自転車思想。
チャリンコは、未来そのものの顔をしている。

自転車カフェと地域通貨


こんにちは。

前回、自転車カフェのことを書いていて、
僕は唐突のように

“地域通貨”

というものと出会ってしまいました。
と言っても全く知らなかったわけではありません。
今これを読んでいる方の中にも、

「あぁ、あれね」

と思われている人もいることでしょう。
ま、僕もそんなものです。

別に興味なかったんですよね、これまで。
いろんな“?”がたくさんあるし。
でもね、自転車カフェの可能性という点から見ると、
地域通貨ってけっこう面白いのです。

地域通貨のことを書いている人はたくさんいます。
もちろん専門的に研究してる人、
実践している人の意見もあるし、
地域通貨に否定的な意見の人もいます。
まだまだ勉強を始めたばかりの僕が、
ついうっかり勘違いした解釈をしちゃうこともあるので、
ここでは単純に、
自転車カフェという点に絞って書きます。

そんなわけで、
今回は自転車的な未来に関する、
冬休みの課題レポートといった感じです。

で、地域通貨って何よ?
まずは、ここから説明しなくっちゃいけません。

簡単に言っちゃうと、
ある地域内で使える国民通貨以外のお金です。
国民通貨ってのは、日本で言えば“円”のこと。
地域限定っていうことにこだわっちゃうと、
何だか商店街のクーポン券みたいですけど、
地域という枠を取っ払った地域通貨というのもあります。
インターネットが普及したことによって、
最近はそっちの方が盛り上がっているようですが、
ま、今回は置いておきましょう。

ある地域が地域通貨を導入しているとします。
通貨の単位は“C”として、
とりあえず1円=1Cという価値にしましょう。
地域通貨で全てをまかなうのは大変なので、
円と併用して使ってもOKです。

場所はそうですね、
現在渋谷は実験的にに導入してるので、
ちょと外れて下北沢辺りにしましょう。
住宅街に囲まれて密集した、
若い人たちが集まる繁華街があって、
車での移動はかなりメンドクサイ。
自転車を利用する人は多いけど、
その分迷惑駐輪がスッゴク多い所です。

そういう所に自転車カフェを作ります。
数10台の自転車が置けるくらいの規模です。
(このあたり、土地面積の問題があるので、
 かなり上下すると思ってください。)

コーヒーが一杯400円として、
(もちろん美味しいコーヒー!)
自転車で来た人にはコーヒー1杯あたり
100Cがお店から支払われることにします。
簡単に言っちゃうと、
自転車でお店に来た人は、
実質300円でコーヒーが飲めるということになります。
これはどういうことかと言うと、
その地域(この場合には下北沢)に対して、
まず、その人が車で来たことで発生するであろう、
交通渋滞・騒音・大気汚染などの緩和と、
もう1つ、お店に自転車を停めたことによって、
迷惑駐輪を未然に防いだことへ、
その地域からの“評価”という意味になります。

つまり、地域限定であることによって、
地域通貨は、
使う人と地域との関係性を計る、
一種の物差しにもなりうる、というわけです。

しかも、
その100Cは下北地域でしか使えないわけですから、
100Cは結局下北のどこかで消費されることになります。
もちろん、その100Cを使って、
またコーヒーを飲んでもいいし、
その通貨の使えるお店であれば、
服を買うのに使ってもいいし、
大根を買ってもいいし、ご飯を食べてもいい。
選択肢がある限り、その人の自由です。

これは僕が簡単に考えたことなので、
まだまだ煮詰める必要があるでしょう。
でも、地域通貨というフィルターを通すことによって、
移動手段としての自転車を使うこととか、
自転車をどっかそこら辺に放置しないことへの、
インセンティブ(動機付け)
を付けることが可能になるのです。

もちろん、僕を含めた自転車に乗っている人は、
別にそんなことなくっても自転車に乗っています。
答えは簡単、楽だし気持ちいいから。
ま、それで十分なんですけどね。

そういう人たちにとって自転車カフェは、
薄暗かったり、
スタンドがない自転車には使えないことが多い、
公営の駅前駐輪場をわざわざ使わず、
しかも盗難の心配もなく、
ゆったり時間が過ごせるというメリットもあります。
しかも、コーヒーは実質割引。
悪くない話でしょ?

いいと思うんだけどなー、このアイデア。
yassyの企画書から始まって、
僕の頭の中はいろんな考えがグルグルしています。

Ride safe!

2002-01-06-SUN

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