今日の「小さいことば」。
#3●仕事について考えている人へ
わかっているからといって、なめないこと。
時間のかかる過程を、効率化しようとしないこと。
失敗したら大変だぞ、という本番の気持ちを持つこと。
────『小さいことばを歌う場所』より
目的がどうであれ、思想がどうであれ、
仕事というのは「人が気持ちよく感じる」ことについて、
技術を高めたり、気合いを入れたり、
方法を工夫したりすることだ。
────『思い出したら、思い出になった。』より

やることがとても多いときには、
なによりも「順番」ですね。
どれから始めて、どのくらいまで完成させて、
というようなことを見積もる必要があります。

「ぜんぶ重要!」みたいに感じている状態が、
なにより疲れるんですね。
そこまでは、わかっているんですが、
さぁ、難しいのは「後回し」にしたり、
「やめておこう」ということを決めることなんです。

そして、「先にやる」と決めたことを実行するためには、
四の五の言わず、さまざまな事情を考えずに、
とにかく「先にやる」ということです。
────『ともだちがやって来た。』より

非常に誤解されやすい言い方なのですが、
「額に汗して働く」という価値観に、
逃げ込んではいけないと思うのです。
「額に汗して働く」というのは、価値あることです。
しかし、それは目的ではないのだと思うのです。
額に汗すること、努力すること、地道にやっていくこと。
それらは、姿勢としての美しさを持っています。
ですが、くりかえすけれど、それは目的じゃない。
1+1が2になるということに、
ほっとしていたり甘えていたりしていては、
夢も希望もありゃしないのだと思うのです。
どこに狩りに行くかを真剣に考えるからこそ、
獲物も手に入るし、たのしみの時間もつくれるのです。
────『小さいことばを歌う場所』より
送り手、つくり手が、どんなに力を入れても、
それが通じるとはかぎらないということを、
ぼくは、かなりよく知っているつもりです。
でも、ときには、通じさせようとすることよりも、
全力をつくすことを大事にすることがあります。
────『ともだちがやって来た。』より


2009-03-07-SAT


(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN