さんが修正を加えた部分なのです。 |
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ジェッソ(地塗り剤)で下塗りをしているところです。 |
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ジェッソで下塗りをした部分に
今度は、グレーのジェッソを塗っていきます。
色は、絵の鑑賞の邪魔にならない色ということで
グレーにしています。 |
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完成です。
ふだんは、細い筆でちまちまと補彩をしているので、
こういった場所を幅の広い筆で塗るのも
気分転換になったりしました。 |
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ジェッソでの下塗りと仕上げのようすを
どうぞムービーでごらんください。 |
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今回のレポートは以上です。 |
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6月4日(日)更新
吉村さんの補彩風景を撮ろうと、
となりのタワーからカメラをかまえていたら‥‥
見つかってしまいました。 |
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となりのタワーから
気づかれないように盗撮しています。 |
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もう少し近くで手元を撮ろうとしたら!
「撮ったな!」という感じで
見られてしまいました。 |
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スタッフ全員が補彩作業にはいって、
作業が細かくなっているので、
手元を撮ろうとすると
どうしても今日みたいに見つかってしまうことが
多くなってきました。
ですので、わたくし、思い切って
望遠レンズを買いました。
これからは手元のアップ写真も送れると思います!
さて、話は変わり、
前回お伝えした飛行船が
実際に『明日の神話』の前を
飛行するようすをお伝えします。 |
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骸骨の前を、飛行船が
ふわふわと飛んでおります。魚みたいです。 |
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太郎さんのサインも
ちゃんと入ってるんですよ。 |
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なんだか不思議な生き物みたいです。
飛行船も太郎さんの作品。
『明日の神話』にとけこんでしまいます。
飛行船が飛ぶようすをムービーでごらんください。 |
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6月2日(金)更新
今日は、太郎さんが今から33年前に絵を描いて、
日本中の空を飛び回っていた飛行船「レインボー号」の
ラジコンが現場に届いたので、
その製作風景をお伝えします。
修復とはちょっと関係がないレポートですね。 |
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2月に飛行船のラジコンが
現場に届いたときのようすです。
このときは、みんなとても忙しかったので
組み立てるのをあきらめました。
(今もとても忙しいですが) |
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それから3ヶ月後、
「今日を逃したら『明日の神話』の前を
太郎さんの飛行船が
飛ぶチャンスがなくなってしまう」
と思い、日曜日に組み立てているようすです。 |
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船体の部分になる風船に
ヘリウムガスを入れようとしているところです。
ヘリウムガスが足りるか、ちょっと心配です。
なぜかと言うと、吉村さんが
飛行船に使うはずのガスで
風船をふくらませて遊んでしまったからです。
吉村さんがガスを入れるところを
ムービーでごらんください。 |
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ガスを入れると
当然ながら上にあがって行こうとする風船。
それに、あわてる吉村さんです。 |
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どうやらガスは足りたみたいですね。
よかったよかった。
安定板とゴンドラをくっつけて完成です。 |
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この「レインボー号」の実物には、
完成したとき、スポンサーの名前が
入っていたそうです。
でも、太郎さんが
「大空はみんなのものだ。
そこに広告を入れて飛ばすなんてけしからん!」
と怒ったそうです。
それで、その話を当時のスポンサー会社の
社長さんに話したら「わかりました。」と了解して、
名前を消してくれたそうです。
スポンサーの名前のない、
太郎さんの原色の絵だけが描かれた飛行船は、
「あれはどこの飛行船だ?」
って、とても話題になって
社長さんも大喜びだったそうです。 |
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さっそく完成した飛行船を操縦してみる
わたくし山田です。
操縦するのはなかなか難しいです。 |
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今日は、長くなってしまったので、
飛行風景はあらためて次回お伝えします。 |
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6月1日(木)更新
修復作業は、去年、壁画が立ち上がったときには
約1ヶ月予定より遅れていたのですが、
その1ヶ月の遅れを
ようやく取り戻せつつあります。
今日は、去年もこのレポートで
お知らせしたことのある
作業場の温度計について、です。 |
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また暑い季節がやってきました。
「27度?ちょっと暑いくらいじゃん?」
と言われそうですが、
壁画を修復するための足場であるタワーの上は
ここより5度くらい暑いのです。
この現場の気温は、去年、最高38度まで上がりました。
ですから
タワーの上は43度くらいになったでしょうか。
逆に冬は最低3度まで下がって、
手がかじかんでしまい、
補彩作業がなかなか進まなかった時期もありました。
いまとなってはもう懐かしいです。 |
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27度の修復現場。
補彩に使っている照明器具は、
500ワットあるので、暑さに拍車がかかります。 |
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なんとか本格的な夏が来る前に
修復を完成させようと頑張っている
現場からでした。 |
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★今日のおまけ★
修復現場にも、私たちが注文した
「TARO MONEY」が届いたので、
そのようすをお伝えします。 |
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スタッフ全員大喜びで笑顔、笑顔。 |
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包装が、黄色い袋で素敵なので
綺麗に開けたいところなのですが‥‥
早く中身を見たい石井さんは、
綺麗に開けるのをあきらめました。 |
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さっそく石井さんの「TARO MONEY」を
みんなで手にとります。 |
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吉村さんは、「TARO MONEY」を、
愛媛ではなく山梨の仕事場に送ってしまったので、
石井さんの「TARO MONEY」を勝手にこっそり
開封し、そして元に戻そうとしている姿です。
しかし、絵画修復家でも
完全に、元には戻せなかったみたいです。 |
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自分の名前をさっそく登録している石井さん。
ご機嫌です。
「TARO MONEY」を開封するようすを
ムービーにしました。
綺麗なつくりなのでみんな感心していました。 |
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5月28日(日)更新
修復現場のいまのようすを
現場からお伝えします。 |
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補彩作業をする場所もだんだんと少なくなってきて、
3人で並んで作業をしているところです。
補彩作業もあと少しです。 |
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石井さんは、太郎さんが
壁画に変更をくわえて描き直した部分を
図面に細かくチェックしています。 |
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修復作業もあと少しとなった現場から
お伝えしました!
今日は、以上です。 |
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5月21日(日)更新
毎日、作業場と自宅の往復だけだと
自分が海に囲まれた四国にいるのを
忘れてしまいそうなので、
今日は海を見にドライブに行ってきました。
目的地は、愛媛と広島を結ぶ
「しまなみ街道」の中間にある
大三島の「大山祗神社」です。 |
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愛媛県側に架かる「来島海峡大橋」です。
橋の手前に見えるクレーンは、
造船所のクレーンです。
あの橋を渡っていきます。 |
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神社に行く途中に
バラ公園の案内板を発見!
さっそく寄り道です。 |
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見てください、見事なバラ公園です、
一輪も咲いていません‥‥。
バラは通常は関東地方の気候で5月に咲くのですが、
「四国=暖かい」という自分の勝手な思いこみで、
見事な葉っぱだけのバラ園を見てきてしまいました。
ちなみにもともと私の住んでいる所は高冷地なので
桜が5月、バラは7月に咲きます。 |
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せっかくバラ公園に来て、
バラの花を見ないで帰るわけにはいかないので、
隣にあったバラ苗販売ハウスを見てきました。
こっちは満開でした。きれいです。 |
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さて、目的の、大山祗神社です。
日曜日なのに、
神社の関係者以外は誰もいません。
なかなか雰囲気のよい、
気持ちの安らぐところでした。 |
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神社の境内にある
樹齢2600年の楠です。
『明日の神話』も
2600年後に残っているといいなぁ。 |
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愛媛での修復作業が無事に終わりますように、
ここでお祈りしてきました。 |
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海もちゃんと見てきました。
きれいだなぁ。
時間があったら、釣りもしたかったです。 |
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「ひょうたん島」?
本当の名前は知りません。
ただ形が似ていたもので‥‥。 |
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愛媛の見どころをお伝えするレポートも
もう少ししなくてはと思っているのですが、
なかなか時間がなくて「ん~残念」。
チャンスがあったら
花の咲いているバラ園を
もう一度見に行ってみたいです。
今日のレポートは以上です。 |
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5月19日(金)更新
今日は、ドクロ部分の
補彩のようすをお伝えします。 |
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吉村さんの作業の邪魔にならないように、
となりの足場から撮影しました。 |
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レリーフ部分は、でこぼこしているので
色を入れていくのもたいへんです。 |
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亀裂のあった部分に
「てんてんてん」と、
細い筆で色をのせていきます。
そのようすを動画で
じっくりごらんください。 |
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壁画左側から順番に
補彩作業をすすめていますので、
この骸骨の部分の補彩が終わると、
やっと半分完成です。
今日のレポートは以上です。
では、また。 |
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5月18日(木)更新
紫外線や軽い擦り傷などから
壁画の表面を保護するために、
画面に塗るニスを作りました。
作業としては、まだニスを塗れる段階までは
しあがってはいないのですが、
準備だけは、といったところです。 |
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このスプーンに乗っている
小さな半透明のつぶつぶが
ニスの原料です。
本来は、コンタクトレンズに使われます。
コンタクトに使われるものということは、
つまり、とても透明度が高いんですよ。 |
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ニスの原料をガラス瓶に移して、
有機溶剤を注ぎ、
溶かす準備をしています。 |
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中身が溶けるまで、
溶剤を入れた瓶を、
わたくし山田がずっと
振っているわけにはいかないので、
あとは機械に混ぜてもらうことにします。 |
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溶剤といっしょに瓶の中に入れた磁石の棒を、
機械がくるくると回転させて混ぜてくれるのです。
この一連の作業を、
やや実験室風ではありますが、
動画におさめました。
どうぞごらんください。 |
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5月17日(水)更新 |
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骸骨の左下部分の亀裂に
補彩を施している、吉村さんです。
作業場はいろんな音がするので、
ヘッドフォンを耳にあてて集中し、
ときには音楽を聴きながら、
作業をしています。 |
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吉村さんが補彩をしていた部分を撮ってみました。
写真の中央部分から左上に伸びている亀裂が
補彩の終わった部分です。
色を入れた部分は、まだ周囲と艶が違うので
いまの段階では亀裂が入っていたことがわかりますが、
最後に保護膜として画面全体にニスを塗布しますので、
そのときに艶が同じになって、
亀裂が入っていた部分がどこかわからなくなります。 |
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吉村さんは、細い筆で
欠損部分だけに色を入れて、
太郎さんのタッチをていねいに再現していきます。
みなさん、そのようすを、ぜひ、
こちらの動画でごらんください。 |
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★今日のおまけ★
修復スタッフも心待ちにしていた
TARO MONEY。
発売日には、全員が
仕事そっちのけで
パソコンを開いていました。
わたくし山田も購入しました。
修復プロジェクトを応援してくれている
知人に贈ろうと思っています。 |
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5月16日(火)更新
今日からしばらくは、
壁画修復の最終段階の重要な作業である、
補彩についてお伝えします。
先日お伝えした水彩の下塗り作業が
すべて終わり、
スタッフ全員が最後の補彩作業に
移りました。 |
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水彩絵の具で下塗りをした上に、薄く
最後の補彩をしていきます。 |
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画面周囲の側面に補彩をしている
修復チームの石井さんです。 |
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修復チームのスタッフ全員が
黒い手袋をしているのは、
画面に自分の手が反射して
正確な色が見えにくくなるのを防ぐためです。 |
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修復チームが補彩をしているようすを、
動画でごらんください |
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5月15日(月)更新 |
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先日お伝えした、
残り4枚の充填作業が終わりました。
次は、水彩で下塗りをする作業につづきます。 |
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絵の欠損部を、充填剤で
周囲の絵の具と同じ高さまで埋め、
筆のタッチを再現した部分です。
ここは、幅1メートル高さ1.4メートルの、
おそらく今回ではいちばん大きな
欠損部分かもしれません。 |
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水彩絵の具で下塗りをしていくようすを
段階的に撮ってみました。
これが、 |
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こうなって、 |
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こうなって、 |
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こうなります。
水彩の下塗りを動画でご覧になりたい方は、
こちらの動画でどうぞ。
動画の部分の下塗りを担当したのは、
修復チームの村木さんです。 |
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充填剤の白い色が見えなくなり、
おおまかな色が入ったところで
下塗りは完成です。
細かな筆の線は、
最後の「補彩」と呼ばれる作業で
下塗りの上に薄く色をのせていきます。 |
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★今日のおまけ
ちょっと時期がずれてしまいましたが、
先日、3週間ぶりのお休みをもらったときに見た桜が
とてもきれいだったので、
そのときのようすを記したいと思います。 |
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『明日の神話』を修復している作業場の裏には、
こんなサイクリングロードがあって
桜の木がいっぱいあります。 |
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作業場の裏の桜です。
奥に見える白い壁が作業場です。
こんなに咲いていても作業場の中からは、
壁画で窓が隠れてしまうので見えません。 |
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これは、何の種類でしょう。
山桜でしょうか? |
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お腹が空いたので、
近くの屋台でたこ焼きをゲット。
おいしかったです。 |
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お花見のあと、
久しぶりの休みでしたので、
スーパーまで買物へ。
その近くに住んでいるうし君です。
「焼き肉食ったな!」と見つめられている気分に
なってしまいました。
(きのう食べましたから‥‥) |
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今日は以上です。 |
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5月11日(木)更新 |
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今日は充填作業のつづきをお伝えします。
画面下部の欠損部分を埋めて
平らにする作業をしている、
修復チームメンバーの石井さんです。
14枚に分かれた壁画でも、
1枚あたり重さがおよそ1トンになるので、
簡単には持ち上げたり移動できません。
そこで、どうしても写真のような
きつい体勢で、長時間の作業になってしまいます。
絵の下のほうで、まるで寝そべるような苦しい姿勢で
いろんな器材に埋もれるようにして手を動かす
石井さんです。 |
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石井さんの手元を動画で撮ってみました。
照明不足の為、手もとが暗くなるので
石井さんは頭にヘッドライトをつけて
作業をしているんですよ。 |
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5月9日(火)更新
こんにちは、みなさん、
愛媛の修復チームの山田です。
なかなか写真を整理できず、
このところ「現場から」のレポートが
送れていなくて、すみません。
修復作業は、今のところ
順調にすすんでいて、
なんとかギリギリ予定どおりに
間に合うかなといった感じです。
壁画の欠損部分を埋める充填作業も
14枚に分かれたパーツのうち
右側の4枚だけになりました。 |
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残りの4枚の充填作業を、
吉村さん以外のスタッフ4人全員で
しあげています。
(僕がカメラで撮影しているので
僕以外のメンバー3人が映っています) |
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充填剤で筆のタッチを
精密に再現するために、
照明を斜めから絵にあてます。
こうして、太郎さんの筆のタッチと
充填剤で作ったタッチを強調して見て、
合っているかどうかを確認しながら
作業していくんですよ。 |
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今日のレポートは以上です。
それでは、また! |
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4月27日(木)更新
みなさん、こんにちは。
今日は、以前にレポートをした
大きな欠損部分の補彩作業が終わりましたので、
その写真をごらんに入れます。 |
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去年の、まだ下塗りもしていない、
充填剤で埋めただけの状態です。 |
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吉村さんによって、
当時の資料を元に
最後の補彩が施された欠損部分です。
あとは全体の艶を合わせれば完成です。 |
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今日のレポートは以上です。
それでは、また。 |
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4月20日(木)更新
みなさん、こんにちは。
先日は、愛媛からの中継を
たくさんのみなさまにごらんいただき、
ありがとうございました。
楽しかったです。
いよいよ汐留での公開日が発表されたましたね。
今日は、いま現在の現場のようすをお伝えします。 |
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この写真は、欠損部分に
充填作業を施しているところです。
(ピンクと赤の服を着た、
ふたりの修復メンバーが見えますでしょうか?)
いま、壁画は14枚に分割されているのですが、
この充填作業も、残すところ
あと4枚となりました。 |
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修復チームのリーダー吉村氏は、
ひたすら仕上げの補彩作業です。 |
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いま現在で画面の修復作業の5割程度が
終わった感じでしょうか。
汐留に間に合う‥‥??? |
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今日のレポートは以上です。
それでは、また!。 |
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3月31日(金)更新
今日は、修復チームのリーダーである吉村さんが
補彩作業に使っている
パレットをのぞいてみました。 |
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補彩作業は、あとあとの変色を
できるだけ遅らせるために
できるだけ薄く色を入れるのが基本です。
ですから、これだけ痛んでいて
大きな壁画であっても
使う補彩絵の具は少しです。 |
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パレットの上に乗っている細い筆で、
太郎さんの細かいタッチや
筆の擦れを再現して
補彩作業は進められていきます。 |
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★今日のおまけ★
今日は「夕食は自宅で」と思い、
お米を買いに
近所のホームセンターに行くことに‥‥。 |
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わたくし山田が、
このホームセンターで
お米を買いたい理由があります。
それは、このパンダ精米器があるからです。
このパンダ君をひと目見たときから
決めてました。
玄米を買った人は
無料で精米してくれるのです。
お米は、せっかくなので、
山田の住んでいる地域で採れた
コシヒカリを買うことにしました。 |
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精米中のパンダ君です。
パンダの口からお米がボロボロと出てくるのが
不思議な感じです。
10kgを5分ほどで精米してくれました。
見た目はかわいいけれど、りっぱな精米器です。
せっかくなので、こちらの動画でもどうぞ。
この映像を見ると山田は、笑ってしまいます。
お米の味のほうは?
はい、とってもおいしかったです。 |
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修復現場とは全然関係のないレポートでした。
それでは、また。 |
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以上で今日のレポートを終わります。 |
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3月30日(木)更新
今日は、ドクロ部分の亀裂を
修復する作業をお伝えします。
レリーフ部分は、
合成ゴムに炭酸カルシウムと細かい木のくずを
混ぜて盛り上げられています。
画面からいちばん浮き出ている部分で
だいたい3cmくらいの厚さです。
作業は、レリーフ部分を暖めて柔らかくして、
元の状態に戻していきます。 |
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作業前のドクロの表面温度を
表面温度計で計測している様子です。
写真の赤いマーカー部分の温度を計測しています。
温度は20℃でした。
この温度では、レリーフは
指で押さえてもコチコチで固いです。 |
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赤外線ランプで修復部分を暖めます。 |
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ランプで暖めた部分の温度を
計測しています。
温度は67℃。
70℃を超えてしまうと絵の具は溶けてしまいます。
絵の具が溶けるギリギリのところまで
レリーフ部分を暖めるようにします。
指で押さえると、ちょうど消しゴムを
指で押したような柔らかさになります。 |
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暖めて柔らかくした部分を押さえて
亀裂の段違いをなじませているところです。
そのようすをこちらの動画でごらんください。
普段は固いドクロ部分が
柔らかくなっているのがわかりますか? |
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亀裂の段違いを合わせ、
小さな破片を戻して、
欠損部分には充填を施した状態です。 |
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以上で今日のレポートを終わります。 |
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3月28日(火)更新
こんにちは、みなさん。 |
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今日は、レリーフになって盛り上がっているドクロ部分の
亀裂や浮き上がりを直すための、
準備の作業をお伝えします。 |
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ドクロの目のふちに、
ヒビが入っているのがわかりますか?
このように、レリーフ部分には
あちこちに亀裂や浮き上がりが見られます。 |
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浮き上がりを押さえて直す前に、
まずは亀裂でできた隙間を
ファイバースコープで覗いて
中に汚れや異物がないかを確認します。 |
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この写真は、レリーフ表面を写したものですが、
レリーフには、このようなネジが
めり込んでいる場所もあります。
レリーフの浮き上がりの中には、
こんなものが、けっこう入り込んでいたりしますので、
あらかじめチェックをするのです。 |
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次回は、レリーフ部分の浮き上がりを
接着する作業をお伝えしますね。 |
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3月23日(木)更新
こんにちは、みなさん。
今日は、いま現在の修復現場の写真を
お送りします。 |
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作業は、いちばん左の壁画から進めていて、
徐々に右へと移って行きます。 |
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いまは、このあたりの仕上げ作業をしています。 |
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また近いうちに、
撮りためたムービーを整理して
送りたいと思っています。
公開がほんとに、
次の季節に迫ってきましたので、
がんばります。
それでは、今日はこれで。 |
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3月9日(木)更新
壁画のいちばん左部分の補彩作業が
最後の調整を残して、ほぼ終了しました。
その部分の、修復前の写真と
あわせてお送りします。 |
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この写真は昨年(2005年)の10月、
裏面の補強が終わって、壁画を立ち上げたときに
撮影したものです。 |
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そして、これが現在の状態です。
最後の調整だけを残す状態までに
しあがっています。 |
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10月の状態とくらべて、どうでしょうか?
今日のレポートは以上です。
それでは、また。 |
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2月26日(日)更新
先日、松山市の小学生に
『明日の神話』の修復現場を
見学してもらう機会がありました。
作業場に入って壁画を見るなり、
子どもたちは
「でっけー!!!」
の連呼でした。 |
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小学生を前に『明日の神話』について、
わかりやすく丁寧に
説明をしている平野さんです。 |
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子どもたちに、画面の汚れを落とす
「洗浄作業」を体験してもらいました。
もちろん、こういう作業は
はじめての経験だったでしょうし、
テレビカメラに囲まれていたこともあって、
子どもたちは、
ちょっと緊張気味だったかな? |
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最後は全員で
絵の前で記念撮影しました。 |
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子どもたちは、絵の中央の骸骨が
レリーフ状になっていることに
とても興味を持ったようでした。
わたくし山田も、何名かの子どもたちから
「レリーフはどうやって作ってあるの?」と
質問されました。
レリーフがどうやって作ってあるかは、
後日、修復作業のレポートでお伝えします。
それでは、今日はこれで。 |
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2月23日(木) 更新
みなさん、こんにちは。 |
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12月1日のレポートで、
顕微鏡での作業風景をお伝えしましたが、
今日は、同じ部分の「その後」をお伝えします。 |
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顕微鏡を覗いて画面に付着した
さび止めペンキを落としていたのですが、
その部分の補彩が完了したのです。
ちょうど写真の中央あたりだと、
補彩をした吉村さんが言うのですが、
わたくし山田には、
どこなのかよくわかりません。 |
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このように、ゆっくりとした変化ではありますが、
修復作業は順調に進んでいます。
では、また。 |
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2月19日(日)更新
みなさん、こんにちは。
今日は、12月に撮影した壁画の写真と
2月に撮影した壁画の写真を、
みなさんにごらんいただこうと思います。 |
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これは、12月に壁画を撮影したものです。
この時点では、全体の3分の1だけ、
画面洗浄が終わっていました。 |
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それからちょうど2ヶ月後の、
2月上旬に撮影した写真です。
吉村さんは
「ほんとうにきれいになっているのかなぁ~‥‥」
と言っています(笑)。
修復作業じたいが、週単位では
大きな違いが出るほどには進まないことにくわえ、
太郎さんが壁画を制作している途中に
画面が割れたところがあって、
そこは、わたしたちにはどうすることもできません。
(段違いに板が接合されており、その上から
太郎さんが描いているのです)
そんなこともあり、吉村さんは余計に
「きれいになったのかなぁ~」と
感じるのかもしれませんね。 |
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この全体像の写真を撮影したのは、
わたくし、山田です。
こーんな格好をして撮影しているところを
ほかのスタッフに、撮られてしまいました。
作品がとにかく大きいので、
全体を写そうと思うと、
こうなってしまうのです。 |
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2枚の写真をごらんいただいて、
どうでしょう?
小さな写真では
わかりにくいと思いますが、
すこしは、変わったでしょうか?
実際に目の当たりにしている現場スタッフは、
そのちがい、とても感じているんですよ。
今日のレポートは以上です。
それでは、また! |
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2月12日(日)更新
こんにちは、みなさん。
修復現場は早くも作業が大詰め、
という雰囲気が
ただよいはじめてきました。
今日は、『明日の神話』の中央にある
大きな欠損部分の復元のようすをお伝えしますね。 |
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『明日の神話』の中央部、骸骨の足もとに、
大きな欠損部があります。
写真は、オリジナル・ラヴの田島貴男さんが
記者発表の際にその横に立ってくださったものです。
(田島さんの身長は184センチ) |
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大きさは、だいたい
1メートル×50センチくらい。
絵がぽっかり無くなってしまっています。 |
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このような大きな欠損部分は、
欠損部分のまわりから
絵やタッチを推測して復元するのは、
さすがに困難です。
こういう場合は、
写真のようなプロジェクターを使って
損傷前の状態を壁画に投影します。 |
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投影した状態で、
欠損部分におおまかな下書きをします。 |
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損傷前の状態をもとに筆のタッチを再現し、
補彩前の下塗りをほどこした状態です。 |
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本日のレポートは、ここまでです。
あいかわらず今日も寒い、
愛媛から、お伝えしました。 |
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2月5日(日)更新
今日は、修復作業のようすではなくて
休憩所の製作をお伝えします。
休憩所の製作‥‥?
みなさん「何のこと?」とお思いでしょう。
私たちが壁画『明日の神話』を修復している作業場は、
暖房器具が入ったとはいえ、
現場そのものが広いのと
(壁画が大きいので、広いのはしかたがありません)
すきま風が作業場に入ることで、
なかなか暖まらないのです。
そこで、せめて休憩のときだけでも暖かくなれば、と、
作品を繋ぎ合わせるときに使った
作業台の木材とガラスで
休憩所をつくることになりました。 |
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材木をスタッフで
組み立てているところです。 |
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組み上げた材木にガラスを取りつけて、
休憩所のできあがりです!
名づけて‥‥吉村ハウス‥‥。 |
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こんなことをやっている場合ではないのですが、
あまりにも寒くてつくってしまいました。
今日のレポートは終わりです。
それでは、また。 |
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1月22日(日) 更新
みなさん、こんにちは。
今日は、修復現場の
テレビ撮影がありました。
カメラの高さを7メートルまで
上げることができるクレーンを使っての、
撮影だったんですよ。 |

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これが、そのクレーンです。
クレーンを使って撮影した映像の、
そのまたモニターを、撮ってみました。
ふつうなら近寄れないようなところまで
カメラは動いています。
動画を、こちらからどうぞ。 |
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1月19日(木)更新
みなさん、こんにちは。
いま、私たち『明日の神話』修復チームは
壁画の画面の修復に励んでいます。
長い間行方不明になっていた『明日の神話』ですから、
絵の表面には、いろんな汚れが付着しています。
セメントや土埃‥‥だけではなくて、
こんなものも、です。 |

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この写真の中央の、
黄色い部分を
近くでよく見ると‥‥ |
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なんと!
画面の上で計算した跡が!
もちろん、こういったものも、
チームできれいに修復して、
岡本太郎さんが描きあげたときの『明日の神話』を
再生できるように、がんばっています。
(‥‥しかしこれぐらいの計算は
暗算で、してほしかったですね!) |
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それでは、また。 |
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1月12日(木)更新
このページをごらんいただいているみなさま、
新年、あけましておめでとうございます。
今年も修復現場からのレポートを、
がんばってお伝えしていきます。
修復作業の終わる6月まで、あと半年、
よろしくおつきあいくださいませ。
新年最初のレポートは、現在の現場風景です。 |

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中央骸骨部分の洗浄作業が終わりました。 |
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一番左の絵は、いま、
吉村絵美留さんが補彩作業を進めています。
左下の明るいところに、
吉村さんが立っているのがわかりますか? |
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今年も、よろしくお願いします。 |
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『明日の神話』修復チームへのメッセージは、
メールの表題を「明日の神話」として、
postman@1101.comまでお送りくださいね。
お待ちしています!
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