糸井重里が、去年1年のあいだに
ほぼ日刊イトイ新聞に書いた原稿のなかから
心に残ることばを集めた本。
その1冊目が去年発売された
『小さいことばを歌う場所』でした。
そして最新刊が来週2月22日に発売される
『思い出したら、思い出になった。』です。

最新刊の発売のまえに、
みなさまからたくさん寄せられている
「私の小さいことば」をご紹介いたしますね。
これは『小さいことばを歌う場所』のなかから
みなさまのお気に入りのことばを
選んでもらったものです。

『思い出したら、思い出になった。』の発売の前に
『小さいことばを歌う場所』を
読み返してくださる方も多いみたいです。




「誰かがよろこんでくれる、ということがなかったら、
 なにがたのしいだろう。
 (中略)
 誰かがよろこんでくれる、ということがなかったら、
 ほんとうにうれしいことなど、なにもない。」
(208〜209ページより)

ちょうど、10年を共に暮らした人と別れたときでした。
そのひとと、ときには悲しいこともあったけれど、
笑いながら楽しく暮らしていたことを思い出し、
ひとりになったことを、かみしめました。
けれど、ふと気づけば、
周りにはやさしく包んでくれる友人たち。
そのひとたちと共によろこぼう、と思った一遍です。
(もー)


『小さいことばを歌う場所』を購入して読んでから
本箱にしまったり、出してまた読んだりを繰り返しています。
私がいちばん好きな小さいことばは
「あらゆるこんがらがった糸というのは‥‥」のことばです。
(19ページより)
これを読んだとき、なんだかじんわりとした衝撃があって
まさにそのとおりだ、と思ったり、
勝手に私のことわかってくれてる人がいる、と思ったり、
ほどくことをはじめたいけれどどうしたらいいんだろう、とか
すごくたくさん考えたことばでした。
とてもたいせつなことばです。
(25歳 女)


「勝ちながら学べないのが、負けについてのことです。
 そして同時に、負けながら学べないのも、
 負けについてのことかもしれません。
 負け、失敗などのネガティブなことについて、
 静か落ち着いて考えられる人が、
 本当の強さを持った人なんでしょうね。」
(49ページより)

このページに栞を挟んだままにしてあります。
本を開くと必ずこのページから読み始めます。
今、私は子供たちに空手道を教えていて
「強くなりたい」という思いに答え、
子ども達に「人間として生きる強さ」を
教えたいと日々奮闘しています。
格闘技と言う特色ゆえに「俺、空手ならってるんだぞ」と
表面的な強さをひけらかすのではなく、
日々の練習や試合を通して「本当の強さ」というものを
身につけて欲しいと思います。
もちろん、自分自身もありのままの自分を見つめ
奢らずあせらず静かに考えられるような
人でありたいと修行中です。
(熊本県 ちびチョップ)


「『健康で元気で、無理をせずに、しかも懸命に歩む』
 こういう仲間が、いちばん頼りになるものです。」
(38ページより)

21歳学生です。
あと何日かすれば22歳です。
来年度からは大学院へ進学します。
学生のころくらいは多少無理して頑張ってもいいか、
なんて思ってますが、いつか
「健康で元気で、無理をせずに、しかも懸命に歩む」
やつになりたいと思ってます。
(かず)


ずばり、
『スゴイ人よ、スゴクナイ人よ』が一番好きです。
(112〜113ページより)
仕事面で天狗になりかけていた時期に、これを
読んだのだと思います。
「胸に突き刺さる」とは、こういうことなのだと
体感しました。
(かよ)

心に残ることばたちを集めた第2弾
『思い出したら、思い出になった。』販売決定、
ありがとうございます。
手元に届くのを楽しみにしています。
『小さいことばを歌う場所』で、私が一番好きなことばは、
「自分でわかる」(106〜107ページより)です。
人を支え育てる、教育というものを
一生の仕事にしていこうと考えているので、
「人に教えてもらっても、
 しみじみ納得はできないことも、
 『自分でわかった』場合には、
 ほんとうに大事な法則として使えるものになるんだよな。
 いま、ぼくは『歩くのは健康にいい』ということを、
 『自分でわかった』つもりになって、
 しみじみ感動している。」
という一節を読んで、大きく頷きました。
子どもの知識や興味に合わせて課題を示し、
それを理解し解決するヒントを与えて、
子どもが「自分でわかった」経験を増やしていきたいと思います。
‥‥と、こんなマジメそうなことを書いていますが、
次点で好きなのは
「王様の耳はパンの耳」(96ページ)です。
(マユキチ)


私の好きな「小さいことば」は、
「風がつよかったんだよねぇ。川が流れてたんだよねぇ。
 いっぱい走ったんだよねぇ。たのしかったよねー。」
です。
(248〜249ページより)

ときどき、ふと思い出すのがこれなんです。
「もう、それだけでいいじゃん!」って、
ニコニコしながら言いたくて、
でも、ほんのちょっぴり切ない感じもして、
そんなところがいいなぁ、って思います。
最後に載っていたからっていうのもあると思うんですけれど、
ブイヨンの写真といっしょに、一番印象に残っています。
‥‥実は二冊目が出るなんて思ってもいませんでした。
内心驚いています。嬉しいビックリです。
また「糸井さんの本」が読めるを、楽しみにしています。
(真田)

『小さいことばを歌う場所』の
一番好きな「小さいことば」を募集されていましたが
どれが一番、と決めることができない
ことばの集まりがある本です。
そういう人がきっと多いと思います。
開いたところから次々とページをめくって
その時々の自分にぴったりくることばが
見つけられる本、だと思います。
毎日読み続けることはないけれど
不思議と求めている時に求めていることばに出会える本です。
今回の本も本体の角が丸い作りなのでしょうか?
本自体が「かわいい!」と思えるのも
『小さいことばを歌う場所』の魅力のひとつです。
「今日のダーリン」は
その日にしか読むことのできない読み物なので
気になるときは手帳にメモしているのですが
ほぼ丸ごと、の日には、
手帳の一日分をつぶしてメモしてしまいます。
『小さいことばを歌う場所』の中では
二〇八ページから二〇九ページのことば
「誰かがよろこんでくれる、ということがなかったら、
 なにがたのしいだろう」

いっぱいに書き込んだことを覚えています。
最新刊にも、去年メモしたことばが
きれいなフォントでのせられているか楽しみです。
自分のよれよれした字で読むのではなく
「本」という形になっていつでも読める、
というのがなんと言ってもうれしいです。
どんな写真が載せられるのかも楽しみです。
あたたかい春を待つような気持ちで
手元に届く日を待ちたいです。
(キト)


みなさまの「私の小さいことば」、
まだまだお待ちしています。
『思い出したら、思い出になった。』の
発売まで、いましばらく。
どうぞ、のんびりお待ちくださいね。

2008-02-16-SAT





(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN