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イナカモン座談会。
都会の正体とはなんだろう?

第3回 おりのじんちんのねどかった。

(※「音楽くん」「役者くん」「若人くん」
  「鹿児島くん」「群馬くん」で語る九州っとよ。
  だんだん音楽くんに話の焦点が定まってくるバイ!)

  
音楽 九州弁のナマリと言えば、
俺は中学までは久留米で過ごしていて、
高校にはそれよりイナカに通っていたので、
俺からしてみると、結局、3年間一緒にいても
言葉をわからんかったやつも、いたよね。
若人 あはは!(笑)
音楽 そいつ、出席番号1番の
荒巻って奴なんだけどさぁ・・・。
そいつがある日の夕方、こっちに来て、

「あああ、音楽くんば!
 おりのじんちんのねどかったくさ!」


って言いよった。
群馬 (笑)あははは。わからねえな〜!!
音楽 『おり』が『俺』なのは何となくわかるけど、
あとはさすがに言葉がわからなくて、

「おい、ちょっと荒巻、聞いていいか?
 ほんとにごめん。その・・・。
 お前がいま言った『じんちん』から先が、
 実は俺には、まったくわからなかった


って、正直に聞いてみたんですよ。
群馬 (笑)
音楽 そしたら、「じんちん」は「自転車」で、
「ねどかった」は、「盗まれた」・・・。
「自転車が盗まれた」ってことだった(笑)。
あれは、わからなかったなあ・・・。
鹿児島 音楽くん、上京してきて、
東京の女の人と最初につきあう時は、
どげんでしたか?
群馬 おおーーー。
鹿児島くん、いい質問!
そういうのは聞きたいっちゃねー。
音楽 いやあ・・・だから、
最初は、メンバー全員が、
九州をひきずりまして・・・。
鹿児島 (笑)わはははは!
音楽 いやあ、だからやっぱり、そこは、
自信がついてからですかね。
群馬 (笑)あははは! 「自信」って!

なんか、ぼくから見ると、
九州と東京は割と直結っぽいですよ。
九州の人は、大阪とか名古屋を
あんまり経由しないで、
直接、東京に行こうとするじゃないですか。
それに、東京すらも飛び越えてしまって
九州からロサンゼルスに行く人もいるし。

そこらへん、九州には突破力があるよね。
音楽くんのいた7人組だってさ、
「あんな衣装にしろ」って言われて
すぐにできるのは、九州以外にはいないし。

・・・デビューする時には、
それまでに自分でやっていたバンドと、
やっぱり雰囲気を変えたわけでしょう?
音楽 いやあ、だって、
俺たち、アマチュアの頃は、
男のファンしかいなかったですから。
鹿児島 (笑)真逆だ。
音楽 はっきり言って不良だったし、
久留米でも名前が知れ渡ってる奴らで。
鹿児島 その頃は、どぎゃん頭をしとったとですか?
音楽 きれいにリーゼント。直毛で。
・・・あ。銀蝿的なものではないですよ。
俺、あれはリーゼントとは認めていないから。
ぼくはちゃんと
サイドバック的なリーゼントをしてて、

古着とかを着てましたね。
群馬 (笑)それなのに、
デビューの時はチェックの服に着がえて、
髪の毛たらしてたのね・・・。

そういうことを、「しろ」って言われて
「よし、やっちゃるけん」
ってやれる人たちって、
ある意味で稀で、貴重かもしれないよ?
音楽 いやあ、そこは、どれだけ悩んだか!
「俺たちは、大変なことを
 しようとしているんじゃないか」
って、当時の日記にも書いてあるもん。
何度メンバーでミーティングを繰りかえしたか。

デビュー曲の「●●●●ハートの子守唄」を
聴かされた時にも、正直、ぶっ飛びましたよ。

当時、リハーサルのスタジオに行くと、
隅っこで、作曲の先生がギターを弾きながら、
「・・・ちっちゃな頃から〜♪」
ってシブーく歌ってるのが聴こえたんです。

俺、古い曲とかもすごく好きだったから、
「いやあ先生、それ、シブくて良いですね〜。
 どうせ小林旭とかあのあたりの曲でしょう?」
ってうれしくなって訊ねてみたら・・・
「いや、コレお前たちの曲だ」って。
若人 (笑)「お前たちの曲」だったんだ!
音楽 その時は、ビビったもんなあ。
うわあ、わかりやすいところに
持っていかれたなあ!とか思って。
群馬 (笑)音楽くん、その前は
もともと、どういう人だったの?
音楽 アイドルになる前は、
セールスマンをやってたんですよ。
その前には、生徒会長もやってた。
群馬 (笑)うわあ! 濃い。
音楽 実は、高校に入った頃が、
俺の中ではいちばんイヤな時期で。

当時の俺は、ビジュアル的にも、何か・・・。
マユ毛がなくて、太いロッドのパーマかけて
カメラをじっとにらんでるような写真しか
手元に残っていないようなのが、一時期あって。

そのへんは、もう、当時の
自分の写真すらも見たくないんだけど。
・・・だから、高校入ってすぐ無期停になった。
群馬 (笑)入ってすぐ無期停!
音楽 戻ってきても、クラスのやつを
俺は誰ひとりしらないような状態でした。
だから校長からも、
「君はもう、卒業できないだろうねぇ」
とか、既に言われていて、
「よ〜し、じゃあ逆に!!」
とか思ってがんばってたんだけど・・・。

このままじゃあ就職もヤバイから、
何かハクつけとかなきゃなあ、と思いました。
就職を考える頃には、もう、
サイドバック的なリーゼントでしたけど。
群馬 (笑)ちょっと成長。
音楽 (笑)はい。
垢抜けた感じで立候補して、
「みなさん、人を服装で
 判断してはいけないと思います」。
役者 (笑)あははは!
音楽 それを聞いて、
「おおお!いいぞ!」
って不良が盛り上がるという・・・。
不良の心だけを、ガツッとそれで掴んで。
群馬 (笑)あああ。そっちかぁ!
音楽 生徒会の活動とかもやってたんですよ。
「今月は遅刻防止の強化月間だ」とか。
鹿児島 (笑)


(音楽くんの話は、つづくばい)

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2001-02-03-SAT
TANUKI
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