糸井重里がほぼ日刊イトイ新聞に書いた
1年分の原稿のなかから
心に残ることばを集めた本。

その1冊目が、去年出た
『小さいことばを歌う場所』でした。
そして、2冊目が、2月22日に発売となる
『思い出したら、思い出になった。』です。

さあ、今日も、
みなさまからたくさん寄せられている
「私の小さいことば」を紹介していきます。
これは『小さいことばを歌う場所』のなかから
みなさまのお気に入りのことばを
選んでもらったもの。

さまざまな「小さいことば」を
さまざまな人が心に刻んでくださっているようです。

『思い出したら、思い出になった。』にも、
きっと、みなさんの心に残る「小さいことば」が
たくさん掲載されています。

『小さいことばを歌う場所』には
168のことばが掲載されていましたが、
『思い出したら、思い出になった。』では
ちょっぴり増えて、189のことばを掲載。

どうぞ、たのしみにしてくださいね。
それでは、みなさまのメールを紹介します。



『小さいことばを歌う場所』は、
「今日は気分を変えて寝たい」と
思った日の寝る前に読んでます。
なぜか見るたびに、
普段の自分の気持ちを見直せる気がするからです。
一言一言すべて印象的だったのですが、
一番印象的だった「小さいことば」は、
214ページの「『明日の神話』」です。
この文を見たあとに、実際に「明日の神話」を見てみました。
すると、文のせいか、すごく頭が熱くなりました。
戦争の悲惨さと、その後の再生の力強さが、
この文を見たおかげで、
すごく感じることができた気がしました。
「見つめられて 見つめかえせ」ということばが、
今でも壁画と一緒に、頭に強く残っています。
『思い出したら、思い出になった。』
すごく楽しみにしてます!
糸井さん、ありがとうございました。
(飴横)


「見えないものとか、聞こえない声だとか、
 あえて言ってないこととか、
 うまく言えないままのこととか、
 そういうことのほうが、
 ずっと多いのだということを
 僕たちは忘れそうになる。」
(10ページより)

特に印象深かった言葉です。
私はSEの仕事をしていますが、
システムの仕様をクライアントや開発業者に説明するとき
仕様の作りや、さらには画面・機能を
作り出す理由(開発思想)がうまく伝わらず、
予測に反した機能が出来てしまうことがあります。
業務柄、「偶然の産物」がよりよい結果となる事は無く、
(システム設計を)うまく伝えられなかったとき
即ち(大なり小なりの)失敗開発ということになります。
そんなとき、この言葉の意味を改めてかみしめています。
クライアントは、どんな事をしたくて
システム開発を依頼しているのか。
開発業者は、どんな開発体制をとりたいのか。
システムの仕様書には書かれない、
使い手・作り手の真意を出来る限り掬い上げて
システム開発に精進する日々です。
(理)


「湯上りに後悔したことはない。」
(18ページより)

冬の間は特に毎晩のように
こころのなかで唱えています。
このことばは
覚えようとしなくても
体にすーっと
染み込んでしまいました。
お風呂のときだけではなく
いくつかの場面で
この言葉がわたしの背中を
押してくれています。
ありがとうございます。
(bono)


私のすきなことば。

「もともと、ことばは
 『ロジックを語ることもできる』というだけで、
 ロジックを述べるために生れてきたわけじゃないんでね。」
です。(125ページより)

ことばが人を支えるときの多くの場合は
伝えたい気持ちが伝わる・伝わった瞬間だと自分は思います。
それが「ロジック」を介したほうが
より伝わるという人にとってみれば
ロジックは大事かもしれない。
それでもロジックからこぼれてしまうものも含めて
気持ちやありようを伝えあう大事なものとして、
もっと広く、ことばは在るように思います。
ロジックにつぶれそうになったときの私を励まし、
ロジックなら人に伝わるのだといいたくなる自分を戒め、
ことばを大切にしてこそ
気持ちを大事にして人とかかわれるのだという
希望をくれることばです。
(あさの)


「ことばは、いつも気持ちに足りない。
 そんな気がしているから、みんなが
 ことばをトゥマッチにしたがるんでしょうね。」
(15ページより)

「『そっちじゃない』という声がいくら聞こえても、
 どっちに歩けばいいのかはわからない。
 何か正しい方向に向いたときに、
 『惜しい』とか『いいよ』とか言われたら、
 どっちにいけばいいかわかるわけだ。
 だから、いずれ、スイカは割れる。」
(129ページより)

どちらも、普段夫に自分の気持ちを伝えたくて、
どうしてもあれやこれやいっぱい言ってしまい、
結局彼の言い返す気力さえ無くさせている私。
常々「こうしてくれたからうれしかった」と言いたいのに、
してもらえなかったことの文句ばかり言ってしまう
私の気持ちにしっくりきました。
私はこれからも夫とスイカを割っていきたいんだ。
そのためにどうしたらいいか、よくわからせてくれました。
(しお)


「ことわる理由をうまく言えなくても、断っていいんです‥‥」
(152ページより)

私の『小さいことばを歌う場所』の
152ページにはいつもしおりが挟まっています。
この言葉をはじめて読んだときは、
それこそ「言葉にできない」涙がぼろぼろこぼれました。
そのあともしばらく読むたびにぼろぼろと。
なんだか、おおきくてあたたかい手が
肩をつかんでくれているような
「自分で歩くための力強さと安心」を
このことばからもらった気がします。
自分にとって大切なことばがほかにもたくさんあって、
今読み返したらとても選べなくなりそうなので、
やっぱりしおりに託すことにしました。
(言葉のつかい方ちょっとまちがってますね)
22日がたのしみです。
あ、あとブイちゃんの写真も楽しみです。
(NAJI)


今でも、ときどき開いては
眺めるように読んで、大切にしてます。
私が一番好きなのは208〜209ページの

「誰かがよろこんでくれる、ということがなかったら、
 なにがたのしいだろう。」
です。

何度も何度も音読しています。
イトイさんの生き様というか、
心意気が一番、現れているような気がして、
そして、私もそれを見習いたいって思って、
いつも心に飾っていることばなのです。
今、会社勤めの仕事の他に、毎日続けている、
個人的な(利益の出ない)仕事があって、
それについて、社訓をつけるとしたら、
きっと、こんなことばです。
(大サワ)


『思い出したら、思い出になった。』の発売は
2月22日午前11時からはじまります。
お届けは3月下旬ごろになる予定。
どうぞ、よろしくお願いいたします!

2008-02-19-TUE





(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN