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糸井 |
シルク・ドゥ・ソレイユという場所は、
いろんな個性を活かすチャンスを
たくさん作ってますよね。
クラウン(ピエロ)の使い方も、
そのひとつだと思うんですけども、
アクロバットもしない、
特にすごい芸をしないクラウンが
出てきますし。
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北尾 |
そう言われてみると、そうですね。
技だけじゃないところに
答えがあることがありますから。 |
河邊 |
それに、この会社って、あんがい
美を求めないようなところがありますね。
この「オー」を作るときにも
「美しいものは要らない。
変わったことをやってくれ」
って、すごく言われたらしいです。
「クレイジーになってくれ、
クレイジーになってくれ」って。
美しいショーをやりたいんじゃなくて、
「その人」を出したショーをやりたいんだな、
と、私は感じました。
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糸井 |
そう言われると、困っちゃうと同時に、
もしかしたら新しい自分に
会えることなのかもしれないですね。 |
河邊 |
それがモントリオールでの
トレーニングキャンプでした。
「自分はこんなこと思ってたんだ」と
わかることもたくさんありました。
もちろん落ち込むこともあったけれども、
自分の表現できることを
どんどん引き出してくれました。 |
糸井 |
楽しいだろうね。 |
河邊 |
何か、変わるんだと思います。 |
北尾 |
うん、変わる、変わるよ。
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河邊 |
やたらと自分を持っちゃうし(笑)。 |
北尾 |
自分の持っていたものに気づくし、
いろんなことにチャレンジできる。 |
河邊 |
いろんなことにチャレンジできることプラス、
「できるんじゃないか?」と思っちゃうよね? |
北尾 |
わかるわかる!
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糸井 |
そんな勤め先、いいね。 |
河邊 |
できるという気持ちにさせてくれるのが
シルク・ドゥ・ソレイユなのか、
それともアメリカなのか、
わからないんですけれども。 |
糸井 |
ああ、なるほど。アメリカという
国のせいもあるかもしれないですね。
「オー」の評判は日本でも
本当によく聞いていて、
「いいって言うよねー」なんて、
観てもいないのに言ってたけど‥‥
いやぁ、観ると観ないじゃ違いますね。 |
河邊 |
うれしいです。そう言ってもらうと、本当に。 |
糸井 |
‥‥で、観たあとで、
無口になります。 |
北尾 |
あ、それもうれしい(笑)。
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糸井 |
観たものが整理できなくて、
生のままなんですよ。 |
河邊 |
それはすごく、
このショーのうまいところだなと思います。
1回観たら、なんだか
もう1回観たくなりませんか? |
糸井 |
そのとおりです。
今度、日本に常設のシアターが
できたんですよ。知ってますか? |
河邊 |
あ、ディズニーランドの近くですね。
知ってますよ。 |
北尾 |
オープンはこれからですよね。
いまから、いろんな噂が出ていますよ。
最後の最後まで全部、伏せてますからね。 |
河邊 |
私たち、パフォーマーが行っても
ショーの準備は絶対に見せてくれないんですよ。
モントリオールのトレーニング中も
カーテンが引かれていて、
とにかく極秘なんです。 |
糸井 |
うん、たのしみですよね。 |
河邊 |
あの‥‥「ほぼ日」って
奥野さんが書かれてますよね。 |
糸井 |
そうそう、そうです。
奥野さんが書いてくれてたときから
シルク・ドゥ・ソレイユのことは
ずっと気になってたんですよ。 |
河邊 |
ですから、「ほぼ日」は
前から知ってました。 |
北尾 |
これからも楽しみに
読ませていただきます。 |
糸井 |
ありがとうございます。
じゃ‥‥がんばってください、
という言い方じゃないんですよね、ここはね?
楽しんでくださいね。 |
北尾 |
はい(笑)。 |
河邊 |
ありがとうございました。
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「オー」の河邊さん、北尾さんへの
インタビューはこれでおしまいです。
ご愛読ありがとうございました。
応援メッセージなど、どうぞ
postman@1101.comまでお寄せください。
『シルク・ドゥ・ソレイユからの招待状』、
連載は、これからもまだまだ続きます!
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