これまでの微生物くん情報
(2006.10.04〜12.31)


2006.12.31 Sun

シャーレ、メスピペット、
ピペットチップ。
微生物くんを使う実験では、
どれも欠かせない道具です。
シャーレやメスピペットは、
今でこそプラスチック製で
使い捨てにしていますが、
学生の頃は、ガラス製のを、
使っては洗って滅菌して、
を繰り返していました。
そうなると
いろいろな名人が現われるもので、
シャーレの洗い方が
やたらと手早かったり、
新聞紙に包んで滅菌をかけるまでの
所作に隙がなかったり。
サイホンの原理で
ピペットをすすぐ装置を見て、
使い捨てのはずのピペットチップを洗って
すすぐ装置を自作してしまったり。
今では役に立ちそうもない技術の数々ですが、
少なくともその時点では、立派に
最先端(?)だったんじゃないでしょうか。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.30 Sat

伝染病学研究室に所属していたころ、
教授のお誕生日には
ガラスのシャーレを
滅菌するための乾熱滅菌機を使って、
お誕生コンパで食べる
大きなケーキを焼くのが習慣でした。
使うケーキ型も、滅菌箱です。
今まで疑問に思うことも
なかったのですが、オーブンとは
構造がまったく異なるあの機械で、
どうしてケーキを焼く気になったのか、
結構素晴らしいケーキを
上手に作った友人を尊敬します。

(読者の"まるご"さんからの微生物情報)




2006.12.29 Fri

微生物くんは、どこにでもいます。
検出されないのは、
条件があわないから。
そこで、なぜ検出されないのか、
どうすればどんな微生物が検出されるか、
それに悪さをさせないためにどうするか。
それらを考えるのが、微生物管理。
検出されないのはむしろ特別な状態なんだと、
認識することから始まるんですよね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.28 Thu

きのこも
微生物の仲間、
ということで思い出しました。
学生時代のことです。

先輩が
きのこの研究をしていたんですが
実験台からなにやらいいにおいが。
「なにやってんですか」ときくと
「今度の研究材料には
 この培地がいいらしい。
 その名もタマネギ醤油培地!
 タマネギと醤油を煮詰めて作る。
 きのこ専門誌に書いてあった」と‥‥。

(読者の
 "20年以上前の農学部卒"さんからの
 微生物情報)




2006.12.27 Wed

微生物くんの観察に
不可欠なのが顕微鏡。
同時に多人数で
画像を見られるようにと、
カメラつきのものが
よく見られるようになってきました。
ちょっと前までは、光学式が主流。
プリズムや鏡を使って、
接眼レンズ取り付け部分の光を分配。
受けた部分に、もうひとつの
接眼レンズをつけて眺めます。
1台の顕微鏡に、接眼レンズに
脚がついたようなのが3台も4台も、
管でつながっている様子は、
ちょっとした壮観ですよ。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.26 Tue

いろいろな微生物くんたちのうちで、
化粧品や医薬品から
絶対に検出されてはならないものを、
特定菌と呼んでいます。
これまでに、製品の中で増殖して、
人に危害を与えたことのある菌が
選定されているのだとのこと。
とある官庁では、
微生物が原因で起きた事故の情報を
徹底的に集めて、
原因菌を特定菌と認定すべく、
常に準備しているのだそうです。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.25 Mon

アメリカに出張したときに
微生物をかたちにした
ぬいぐるみを見つけました。
けっこう
たくさんのシリーズがあるみたいです。
うちには
フルー(インフルエンザ)くんがいます。
HIVウイルスくんには
エイズ撲滅キャンペーンリボンまで
つけています。

(読者の"あらぺん"さんからの微生物情報)




2006.12.24 Sun

微生物くんが血液の中で増えて、
体調が悪くなる病気があります。
名前は『菌血病』。
初めて知ったときは、
お金がなくなることを揶揄する
『金欠病』と混同して、不謹慎ですが、
思わず噴き出してしまいました。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.23 Sat

歯石なんて
くっついていても
痛くもなんともないから
取らなくてもいいや、などと
屁理屈をこねくり回し、
歯医者さんに行くのを
先延ばしにしていたのですが‥‥。

歯茎の中に入り込んで
炎症を起こす微生物くんは
酸素が少ない環境が大好き。
歯石は歯茎に蓋をして
酸素が入らない環境を作るので、
歯茎に炎症をつくる
困った微生物くんたちはその中で
思う存分活動できるそうです。

歯茎をぶよぶよにしたり
歯の根を溶かしたり
歯を支えている骨を溶かしたり。
そればかりではなく
口の中以外の場所へも移動して
暴れたりすることもあるとか。

たかが歯石。されど歯石。
微生物くんたちが大暴れする前に
早いところとってもらったほうが
よさそうです。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.12.22 Fri

大学での学生実習での話。
寒天培地を使って、
自由に実験していいと言われたので、
私は、3日間身につけていた
ピアスのキャッチを、
培地に塗りこんでみました。

‥‥翌日、たくさんの微生物が
コロニーを形成していました。。
ピアスをマメに
とりかえなくてはいけないと、
心から反省しました。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.12.21 Thu

地球の裏側の南米チリで
微生物くんの研究をしているものです。

チリは世界一の銅の生産国ですが、
そのうちの何パーセントかは
微生物くんによって
作られているって知ってました?

この技術を
バイオリーチングっていうのですが、
ここで使われる微生物くんは、
鉱石から
銅を溶かし出すことができるんです。
南アフリカあたりでは
金を作るのにも
微生物くんは使われているんですよ。

(読者の"納豆食いたい"さんからの微生物情報)




2006.12.20 Wed

忘年会シーズンですね。
まずは生ビールで乾杯、
という光景が
そこかしこで見られるのでしょう。
その生ビール。
日本では現在
加熱処理をしていないビールを
生ビールとしているそうです。
もちろん生ビールは
アルコール飲料であり
製造過程では微生物くんが活躍します。
そのまま何の処理もせずに出荷したら
微生物くんは発酵を続け
日数が経過すれば
ビールは元の風味とは異なるものに
なってしまいます。

安定した品質で商品を提供する
大手ビールメーカーでは
目の細かいフィルターを通して
微生物くんを取り除くそうです。
メーカーや製品によって
多少幅はあるのでしょうが
その目の細かさは実に
約3ミクロンだとか。
(1ミクロンは
 1メートルの100万分の1)
こうして加熱処理をせずに
微生物くんの影響を
取り除くことができるというわけです。

一方、地ビールの中には
加熱処理もフィルター処理もせず
微生物くんが残っているものも
あるそうです。
このようなビールは
残っている微生物くんのゴキゲンを
損ねないよう
注意深く扱う必要があります。
長旅をするのには向きません。
大手メーカーの製品のように
日本全国どこにいても楽しめる、と
いうわけにはいきません。
現地に行ってこそ楽しめる味です。

どちらのタイプも
ゆっくりと楽しみたいなぁ。
おいしいビールを飲めるように
やるべきことをきっちりと
片付けようと思います。

ビールを飲むと太ると言われますが、
それはビールのせいではなく、
つまみのせい。
これはビール工場見学の折に
毎回案内の人から説明されます。
ビールをたっぷり飲みたい人には
うれしい言葉かもしれません。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.12.19 Tue

人間がたくさん使っている
微生物くんには、酵母があります。
これはお酒やパンに使われています。

パンって
濃い味のついたものが
ほとんどないと思いませんか?
酵母はパンに入れた砂糖を消化して、
二酸化炭素とアルコールを作るのですが、
パンがふっくらしているのは、
小麦粉のあいだに、
ちいさな二酸化炭素の部屋を
たくさん作るからです。

この二酸化炭素の部屋の作りかたで、
ふっくらきめ細やかなパンや
ぱさぱさなパンや、
みっしりと詰まったパンなどの
個性が出るのです。

酵母は気難しくて、
塩味をつけようと塩を入れすぎると、
二酸化炭素を作らなくなります。
砂糖を入れると、
ある程度膨らみますけれど、
入れすぎるとやっぱり
二酸化炭素を作らなくなります。

ですから、
味付けパンは
ほとんど膨らましきったあとに
トッピングするか、
中に味のついた物を入れているものが
多いんです。
味はつけているけど甘いものだけ、
そんなものがほとんどですね。

パンを食べる前に、
ちょっと酵母に思いを馳せてみては?

(読者の"宇治茶漬"さんからの微生物情報)




2006.12.18 Mon

微生物くんを扱う実験室は、
外部の人には
ちょっとした恐怖ですよね。
「入ったら、
 微生物に感染しちゃうんじゃないか」
と。実際は、逆です。
扱っている微生物くんに
空気中にいる仲間が混ざらないように、
環境中の微粒子を、
できるかぎり少なくしています。
むしろ、
入ってくるヒト自体が汚染源なのです。
だから、理由がどうであろうと、
ヒトがむやみに
立ち入りたがらないというのは、
部屋の管理をする側にとっては
何より好都合なわけです。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.17 Sun

中学時代に
科学部に入ってました。
いま思えば
簡単極まりない
フツーの寒天培地を使ってましたが
ある日、その培地で
納豆を一粒培養したところ、
見事に、寒天納豆ができました。
さすがに
食べる勇気はなかったです。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.12.16 Sat

大学での実習でのできごとです。

うすピンク色の培地をつくり、
ラベルされてない菌を培養して、
できあがったコロニーの性質から、
どの菌だか当てる、
っていうことをしてました。

分担して、みんな、
せっせとつくっていたのですが、
ある友達が、培地の前で‥‥。

「ぶえっくしょん!」

数日後、
わさわさと、判別不可能なほど、
いろんなコロニーができてました。

くしゃみの中にも、
いろんなのがいっぱいいます。
もちろん追実習でした‥‥。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.12.15 Fri

アフリカで、
かかった人の二割が
失明してしまう風土病があります。
その病気を予防する
薬のもとをつくる微生物くんは、
伊豆のゴルフ場で発見されました。
身近なところに
すごい微生物くんがいるんだ、
と感動したこの話は
北里大学薬学部の
「薬学概論」という講義でききました。

(読者の"S1R0kuma"さんからの微生物情報)




2006.12.14 Thu

大学4年生で
卒業研究に微生物の研究をしています。
よく栄養ドリンクなどに含まれている
『冬虫夏草』は、
昆虫に寄生する微生物くんですよね。
私の研究室では、
冬虫夏草菌を培養したい時に使う培地には
海釣り用の『冷凍活き蚕』を
パウダー状にした蚕パウダーを入れます。
研究室に入ったばかりの時は、
蚕をカッターで切って、
乾燥させて、ミキサーにかけて、
という作業が耐えがたいものでした。
しかし、1年近く経過した現在では
特に違和感を感じなくなっていました。
慣れというものは恐ろしいですね‥‥。

(読者の"ネガティブマン"さんからの
 微生物情報)




2006.12.13 Wed

私はボツラティス属の
灰色カビを研究に使っています。

このあいだ、
灰色カビを果物に接種したはずが、
次の日に実験室に行ったら
ライゾポス属の
くものすカビが生えていました。

なんでも
「私がお昼に食べた
 サンドイッチのパンに
 胞子がついていたからだ」
とラボのみんなに言われました。
実験はやりなおせば済みますが、
そんな胞子付きのパンを
食べていたことが
ちょっとショックでした。
3日前に買ったパンだったのに‥‥。

(読者の"りんご"さんからの微生物情報)




2006.12.12 Tue

微生物くんの
研究をするところには
『オートクレーブ』があります。
培地などを
高温高圧で滅菌するための
大きな圧力釜のような装置です。

大学のセンパイ方は
研究用の植物園で
こっそり集めた栗を
研究室のオートクレーブにかけて
夜食に食べていたらしいです。
とてもおいしかったらしいです。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.12.11 Mon

微生物くんが登場する
有名ななぞなぞ。

1分ごとに
1個が2個に増える微生物がいます。
あるときその微生物が
1個から増え始めて、
夜中の12時ちょうどに、
容器いっぱいになりました。
容器の半分の量だったのは、
何時何分でしょうか?

答えは、11時59分。
最初からの流れは置いといて、
12時から逆算すれば
いいことになりますよね。

実際の培養では、
分裂の周期は
1個1個で微妙に違ってくるので、
計算どおりになるとは、
ちょっと考えづらいんですが。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.12.10 Sun

人の皮膚の表面には
黄色ブドウ球菌という菌がいて、
それらの排泄物によって
(人で言うとうんこですね)
皮膚は守られているらしいです。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.12.09 Sat

白金耳、白金鉤、白金線。
微生物くんを扱う実験には、
欠かせない道具です。
本当に白金でできたのもありますが、
普通に使われるのはニクロム線。
そんなに高いものではありませんが、
出来合いに満足できない場合は、
自分で作ったりもします。
慣れた手にかかると、1本ほんの数十秒。
大学の教授クラスの人が、
器用に作るのを目にすると、
この人のいうことなら信じられるかな、
なんて思ったりすることも。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.08 Fri

医薬品や化粧品の
微生物検査で見つかる
微生物くんは、
種類によって、
どんなところから紛れ込んだか、
大体見当がつくそうです。
球菌なら皮膚などの体表面、
胞子を作る細菌なら大気中、
大腸菌など腸内細菌なら排泄物、
それ以外の桿菌なら汚水から、
などなど。
でもそのことを表ざたにすると、
そこだと決めつけて、
犯人探しのネタにされたり
することもあるので、
他に比べると、
こういうところにわりと多いですよ、
という程度に
表現を抑えているとのことでした。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.07 Thu

きのこも微生物くんの仲間。
おいしいものもありますが、
毒を持つものが多いことも
ご存知のとおり。
テングタケやツキヨタケ、
イッポンシメジなどの毒は、
食べるとまもなく
中毒症状が現われますが、
ヒトヨタケの毒成分は、
ちょっと厄介です。

それ自体では
毒性はありませんが、
アルコールと一緒に入ると、
アルコールが分解してできる
アルデヒドが
さらに分解されるのを阻害。
つまり、強制的に二日酔いに
させてしまうことになります。
見慣れないきのこで
ちょいと一杯は、
こういう点からも、
気をつけたほうが
いいかもしれませんね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.06 Wed

お酒は、例外なしに、
微生物くんの活躍の賜物。
味や香りが
千差万別なのは、
主に、原料や作り方の
ちがいによるものです。
糖分からアルコールを
作る反応はみんな同じ。
どんな糖分を、
どのように与えてやるか。
そして、できたものをどうするか。
ヒトと微生物くんとの
歴史ある協業には、まだまだ、
工夫の入り込む余地がありそうです。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.05 Tue

微生物くんの化石は
微化石と呼ばれ、
確認されているものだけでも
4千種〜5千種あるそうです。
一匹数ミリの微生物くんが
化石となって、
岩石の中に残っているんです。
しぶといですね‥‥。
研究した人もすごいですが。

(読者の"中学生物部員"さんからの
 微生物情報)




2006.12.04 Mon

微生物くんを増やすための
シャーレと呼ばれるお皿には、
培地という名の栄養源が、
寒天で固められて入っています。
寒天を使うのは、
微生物に対して安定なため。
それでもときどき猛者がいて、
培地だけでなく
寒天も栄養にしてしまいます。
いろんな試料をシャーレにまいて、
出てきた微生物を
分離しようとしている時に、
そんなのがいたりすると大変。
分離どころか、
シャーレ全体がドロドロです。
未知の試料から
微生物を分離するときなどの、
最大級の鬼門なんだそうです。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.03 Sun

微生物くんの運動は、
たいていは
「鞭毛」を使ったものです。
1本や2本だったら
動きも単純でわかりやすいんですが、
中には全体に生えている、
なんてのもいます。
そういうのの動きはかなり複雑。
ちょっと見ると、
微粒子のブラウン運動と
見分けがつかなかったりします。
そんなときの見分け方のひとつが、
プレパラート、
つまり観察用の標本で、
微生物くんのいる部分に、
トルエンを
たらしてやることだそうです。
運動が鎮まれば鞭毛の作用。
変わらなければブラウン運動。
‥‥してみると微生物くんも、
人間と同じで麻酔にかかるんですね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.12.02 Sat

ワインづくりには
微生物くんが活躍します。
代表的な微生物くんは酵母ですが
じつは、乳酸菌も活躍しています。

酵母はブドウに含まれる
糖分をもとにして
アルコール発酵を行ないます。
乳酸菌はブドウに含まれる
リンゴ酸をもとにして
マロラクティック発酵を行ないます。

リンゴ酸はとてもすっぱいのですが
乳酸菌はこのリンゴ酸を
もう少しマイルドな酸味の乳酸と
炭酸ガスにします。
発酵途中にも香りや味のもとになる
いろいろな副産物をつくります。

微生物くんたちが
それぞれの持ち味を発揮して
複雑なワインの風味がうまれます。
微生物くんにも乾杯、ですね。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.12.01 Fri

甘いものを
食べたあとは、虫歯が心配。
虫歯も、
微生物くんの仕業です。
そこで考え出された
甘味料のひとつが、パラチノース。
虫歯の菌が採りこんでも、
歯垢を作りにくいとされています。
また、キシリトールは
糖アルコール。
構造が根本的に違います。
さらにアスパルテームとなると、
アミノ酸からできているので、
そもそも糖分を含んでいません。
甘いものを食べても、
虫歯菌は活動させない。
人間って、いろいろ考えるんですね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.30 Thu

微生物くんを使った
実験の基本のひとつが、
「最初と最後は必ず無菌に」
ということ。そのために、
一般には121度20分の加熱が、
条件として利用されています。

高圧の蒸気で
高温を作り出す機械が、
高圧蒸気滅菌器、
通称オートクレーブ。
あるときその機械の
調子が悪くて嘆いていると、
聞きつけたひとりが、
わけ知り顔でひとこと。
「100度のお湯に入れときゃいいじゃん。
 時間を2割ちょっと延ばして」
こいつ、ほんとに化学屋か、
という疑問と同時に、微生物管理が
市民権を得るのはまだ遠いなと、
大きく嘆きました。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.29 Wed

微生物くんたちは
アルコールをあまり好みません。
お酒を作る時に活躍する酵母は
比較的アルコールに強いけれど
それでも発酵が進むと
自分たちがつくったアルコールで
ダウンしてしまいます。
アルコール濃度が
7〜8パーセント位になると
仲間を増やすことが難しくなり
15パーセント位になると
発酵を続けることも難しくなるとか。
一番アルコールに強い
日本酒を作る時に活躍する酵母でも
アルコール濃度
20パーセント位が限度だそうです。

アルコール濃度が
19〜20パーセントぐらいの
日本酒の原酒を
いただいたことがありますが
口当たりのよさに
くぃっと杯をかたむけたら
あとから
ふわぁっと酔いがまわってきました。
ついつい杯をかさねてしまうような
軽い口当たりだったのですけどね。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.11.28 Tue

地球の磁場を感じて移動する
「走磁性細菌」
という細菌がいるそうです。
北半球では北へ、
南半球では南へと移動するとか。
川の泥水の中なんかに、
ふつうにいるらしいです。
伝書鳩や鮭などは、
体の中に磁場を感じられる
細胞やセンサーがあるそうですが
細菌にもそんなヤツらがいるとは!
姿はよく知らないのですが、
彼らが磁石みたいに
つながったところを想像してみると
ちょっとカワイイ感じがします。

(読者の"お布施の心"さんからの微生物情報)




2006.11.27 Mon

微生物くんの
培養をする場合、
その目的に応じて
必要な栄養素などを
培地に添加して培養します。

最近では、はじめから
調製されたものが
あるようですが、
学生の実習の場合は
自分たちで調製します。
ある日の材料には生卵があり、
それをていねいに
イソジンとアルコールで
消毒していたこともありました。

他にも
スキムミルクや
ジャガイモ、
肝臓のエキスや、血清、塩など、
さまざまなものが添加されています。
pHの変化を見るための指示薬や、
余分なものが発育しないように
色素を加えてあったりするので
培地は種類が多く、
とてもカラフルなのです。

(読者の"じぇりぃ"さんからの微生物情報)




2006.11.26 Sun

そろそろ大掃除の季節。
あたたかい家の中でぬくぬくしている
微生物くんたちにとっては
受難の季節かもしれません。

微生物くんをやっつけることを
示す言葉には
「殺菌」「滅菌」「消毒」
などがあります。
どれも同じように見えますが
日本薬局方では
(※薬局方は公定書で、法律ではない)
しっかり区別されています。

殺菌とはその名のとおり
微生物くんを殺してしまうこと。
滅菌とは物質の中の微生物くんを
殺して減らしたり取り除いたりすること。
消毒とは特定の微生物くん
(人にとって有害なものなど)
に的を絞って
その微生物くんを殺して減らすこと。

消毒しても
そこからすべての微生物くんが
いなくなってしまうわけでは
ないようです。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.11.25 Sat

そろそろ風邪本番の季節です。
「今年の風邪は
 おなかにくるらしいね」
「風邪の菌が
 おなかに入っちゃって」
などとよく言いますが。
実際には、
おなかの風邪というものは
ノロウイルスの感染症が多いのだそうです。

感染予防には、うがいと手洗い。
食べものはよく加熱して食べること。

つまり、
忘年会でのかけつけ3杯や
生煮えの鍋を
焦ってつつくような行為は
避けましょうね、と。

(読者の"ハナミズキ"さんからの微生物情報)




2006.11.24 Fri

苺をはじめとして
200種類以上もの植物に
感染することができる
灰色カビという
農業にとっては天敵の
カビくんがいます。
ただ、貴腐ワインを
作ってくれるカビでもあり、
人間に貢献もしてくれます。

(読者の"りんご"さんからの微生物情報)




2006.11.23 Thu

人の大腸のなかには
1.0kg から 1.5kg の
微生物が住んでいるらしい。
数に直すと100兆個で
人の細胞の2倍くらいになります。
そこから出る
ウンチの重さの40%は微生物で、
ウンチ1gの中に0.4g、
数に直すと4000億個‥‥。
想像のつかない数字ばっかりです。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.11.22 Wed

微生物関係の
仕事をしているので
この連載がとても気になります。
私が、ふだん
ふつうに思うことも
けっこう載っていますね。

病気の原因を知るため、
患者さんの検体を培養すると、
ほんとうに
いろいろな菌が生えてきます。
菌からは、たいてい、
変なにおいがします。

でも
カンジダ属の
カビが生えた時は、
パン生地のにおいがして、
コロニーも、まっしろで、
ちょっと愛着がわきます。
フラボバクテリウム、
という菌が生えると、
メロンのかおりがします。
最初はすごく驚きました。

(読者の"ぱんだ"さんからの微生物情報)




2006.11.21 Tue

納豆菌の仲間に、
バチルス・ステアロサーモフィラス、
というのがいます。
高温に強い納豆菌の仲間のうちでも、
こいつは特にすごいです。
だから、
熱で微生物をやっつける機械の
性能表示には、
こいつをどれだけやっつけられるかが、
指標として使われます。
ある意味勲章なのですが、
実験室などで大きな顔をされるのは、
ごめんこうむりたいですね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.20 Mon

微生物くんの研究をする時には
培地と呼ばれるものを用意します。
微生物くんが育つのに必要な
栄養分などを溶かした液体を、
純度の高い寒天で固めたものが
よく使われます。

その培地のひとつに
チョコレート培地があります。
とても甘くて美味しそうな
名前の培地ですが、
虫歯をおこす微生物くん用培地、
ではありません。

チョコレート培地には
チョコレートではなく
ウマやヒツジの血液が
含まれています。
血液を加えて加熱するため
培地の色がチョコレートのような
褐色になるということで
このような名前になったようです。
主に医学分野で使用されています。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.11.19 Sun

ちょっと前にヨーロッパで描かれた、
「ワインの病原微生物」という図録。
開いてまず目に飛びこんでくるのが、
ボトリチス・シネレアというカビ。
ぶどうの房が無残にも、
灰色の毛のようなもので覆われて、
しわしわになっている絵が
添えられていました。

もしこんなのから
ワイン造ろうとなんて考えたとしたら、
無謀としか言いようがない状態。
ところが実際に造ってみると、
できたのはとびきり甘口の極上ワイン。
そこでこのカビが繁殖した状態が、
こう呼ばれるようになりました。
「貴腐」。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.18 Sat

微生物くんは、
いろいろなものを作り出します。
なかでも抗生物質は、
カビと放線菌の得意技。
研究している人もいっぱいいます。

友人が大学院で
カビの代謝産物を研究していて、
自分で精製した物質をネズミに与えたら、
あろうことかそのネズミは、
発情してしまったんだそうです。
しばらくたって
その彼が結婚するとの話を聞いて、
友人たちの間で、
まことしやかにささやかれたウワサは。
「あいつ、一服盛りやがったな。
 研究材料で」

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.17 Fri

ドイツで
化石として発掘された
ある微生物くんは
きちんと消毒したのち、
培養液につけておいたところ
化石のはずの微生物くんが、
生きかえって増えだしたのです。
おそらく、
冬眠状態で化石になったまま、
チャンスをうかがっていたのではないか、
と言われています。

(読者の"たまふろ"さんからの微生物情報)




2006.11.16 Thu

鼻水が黄色いのは
黄色ブドウ球菌の色。
緑色っぽいと
緑膿菌という菌の色の由来です。

(読者の"ハナミズキ"さんからの微生物情報)




2006.11.15 Wed

パスツールにより
1870年に確立されたのが低温殺菌法。
60℃前後に
一定時間保持することで
微生物を死滅させるもので、
ワインがすっぱくなるのを
防ぐために使われました。

ところが日本では、
清酒の劣化防止のために、
「火入れ」という名で、
ほとんど同じ条件の方法が
1500年代中ごろには
すでに採り入れられていたそうです。
パスツールの、ざっと300年以上も前!

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.14 Tue

薬と食べもの。
クチから入るものであることは
おなじですが、
微生物くんによる
悪さを防ぐ考えかたは
かなりちがいます。
薬は、薬事法に規定されて
薬の使用期限は
物理的、化学的な変化が
勘案されているので、過ぎたものは、
時として命にかかわります。

食べものは食品衛生法。
食べものの賞味期間は、
この日までなら
変質が最小限ですむので、
あとは自己責任で、というもの。
過ぎたらすぐ捨てなさい、
なんてどこにも規定されていません。
その辺が混同されることもしばしばです。
それぞれの特徴を知って、
賢く付き合いたいですね。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.13 Mon

医薬品や
化粧品の中にいる微生物くん。
種類によって、
一定数までならいてもいいものと、
1個も検出されては
いけないものとがあります。
大腸菌は、
検出されたらそれだけでアウト。
つい先日まで、大腸菌群と呼ばれる、
周辺の菌も含めてアウトだったんですが、
今は大腸菌そのものだけが
禁止対象になっています。
それだけだと、
基準が緩和されたみたいですが、
調べるほうにしてみれば、
それが大腸菌かどうか
証明する手間が増えたわけで。
緩和なのかなんなのか、
よくわからない改定でした。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.12 Sun

自然界最強の接着剤は
どこにでもいる
水中の細菌が作る多糖類成分で、
市販の強力接着剤の3倍!
それは1インチ平方あたり
5トンでひっぱる力に
耐えるのだそうです。
細菌の名前は
カウロバクタークレシェンタス、
といいます。

(読者の"ジン"さんからの微生物情報)




2006.11.11 Sat

ふだん、ゾウリムシは
この欄にも紹介されていた
「べん毛スクリュー」で、
シャー!!っと
軽やかに動きまわっていますが、
そこにバリウムを少し入れると、
スクリューが逆回転しちゃうので、
おっとっと、おっとっと、
というような動きになってしまいます。
これを「バリウムダンス」といいます。
昔やった学生実験は
あまりおぼえてないけれど、
これだけは、変な動きと
かわいいネーミングで
印象深くおぼえています。

(読者の"あいのすけ"さんからの微生物情報)




2006.11.10 Fri

牡蠣が美味しい季節。
牡蠣には生食用と加熱用があります。
この分類は
鮮度のちがいによるものではなく、
牡蠣の中に蓄積されていて
ヒトの体に入ると悪さをする
微生物くんに対する処理などの
違いによるものだそうです。

生食用の牡蠣は加熱用の牡蠣に比べて
微生物くんの数が少ないのですが
だからといって加熱用の牡蠣の品質が
生食用のものに劣るわけではありません。
カキフライやカキ鍋など
火を通して食べるものなら
加熱用の牡蠣の方が
こっくりした風味を楽しめるそうです。
ちなみに、牡蠣の中に蓄積されている、
ヒトの体に入ると悪さをする
微生物くんたちの多くは、
85℃で1分間加熱すると
死滅するそうです。

フランスパンを
スライスしてバターを塗り
牡蠣のむきみをのせて
マヨネーズをひとしぼり。
それをオーブントースターで、
マヨネーズに焦げ目がつくくらい
こんがりと‥‥むっちゃおいしいです。
パンはライ麦パンでもオッケー。
ふわふわ食パンよりも
ハードタイプのパンのほうが
牡蠣には合うようです。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.11.09 Thu

「ゲノム」とは、
生物それぞれの遺伝子ひとそろい。
これ以上ちいさいと、
生物として成り立たないだろう、
といわれた、その大きさよりも
ずっとちいさくても
ちゃんと成り立っている生物が
見つかったのだそうです。
木につくダニに寄生していた
微生物くんの一種で、
寄生するほうもされるほうも、
おたがいになくては生きられないとか‥‥。
寄生した相手に、自分を
必要不可欠のものにしてしまう、
微生物くん、恐るべし。

(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.11.08 Wed

微生物くんには
きれいな色素をつくるものもいます。
モナスカス属の微生物くんたち
(紅麹ともよばれます)は
赤い色素をつくりますが、この色素は
天然色素として
ハム・ソーセージや
練りもの、たれ、菓子など
じつに多くの食品に使用されています。
甘酸っぱくて、淡い色あいの美しい
パインアメにも使用されています。
パインアメは、息の長い商品ですね。
クチにすると、ホッとする食べものです。

(読者の"ぬばたまの"さんからの微生物情報)




2006.11.07 Tue

納豆菌情報です。
私が大学で
ボツリヌス菌の研究をしていたとき、
あの脅威である
食中毒菌のボツリヌス菌が
納豆菌により死滅させられてました‥‥。
納豆菌は食中毒菌より強いのですね。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.11.06 Mon

農業高校の
食品化学科という科に
通っていたのですが、
応用微生物という科目があり、
微生物や菌を培養したりする
授業だったため、
授業の3日前から納豆禁止でした。

誰かが食べてくると、
その周辺で
実験していた人たちのシャーレに
見事に納豆菌が繁殖していて、
「誰だ、納豆食ってきたヤツ!」
と、非難ごうごうでした。

1年のときは
週に1回の授業でしたが、
2年になると週2回、
3年になると週3回あったので、
納豆を食べてもよい日がなくなり、
そのうちに
苦手な食べものに
なってしまったのでした。

(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.11.05 Sun

トマトに農薬のかわりに
納豆菌を吹きかけると、
納豆菌が表面を
びっちり覆ってくれるので、
他の病原体がくっつけなくなり、
元気に育ちます。
もちろん人間が食べても害がなく、
畑から取ってそのまま食べられます。
実際におこなわれている農法です。

(読者の"納豆菌強し"さんからの微生物情報)




2006.11.04 Sat

クチの中には
とてつもない数の
微生物くんがいるけど、
悪いことをするやつは
唾液が退治してくれているのだ、
と、以前、専門家に聴きました。

ただし、寝ているあいだは、
唾液の分泌量が極端に落ちるので、
ひと晩でクチの中の微生物くんは
「今だっ!」
とばかり増えるのだそうです。
つまり、朝、目ざめたばかりの口の中は、
増加した微生物くんで
とんでもないことになっていると
専門家のかたがおっしゃっていました。

朝日の中で枕を並べて仲良く目覚め、
「おはよう」
「チュッ」なんてのは、
かなり愛情と勇気がなせる行為なのですね。

(読者の"お布施の心"さんからの微生物情報)




2006.11.03 Fri

多くの微生物くんの
体表の「べん毛」は
くるくる回転しています。
モーターの軸みたいなのがあって
べん毛をスクリューみたいにして
進んでいるようです。

(読者の"たなか♪みなみ"さんからの
 微生物情報)




2006.11.02 Thu

私の知りあいに、
食べものを落としても、
3秒以内に食べれば平気、
というルールを
実際に調べた人がいて、
彼は、落とした食べものを
落とした時間別に
培養してみたそうです。

結果は‥‥
落としたところからの菌よりも、
手から移った菌のほうが
大量に培養されたそうで、
食事の前には手を洗いましょう、
ということのようです。

(読者の"サイダーン船長"さんからの
 微生物情報)




2006.11.01 Wed

「キスは、何億もの数の
 微生物くんを交換しあう行為」
という話を読んでいて、
中学生のころ、はじめて
男の子とつきあうことになったとき、
うれしくて母親に
「両想いだったんだよ」と言ったら、
「キスはしちゃダメよ。
 虫歯が、うつるから」
と言われたことを、思いだしました。
あれも、たしかに、
ミュータンス菌ではあるけども‥‥。
想像していたレスポンス
(「おめでとう」「よかったね」)
とちがったので、
びっくりしたもんでした。

(読者の"許"さんからの微生物情報)




2006.10.31 Tue

微生物くんは、35億年前から生きている。




2006.10.30 Mon

刑事ドラマに出てくる
「DNA鑑定」でも、
人類は、微生物くんに
お世話になっています。

少量のDNAを
たくさん増やす酵素は、
熱いところに住んでいる
微生物くんが持ってるやつですし、
DNAを切断する酵素も
微生物くんが持っている‥‥
そのために、刑事さんも、
犯人が誰か分かるわけです。

微生物くんたちがいないと、
事件もなかなか解決しないのかも?
(読者の"匿名希望"さんの微生物情報)




2006.10.29 Sun

友人が、
豆乳を作っている会社に勤めていて、
工場に入る人は納豆禁止だそうです。
強いぞ納豆菌。
(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.10.28 Sat

シロアリは木を食べるけど、
じつは
シロアリの腸の中の微生物が
木の成分を分解して酢酸をつくり、
その酢酸を
シロアリは栄養源としています。
だからシロアリは、すこし
すっぱいにおいがするそうです。
(読者の"うさこ"さんの微生物情報)




2006.10.27 Fri

太陽の光が届かない深海、
それも
300℃の熱水がふきだすあたり‥‥。
おまけに
人間にとっては猛毒の
硫化水素がたっぷり。
こんな環境で生きる生物がいる。
その生物の体のなかには
ちゃんと微生物くんがいて
硫化水素をもとに
有機物を作りだして生きている。
(読者の"ぬばたまの"さんの微生物情報)




2006.10.26 Thu

ひとりの人間の
細胞の数(約60兆個)よりも、
ひとりの人間のなかに棲む
(腸内とか皮膚上とか口の中とか)
微生物の数のほうが、多いらしい。
(読者の"うさこ"さんの微生物情報)




2006.10.25 Wed

納豆菌とその仲間たちが
ハンパじゃなくて強いのは、
「胞子」を作って、
中で身を守るから、です。

この胞子ってヤツは、
普通の細胞みたいに
分裂してふえることはできないけど、
守りに関してはめっちゃんこ得意。

伝統的な納豆作りでは、
わらづとを煮立ったお湯にくぐらせてから、
ゆでておいた大豆を巻きこんで、
人肌くらいに保っておきます。
そうやって、数日間で出来上がり。

たいていの菌が
死滅してしまう熱湯の中でも、
納豆菌だけはちゃんと生きてて、
栄養分、ここでは大豆が与えられると、
しっかり活動を開始するんですよね。
パック入りの納豆では、
人工的に菌を植えつけていますが、
そこでも使われるのは、
乾燥させた胞子だそうですよ。
こうして考えてると、
いつもの納豆も
ひと味ちがうようになる‥‥かな。
(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.10.24 Tue

ミトコンドリアは、
昔、生物の細胞内に
間借りしていた微生物が、
いつのまにか、
その一部分として
定着してしまったのだとか。
今でも、大家さんのDNAと別に
独自のDNAを持ったまま、
間借りをつづけている。

昔は生きものにとって
「毒」だった酸素から、
生きものがエネルギーを
得られるようになったのは、
こいつのおかげ、だとか。
(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.10.23 Mon

微生物くんの仲間には、
「ブルセラ」という名前のものがいます。
(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.10.22 Sun

ジーンズの色、インディゴ・ブルーの中には、
大腸菌の力を借りて染色しているモノもある。
(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.10.21 Sat

酵母は、乳酸菌に守られて発酵します。
乳酸菌がいなければお酒になりません。
いいお酒は、
やはり赤ちゃんのにおいがします。
(読者の"たぬき"さんからの微生物情報)




2006.10.20 Fri

腸内細菌が持つ酵素は、
人の肝臓の持つ酵素よりも多く、
微生物くんなしでは、
人間の体は代謝がうまくいかない。




2006.10.19 Thu

妹は農学部卒で、
やっぱり研究室では
納豆がご法度だったそうです。
実験の日
納豆を食べた人は入室禁止‥‥。
うっかり実験室にはいって
ひとこと、ふたこと、
話しただけでも
他の菌を押しわけて
大繁殖するそうです。
そんなわけで、納豆菌に
異常に過敏になった妹‥‥。
わが家で
自家製ヨーグルトが流行った時
もちろん冷蔵庫に
納豆の居場所はありませんでした。
いい仕事、しているんですけどね。
(読者の"KONO"さんからの微生物情報)




2006.10.18 Wed

酸素も、オゾン層も、
シアノバクテリアという
微生物くんがいなければ、
できていなかった。




2006.10.17 Tue

私も大学で
環境を学んでいますが、
微生物はなにより
地球環境を作った張本人だから
とてもおもしろい、と思います。

見えないから、人間たちは
あんまり気にも留めないけれども、
空気を作るのも、
ものが大地に還って行くのも、
微生物のお陰であるんですよね。
(読者の"匿名希望"さんからの微生物情報)




2006.10.16 Mon

冷蔵庫の中でも
増殖できる微生物くんも、存在する。




2006.10.15 Sun

グリーンイグアナの赤ちゃんは、
生まれてすぐに、
胃の中で葉っぱを分解する
微生物を得るために、
大人のイグアナのフンを食べる。
(読者の"ひとまま"さんからの微生物情報)




2006.10.14 Sat

微生物くんは
「人間が測定方法を持たないので
 観測できていないまま」
であることのほうが、多い。
「地球の10%の微生物しか
 わかっていない」と言う学者もいる。




2006.10.13 Fri

地球上の
おおよそすべての有機物は、
最終的に二酸化炭素と水、
その他に分解されて、
空中や水中に拡散されていきます。
その役割を
担っているのが微生物くん。
もし彼らがいなかったら、
地球上は今ごろ、ごみだらけ。
もっとも、生物が栄養を
吸収するためにも活躍していますから、
微生物くんなくして、
およそ生き物たるものが、
命をつないでいくこと自体
無理があるんですが。
(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.10.12 Thu

醤油、味噌、泡盛を発酵させる
微生物くんは、カビの一種である。
(カビは、7〜8万種類いると言われている)




2006.10.11 Wed

朝の食卓。
かつおだしの味噌汁に
納豆、海苔、醤油、そして漬物。
ウーロン茶飲んで、デザートにヨーグルト。
微生物くんが直接かかわっていないといえば、
ご飯と、味噌汁の実ぐらいのものでしょうか。
おいしい微生物くんたちです。
(読者の"紙一重"さんからの微生物情報)




2006.10.10 Tue

月面の調査カメラを回収したときに、
コッカスミチスという乳酸菌の一種がいた。
この微生物くんは、地球から月面に運ばれ、
紫外線や宇宙放射線を浴びながら
2年半ほど、生きていたものとされている。




2006.10.09 Mon

トイレでおしりを拭くときには
紙を10枚以上かさねなければ、
大腸菌などの微生物くんが手につく、
という実験もあった。
(つまり、ほとんどの場合には、
 微生物くんが手についてしまう‥‥
 ただ、多少の量では、
 人間に害とはかぎらない)




2006.10.08 Sun

微生物くんには、
冷凍しても「休眠」するだけで死なず、
温度を戻せば増殖しはじめるものもいる。




2006.10.07 Sat

赤ちゃんは、
乳酸菌で守られているから、
あちこちナメても病気にかかりにくい。
赤ちゃんの「乳くささ」は、
乳酸菌のにおいでもある。




2006.10.06 Fri

微生物くんの中には、
計算上は、
24時間で72回も世代交代するものもいる。




2006.10.05 Thu

納豆菌は強力で、簡単には死なない。

そのためにできた、
日本酒づくりに携わる人々のルール。

「納豆菌に酒の酵母を
 殺されてしまうといけないので、
 酵母をしこむ期間は、
 決して納豆を食べてはいけない」

もしも食べてしまった場合は
頭髪も含めて熱々の湯船に潜りこんで
体に微量についた納豆菌を殺すという‥‥。
(読者の"菅原さん"による微生物情報)




2006.10.04 Wed

人のクチの中には、
100億ほどの数の「微生物くん」がいる。
(唾液1ミリリットルあたり1000万匹)

つまり、キスは、何億もの数の
「微生物くん」たちを、交換しあう行為?
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2007.01.01〜02.28
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