日曜日の大人気連載だった
「みうらじゅんに訊け!」が
一冊の本になりました。
発行はスコラマガジン、
本のタイトルは『郷土LOVE』といいます。
連載当初、単行本化の気合いはまったくなく、
マイペースな週一連載として
向かう先は「県くじ」のみが決める、
自由&気ままな歩みを進めてきたコーナーでした。
1年以上たっぷりかけたこの「語り旅」を
単行本化するにあたり、構成を再考したところ、
みうらさんは、
「ね、写真ぜんぶ取り直さない?」
と言いはじめました。
「え? だって、全ページ1色刷りですよ?
しかも、写真がめちゃめちゃ小さい割り付けなので
撮り直しても意味ありませんよ?」
「1年以上連載していたのに、本に残る写真が
ぜんぶ同じ服になってしまいますよ?」
という押し問答の末、
約20カットの写真撮りおろしを決行しました。
ふり返ると、日本全国、
みうらさんが語っただけの旅でございます。
みうらさんが行き、みうらさんが思い出し、
みうらさんがくじを引いて語った、という内容です。
けれども、そこには
一般の旅行ガイドブックには載っていない、
──神社の穴に入ってドロドロになったり
鍾乳洞の冷水に浸かって足の神経を麻痺させたり
霊場のガチンガチンのアイスを食べ身も心も凍らせたり
ゴムのようになったうなぎを見てぽかーんとしたり
購入した貝細工を持ち帰る労苦で心が押しつぶされたり
長髪というだけで、喜多郎、ビートルズ等に間違えられ
サインや写真撮影を修学旅行生にねだられたり──
地面に足をつけて歩く人間の視線からとらえた日本、
人間みんなでよってたかってつくりあげた日本が
さまざまに浮かび上がってくる、と思います。
日本のこういうことを教えてくれるのは、
みうらじゅんさんをおいてほかにない、と思います。
「さて、次、どこに旅をしようかな」というときに、
意外と役に立つ本である気も、いたします。
この『郷土LOVE』は、2009年7月24日より
全国の本屋さんに並ぶ予定ですが、
連載元であるほぼ日刊イトイ新聞の
「ほぼ日ストア」では、
特典つきの期間限定予約販売をいたします。
ただし、「ほぼ日ストア」からの出荷開始は
発売日と同じ7月24日を予定していますので、
お手もとに届くのは、そこから数日後となります。