BIKE
ぼくの自転車ができる。

長沼さん、鼠穴に来る

前回もちょこっと掲載しましたが、
「自転車専科」の長沼さんが
できたて(ほんとにできたて!) の
darling specialをバンに積んで
鼠穴まで来てくださいました。

今回は、その画像を紹介しますよ〜!


黒い車体のdarling special。
どこにどんな工夫がされているのかを
細かく説明してくださる長沼さん(赤いシャツのかたです)。



ハンドルグリップは本皮巻き。
グリップエンドはウオルナット製です。



こういう部分まですべて手作り!!


サドルの躯体となる部分はチタン。
サドルシートはイタリア製のものを使っています。



画像はちょっと見にくいですが、
シリアルナンバーが取り付けられています。



夜道に走り出していくdarling。


さて、乗り心地はどうだったんだろう、
イトイさん?

------------------------------------------
宝物のように思える自転車に、
その夜20人くらいいたはずの人々は試乗することを拒んだ。
遠慮、ってやつだ。
しかし、ぼくは遠慮しない。
ま、この自転車は婚約者みたいなもんだから、
花婿予定者のぼくは、いいんだ、遠慮しなくても。

こぎだしたとたんに、気づいたのは軽さ。
車体の自重も軽いのだろうが、
ペダルを踏んでいる感覚が軽いのだ。
こんなにローギアで走ることないんじゃない?
そう思ったけれど、これでいいのだ、らしい。
そのくせ、けっこう速いのだ。
晩秋の空気を、自転車が切り裂いていく。
少しだけ屈み気味の姿勢だから、胸のあたりに
冷たい風がぶつかってくる。
寒いよ、速く走ると。
いや、速く走っているつもりじゃなかったのだ。
スピードを楽しむという作りじゃないはずだったのだ。
それでも十分に速いのだから、こりゃラクだ。

その夜は、おおぜいで「インパク」の会議をしていたので、
たくさんのお客さんがいた。
ハーレーだったかな、でかいバイクで来ていた人、
ママチャリで銀座から来た人、
外国人だけど日本語ダイジョウブな人、
運動神経を切断されているらしい人などなど、いろいろ。
遠慮がちだった彼らに、
かわるがわるに、試乗してもらった。

こどものような顔つきになって、
夜の路地をひゅんひゅん走っていた。
急に、みんなが長沼さんの名刺をもらいたがった。
長沼さんは、チラシのように名刺を配っていた。
------------------------------------------

そして、それから2日後、
自転車ショーを終えた長沼さんからの手紙です。

------------------------------------------

ほぼ日編集部様

先日の試乗会、おかげさまで皆さん、
にこにこ(ココに顔文字)大盛況でした。
溶接したてで、車体性能が0%でしたが、
1ヶ月たってプロ級の人に乗ってもらえると
真価が解ります。

自転車ショーのこと、
大々的にアピールして頂き有難う御座いました。
知らないでいらした方が、
糸井さんの自転車が出ていると感激していました。
「ほぼ日」を見ている人、本当に多いんですね。
ケバケバしい物が多い中で、
製品的にも大人の雰囲気の漂う自転車は
これ一台だけといってもよく、大好評です。
色々引き合いがありましたよ!

さて、スペアの兄弟車は林道走行用のオフロード車に
組み立て中です。こちらはかなり雰囲気が変わります。
麻布近辺に未舗装の公園等などで
試乗が出来るところがあるといいのですが。
ともあれ、納品までまだ少しお時間いただきたく思います。

長沼


-----------------------------------------------------

自転車ショーについては、「自転車思想」でエノモトさんが
詳しく解説してくださっていますので、
そちらもごらんくださいね。

次回はちょっと時間を巻き戻して
長沼さんの「制作ルポ」をお届けする予定です。

2000-11-20-MON

BACK
戻る