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大森さんが仕事をはじめた時代、
「歌を仕事にしている人」と、
「コマーシャルの歌をつくる人」は別でした。
大森昭男さんがやったことは、
その「歌を仕事にしている人」を
CM音楽の世界に連れてくること、でした。
ちょうどその時代、
「ハイ、コマーシャルでございます」
じゃないものを必要とする、
たとえば資生堂のような企業が出てきます。
雰囲気をつくること、イコール、
コマーシャルをつくること、になりえるし、
商品を直接的に紹介するような
「ためにする」歌じゃなくても、
CMソングになる、
ということに気づきはじめる。
企業がそれを受け入れるようになっていったんです。
大森さんの40年の歴史は、
そのまま日本のポップスの歴史にリンクしています。
あなたのリスペクトするあの音楽家も、
きっとこの本のどこかで
大森さんと出会ってる場面があるんじゃないかな。
(糸井重里)
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