日本語というのは音の仕組みが簡単な言語です。
要するに、ひらがなを並べ替えれば、
高い割合で何かの日本語になる。
ですから、あることばを言い間違えたとき、
それが少しの間違いだとしても、
まったく意味の異なることばに
なってしまう可能性が高いんです。
たとえば英語などの場合は、
ちょっと言い間違えたからといって
まったく別のことばになってしまうことは
日本語よりは多くないと思います。
もちろん、違うことばになることもありますが、
音節の構造が日本語よりも複雑なので、
別の単語、別の意味が生まれるというよりも
「たんに言い損ねてしまった」
というふうになる場合が多いと思います。
上に挙げられた「言いまつがい」は、
まあ、直接の原因としては、
身体的に拘束された状況で発声したため、
正常な発音できなかったということだと思いますが、
これが見事な「言いまつがい」として成立しているのは
「日本語の音の仕組みが単純なため、
ひと文字違うだけでまったく意味が異なってしまった」
ということが原因になると思います。
「ころす『き』か」から「ころす『け』か」
というふうに、ひと文字変わるだけで、
「殺す気か?」が「コロ助か?」という
まったく意味の違うことばになってしまうのですから。
その意味からいっても、
日本語というのは「言いまつがい」に
適した言語であるということができますね。 |