なにか、かたちをちゃんとしようとすると、
いつのまにか、かたちをまもることが、
いちばん大事なことになってしまったりします。
かたちをちゃんとすることが目的のようになって、
もともと、なにをしたくて、なにをしているのかが、
わからなくなってしまうことが、よくあります。
ぼくらのなかにも、そういう要素があります。
このまま行くと、もっとかたちが整うと思われます。
それは、いいことなのだろうか。
直しようがなくなるくらいに固まるまでに、
かたちをちゃんとすることについて、
考え直そうとしています。
これが、ほぼ日刊イトイ新聞の創刊21周年の気分です。
でたらめになるのではないですよ。
みんなによろこんでもらうことと、
じぶんたちが生き生きしててうれしいことと、
その交差点みたいなところで仕事したい。
かたちやわくが先にあって、
それに合わせてやるのは、かえって危険な気がします。
ほぼ日という生きものは、かたちを整えるよりも、
きっと、脱皮がしたいのではないかとイメージします。
そのためには、もっと力をつけなきゃ。
そして、やわらかくならなきゃとしみじみ思います。
そういう意味もあって、
今年の21周年記念日のあいさつは、
こんなふうなことを書いてみました。
AIとか、ロボットとか、機械というものって、
よく役に立とうとしているけれど、
人間とちがって「遊べない」んですよね。
そして、きっと「おもしろがれない」んです。
どの材料でつくられていても、カタブツだからね。
そこらへんのところ、なんだかとても大事な気がする。
人間は「やさしく、つよく、おもしろく」ができるもんね。
と、これを今年2019年の創刊記念日の
あいさつにしようと思います。