今週はいままで使っていない筋肉に
刺激がきそうな本をご紹介します。
10月24日のイベントチケット、もう手に入れましたか?
本が先でも、イベントが先でも、
いままで知らなかった「はじめて」が
満ちあふれている世界です、きっと。

【本】 2005/09/25
アースダイバー

著者 中沢 新一
定価 1,890円(税込)
出版社 講談社
ISBN 4062128519
●関連するほぼ日のコンテンツ
【アースダイバーの経験論!】
【はじめての中沢新一。】
【はじめての中沢新一。のさまざまなお知らせ】
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『アースダイバー』というのは、
ぼくらの生きている地球という星の、
陸地に潜り込んで獲物をとってくる鳥です。
この鳥が大地の中からくわえてくる情報は、
IT時代とか言ってる現代の東京と、縄文時代の東京を、
一気につなげてくれます。
あのファッショナブルなローマが
ローマ時代の遺跡と共にあるように、
東京は、土地の半分が海と川だった
縄文時代の人々の、見えない遺跡と共存しています。
(「今日のダーリン」より)



中沢新一さんの『アースダイバー』は、歩きながら考え、
考えながら歩くという中で生まれた、
体と頭がつながる本なんです。
「人間の心のおおもとは、
 泥みたいなものでできているにちがいない。
 ぐにゅぐにゅと不定形で、スマートな思考をする部分と
 ぼんやりとした夢を見続けている部分とが、
 ひとつに混ざり合って、人間の心をつくっている。
 そういう心が集まって社会をつくっているわけだから、
 それをあんまりハードな計画や
 単一な原理にしたがわせると、
 どうしてもそこには歪みが生まれてくる。
 泥みたいな材料でできた心を
 『無意識』と呼ぶことにすると、
 この『無意識』を歪めたり、
 抑圧したりするのではないやり方で、
 人の生きる社会もつくられていたほうがいいのではないか」
冒頭は、こんなように書かれているのですが、
歩いて体を動かしながら
「無意識」を解放するかのような単行本で
とてもおもしろかったので、
担当編集者さんの
講談社の園部雅一さんにインタビューをしました。
中沢さんの『アースダイバー』の視点で
ものを見ようとすると、
町を歩いてもいろいろなものが
目に飛びこんでくるのかも……?
(木村俊介)

2006年にはじまる「新会社法」ってなに?
どうやら「お金を稼ぐ」という考え方が
この法律ですごく変わるようです。
就職活動を控えた学生の方、
一度は「会社」という組織に所属したことがある方、
ぱらりとのぞいてみるには手軽でいい連載と本です。

【本】 2005/09/25
山田真哉のつまみ食い
「新会社法」


著者 山田真哉
定価 924円(税込)
出版社 青春出版社
ISBN 4413007921
●関連するほぼ日のコンテンツ
【山田真哉のみんなの、これから】
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「株式会社を1円でつくることができる」という
来年施行される新会社法を
ものすご〜〜くわかりやすく、
欲しいポイントだけバツッと教えてくれる、
山田真哉さんならではの本です。
「ほぼ日」で連載中の「みんなの、これから」を
副読本として読んでいただくと、
より効果的に、これからの自分の道を
描きやすくなると思います。
山田さんによると、
アイデアとセオリーと気合いを持っている人が、
これからの社会では強くなるそうですよ。
(スガノヤ)

「死」ということが描かれている
重松清さんの短編集を読んで
糸井darling重里はどう感じたのか。
「今日のダーリン」からお届けします。

【本】 2005/09/25
その日のまえに

著者 重松清
定価 1,500円(税込)
出版社 文藝春秋
ISBN 4163242104
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重松清さんに呼ばれているような気がして、
当然のように『その日のまえに』を読みはじめた。
連作短編集だったから、夜中に仕事を終えてから、
眠くてしょうがない時間にでも、
ひとつずつくらいなら読めると思った。
どの短編も、死が描かれている。
しかし、死に装飾がされてない。
死は、ただそこにあって、生のように生きている。
こんなふうに書くのは、むつかしいよなぁ、と、
重松さんの手先を想像しながらも読んだ。
小説を読むときの自分は、どうしても沸点が高めになる。
しかし、心というやつの底のほうから、
小さい泡つぶがつっつっと現れて、
温度がどんどん上がっていくのを感じていた。
人ひとりが、街ひとつが、たった一日が、
「あってよかったろう?」とでもいうように、
微笑みはじめるのだった。
うん。無理して言えば、ひとつひとつの死さえもが、だ。
小説が足りてない、と感じられた自分は、
まだまだ捨てたもんじゃないな、と思った。
目からずいぶん水分が漏れてしまったけれど、
いいもので、こころが満たされた。
いやぁ、重松さん、感謝します。ありがとう。
(「今日のダーリン」より)

最初にご紹介した『アースダイバー』と連動しているイベント
「はじめての中沢新一。」は
ほぼ日の「はじめて」シリーズの第三弾です。
「はじめての落語。」「はじめてのJAZZ。」
まだご覧いただいていないという方は、
頭のかたすみにある「落語」や「JAZZ」というイメージを
一度とりはらって、
ぜひのぞいてみてくださいね。

2005-09-25