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イナカモン外伝、逆襲のサガ。
都会の正体とはなんだろう?

<佐賀市内・おしゃれファーストフード事情>


佐賀県の県庁所在地は「佐賀市」です。
佐賀市の駅は、もちろん「佐賀駅」です。
そして、佐賀駅のホームは
1番から4番までしかありません。

妖精さん:姫、それはきっと、
     工事中の間違いじゃないですか?
お姫さま:いいえ、妖精さん。
     私が小さな頃から佐賀駅のホームは
     4番までなのですよ。

しかも、1番ホームはほとんど2両編成のディーゼル専用。
本数はほぼ1時間に一本だけ。
多分、1番ホームが無くなっても
システム上そんなに困ることは無い。無いね。
県の中心地の駅が4番ホームまでで事足りる。
これは結構、恐ろしいことなのではないでしょうか。
あ、もちろん新幹線は通ってないです。
念のため。

免許を持っていない私は、
地元に帰ると移動に対する概念を
東京新宿区モードからガラッと変えねばなりません。
佐賀市内に出ようと思ったら
電車に乗って行くことになりますが、
前日の時刻表チェックは必須です。
早めに駅に着きすぎても
周りにコンビニなんてありゃあしませんから、
絶妙の間隔を列車の時刻表から
逆算して行動することが要求されます。
早すぎてもつらいし、
乗り遅れちゃっても激しくつらい。
だって私の地元、午前10時50分の列車を逃したら、
次の列車が12時50分っすよ?
かっきり2時間待たされるんですもん。
駅の時刻表のホワイトボードの
「11時」の欄。
堂々と真っ白なんですもん。
次の電車待つ間にちょっとした煮込み料理も作れますよね。
新宿だったらこうはいかない。
カップラーメンだってできるかできないか。

ね?笑い事じゃあないでしょう?

時間通りに乗り込んで、
全速力で走り抜ける田舎列車のスピード感に酔いしれつつ、
車掌さんから切符を購入。
やがて佐賀駅に着いたなら、
駅員さんにそれを渡して改札を抜けます。
今年の正月帰ったら、まだまだしっかり駅員さんでした。
もちろん自動改札は一個も見当たりませんでした。

改札を抜けると、
構内の左手正面にはどーんと
「ミスタードーナツ」
があります。
確か私が高校生の頃にオープンして、
その時は友人達の間でかなりの話題でした。
チャリンコ飛ばして放課後に駆けつけ、
コーヒーのお代わりをする度に
「これこそ女子高生って感じのするぅ」
と本気で悦に入ってました。
「ダスキンの冊子についとぉクーポン券て、
 こげんお店で使うとやったとねぇっ!」
って分かった時は、ちょっと感動すらしましたし。

そして年月は流れ、
21世紀に入った今、
駅の中のミスドはミスドでありながらも
やはり佐賀らしさに侵されていました。
というのも結構内装が改築されていて、
なんとびっくり、
パン屋みたいなセルフサービス形式になっていたのです!
ミスドってのは、店員さんにショーケースの中から
一個一個取りだしてもらうのが
スタンダードじゃなかったっけ!?
イートインよりテイクアウト重視の田舎暮らしにあわせて、
システムすら変化させるお店の柔軟性にも敬服しながらも、
やはり私はうなだれちゃいました。

嗚呼、中心地の駅構内でこれだもんなぁ、と。

しかし近年一番の衝撃は、
県内唯一のスクランブル交差点(たぶん)の横に
あったはずの、高校時代「おしゃれ」と信じてやまなかった

「佐賀の中心地にあるモスバーガー」

が跡形もなく消えて無くなっていたことでした。
しかも!
確かにモスバーガーがあったその地に替わって
店を構えているのは
マクドナルドでもなくロッテリアでもなく、
バーガーキングでもなけりゃケンタッキーでもなく、

なんと、お弁当屋『ほっかほっか亭』だったのです!

サガンショーーーーーーック!!!
県内で1番栄えているであろうはずの
スクランブル交差点の脇にあったモスが消えて
弁当屋さんでっせ!?
佐賀っぷりにもほどがあらぁ!

時代遅れで導入されたギリギリの都会性のかけらが、
県庁所在地の繁華街という立地条件ですら
成り立っていかないという現実。
もちろん別に佐賀県は、離島とかじゃないんですよ。

ああ、この続きはまたすぐに。

2001-03-24-SAT
TANUKI
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