今日の「小さいことば」。
#2●恋や愛について考えている人へ
好きな人ができたとき、
だれも聞いていない場所で、
小さくそのなまえを呼ぶだけで、
唇やこころがむずむずするような
気持ちいい感じになりませんか。
────『ともだちがやって来た。』より
好きな人に会うのに、いちいち理由なんか考えないでしょ。
まぁ、少々恥ずかしい気持ちがあるから、
「ちょっと聞きたいことがあってさ」なんて、
どうでもいいとっかかりはつけたりするけれど、
ほんとは、会いたいというだけという場合が多いでしょう。
────『思い出したら、思い出になった。』より
「愛しているのに、愛してくれない」と考えがちな人は、
基本的にまちがっている。
つまり、その人は、
「愛する」ことはもともと難しいものだ、
と、知らないのだろう。
────『小さいことばを歌う場所』より
欠点や弱点を発見して、
しかもそれを個性として「かわいい」と思えるってのは、
けっこう高度な、人間の感情だと思える。
それこそが、ながい付き合いのなかで育てていく
愛情だの友情だのみたいなものの正体なんじゃないかい?
────『思い出したら、思い出になった。』より
両思いのときだって、これは、ほんとうは、
両側からの片思いであるとも言えるわけで、
あらゆる他者との関係は、片思いですよ、ねぇ。
しかも、片思いしている時間というのは、
あんまり悪い気持でもないような。
────『ともだちがやって来た。』より


2009-03-06-FRI

(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN