さて、きづけば舞台初日まであと2週間くらいしかない‥‥! 7月前半までは、たくさんの取材を受けました。 演劇の舞台というのは、 公演前に取材を受けるというのが普通らしく、 ちょっと面食らいました。 だって、まだどこのシーンも完成してないのに! というか、観てもいないのに! 舞台の宣伝を兼ねているために こういうことになるみたいですが、 マンガと演劇の違いをここでも感じました。 何度も取材を受けたため、 私と藤田君は同じ説明や会話を繰り返し、 激しく「リフレイン」することに‥‥ 「マームとジプシー」の特徴といわれる会話や シーンの「リフレイン」を地で行くことになってしまいました。
今までは昼から夜の18時までだった稽古時間も、 いよいよ夜の22時までに。 稽古場もスタジオから広めのホールへ引っ越しました。 7月13日は決起集会と称して、花火大会、 7月15日は役者さんやスタッフで高尾山登山へ。 追い込みの稽古に入る前の、楽しいひとときとなりました。 登山の写真をみると、苦しそうに登っている人がいない! みんな終始笑顔で、 やっぱり体力があるんだなあと思いました。 いつも稽古前に、みんなでランニングをしているそうです。
稽古はだんだんとシーンが固まってきました。 最前線を逃げ惑うシーンでは、 会話はなく、ひたすら役者さんが縦横に走り回ります。 一番若い役者の長谷川洋子さんは大学1年生。 去年まで、『cocoon』の少女達と同じ女子高生でした。 彼女がひとりで走り回るシーンは、 ただただ、恐ろしかったです。 稽古場に彼女のゼエゼエという息切れだけが響く。 それでも走るのをやめることはできず、 息切れに混じって、ひいっと叫び声のようなものが漏れてくる。 本当に死んでしまうのではないか、と思いました。 こわくてこわくて、悲しくないのに、涙が浮かんできました。