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イナカモン外伝、逆襲のサガ。
都会の正体とはなんだろう?

<軟膏でお医者の個性を知った日>

入院七日目。
毎日、朝十時に回診があって傷を見てもらうんですけど、
今日はたまたま別の先生に当たりました。

そしたら、その方が「赤ひげ」みたいな先生
だったんですね。
(後で判明したんですが、大堀先生とおっしゃるらしい)
体つきがっしり、ヒゲもワイルドならば、口調もワイルド。
傷口見ながら、でっかい声でいきなり
「おう、どうよ!?」
どうよ、て!
景気良すぎまんがな、せんせ。

「・・・あ、悪くないです。
 昨日いただいた軟膏が効いてるみたいです」
と、ベッドに横たわりお尻を出したまま、
おどおど返事をすると、
「効いてるんだな。よし、じゃあ、
 それ塗っといてやろう!」

言うが早いか、軟膏を手にした先生は
いきなりケツを割ってきて、
ガッ!と軟膏チューブを患部に挿入!
「おはっ!?」

私は流行語大賞みたいな声をあげて、
一瞬の出来事に硬直しました。

この軟膏は、小さな細いチューブ式。
そのままガーゼに取って外側の傷口に塗るも良し、
先端を軽くさしこんで、中へお薬を挿入するもよしという
内側外側の傷に対応できる優れものなんです。

「とりあえず中に入れるのは怖いでしょうから、
 外側に塗っておいたらいいですよ」
とおっしゃってた先日の奥田先生の
アドバイスをものともしないで、
赤ヒゲ先生は腫れてる患部に、ヤツの入り口を挿入なさる。
目にも留まらぬ早技で、入れる軟膏ストライク。

「い、入れちゃったんですか?」
「入れないと気持ちよくないだろう。効かないぞ」

なんか、ここだけ切り取ると
もんのすごい官能小説みたいですけど、
あーた、本人は必死よ。
むに〜っと軟膏が絞り出されて、ひえ〜?冷たいよぉぉ。
「よし!」と先生は満足げに一声。
「あ、ありがとうございました・・・」
私はたった一分足らずの診療にへとへとになりながら、
病室へ戻ったのでありました。

が、それが良かったのかなんなのか、
今日は痛みが全く無くなって、快調快調。
お通じの時の痛みもほとんど無かったし、
だんだんとノーマルな身体へ近づいているようです。
いやぁ、勢いっていうのも時には大事なんですなぁ。
怖かったけど。

お医者さんって個性があるからおもしろいんですよね。
人間性がそのまま治療のスタイルに出てくる。
奥田先生はホームページにもある通り、
「石橋を叩いて渡る」感じの先生。
何事も丁寧に、細かく教えてくださいますから、
私のように自分の病気について詳しく知りつつ
安心して治したい、
という人とは相性がいいと思います。
逆に、
「病気については怖いから必要以上は知りたくないっ、
 とっととやっちまっておくれよ!」った人には
勢い型の先生なんかが、相性いいのかもしれませんね。

双方の快適な治療のためにも、
患者がホームページで病院・医者を選べる、
治療について事前の情報収集ができるっていうサービスは、
これからもどんどん波及していって欲しいなぁ、
と思います。
そしたら医者・患者、両方の「不機嫌」が減るものね。
病院そのものが、ホームページの展開にチカラ入れて、
奥田先生のような個人でのHP作りの頑張りを
サポートする姿勢などを見せていって欲しいものです。

さて、あと二日で退院だー。

2001-05-05-SAT
TANUKI
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