ひるがえっているのは、
カナダ、ケベック州の旗です。
そう、ここは、原宿・新ビッグトップ。
『コルテオ』がまさに上演中です。
さぁ、今日から『コルテオ』の舞台裏を
たっぷりご紹介していきます。
どうぞ、よろしくお願いします!
ゲートにひるがえるさまざまな国旗。
これは『コルテオ』に出演している
アーティストたち(スタッフも含む)の
国籍を表しているのです。
つまり、『コルテオ』の舞台には、
これだけの国の人が参加しているというわけ。
お、日本の旗も、ありますね。
うーん、わくわくする!
『コルテオ』の舞台袖です。
『コルテオ』のステージは円形になっていて、
上手と下手へ、花道のような通路が
劇場全体を二分するかたちになっています。
そして、観客席は、円形の舞台を
ぐるりと取り囲むように並んでいるのです。
ツアーショーでは非常にめずらしい形ですね。
今回、我々を案内してくださった
ゼネラルマネージャーの
ヘザー・ライリーさんです。
さまざまな個性が集うチームを
この人がまとめているのです。
「みんな、ヘザーの言うことは聞くんですよ」と
日本のスタッフの方がおっしゃってました。
たのもしい!
ヘザーさん
「『コルテオ』のセットは
古いヨーロッパの世界をイメージしています。
中央の円形ステージの床には
ラビリンスのような模様が描かれています。
これはヨーロッパにある教会の床を
イメージして作ったもので、
一番手前から歩き始めると、
最後はステージの中心まで
歩いていけるような迷路になっています」
いわれてみれば、
「古いヨーロッパの雰囲気」があちこちに。
天井近くには、パイプオルガンを
モチーフにしたような飾りが。
これは、ステージの周りの小さな照明。
ショーの最中は観ている余裕がないけど、
よく見ると、細かい!
ヘザーさん
「ミュージシャンが演奏するピットが、
客席の中、4ヵ所に設定されているのも
『コルテオ』の特長のひとつです。
これによって、お客さんと演奏者の
一体感が演出されています。
お客さんたちは自分もショーの一部に
なったかのように感じられることでしょう」
「秘密の通路を見せてあげましょう」と、
ヘザーさんに言われて、ついていってみると‥‥。
‥‥わぁ! ほんとに秘密通路だ!
この通路は、客席の下に通っていて、
テントの外周に近いところを
ぐるっと回れるようになっているのです。
ショーの最中、アーティストの方は
この通路を使って、上手、下手へ移動するのです。
ちなみに、円形ステージの下にも
移動用の狭い通路が設けられているそうです。
通路の奥まったところには、
コスチュームがかけてありました。
ほかの役をこなした人が、
大急ぎでここまでやってきて、着替えるんですね。
これは、エンジェルの衣装かな?
本番のときも、このくらいの暗さの中で
着替えるのだそうです。
そして、この不思議な光景は‥‥?
つづきは、次回に。
(つづきます)
『コルテオ』を支える人たち。
ツアーショーである『コルテオ』は、
出演者やスタッフはもちろん、
舞台やセットもいっしょに、世界中を回ります。
今回、日本でも、東京公演が終わったあとは、
名古屋→大阪→福岡→仙台と回っていきます。
ツアーショーは、なにもない場所からはじまります。
ただそこにある土地に、
テントをたて、舞台をたて、客席を作り、
電気を引いて、空調を入れて、照明をたいて、
練習場所と舞台を整えて、毎日清掃し、
お客さまを迎え入れます。
そういったもろもろ全部のことを
いったい誰がしているのでしょうか。
訊いてみたところ、この方たちでした。
株式会社フジテレビジョン事業局所属、
田中晋太郎さんはじめとする
6人のスタッフのみなさんです。
6人の運営スタッフのみなさんは、
『コルテオ』のテントの裏にプレハブの小屋をたてて
そこを事務所にしています。
そして、もちろん、ショーの移動にあわせて、
テントといっしょに、彼らもプレハブごと移動します。
仙台公演が終わる2010年6月まで、ずっと移動生活。
たとえばみなさま、ごらんください、この机。
「この机は、折り畳むことができます」
特注品ですか?
「特注品です。つまり、移動式です。
このモニターラックも、
パタンと閉じて運ぶしくみになっています」
「この運営本部の荷物は、
自分たちですべて撤収して10トントラックに載せて
次の会場で空っぽのプレハブに入れ、
こことまったく同じ状態に再現します。
ですから、10トントラックに収納する前提で、
備品や棚を特注で作ってもらうんです」
発想が10トン。
「はい、10トンのことなら何でも聞いてください」
そういう目線でプレハブの事務所の中を見回すと、
いろんなことが見えてきました。
田中さん、もうすこしお話を聞かせてください。
(田中さんのお話、次回につづきます)
2009-04-10-FRI
(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
Photos:Marie-Reine Mattera ,Richard Termine
Costumes:Dominique Lemieux © 2005,2007,2008 Cirque du Soleil © 2007 Fuji Television