糸井 |
みんなからいっぱいメールが来てるよー。
ほとんど制作者としてのメールですね。
「こういうのがいいんじゃないか」って。
昨日さー、岩井俊二監督と対談してて、
おもしろかったんですよ。
シナリオライターに対しても、
みんな、つらいぐらいにいろんなことを
言うらしいんですよ。
でも、そこで例えば
4番が松井だというチームがあって、
キミが5番バッターだとすると・・・。
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みうら |
(笑)なんで糸井さんは
いつもたとえが野球なんですか!
しかも絶対に巨人!
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糸井 |
岩井さんがそういう例を出したんですよ。
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みうら |
イトイさんにわかりやすく言ったんだ(笑)。
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糸井 |
まぁ、でも球場で
「バカヤロー」とか、いろいろなヤジを飛ばす中で
松井がファーボールで塁に出たあとに、
「5番、清原にかわって、あなた」と呼ばれて、
あなたは打席に立つことができるか、と、
岩井さんは、そうやって
シナリオの生徒たちに言ったそうですよ。
一般客席から
バッターボックスにどう行けばいいかもわからない。
「どう立ってどう構えるかもしれないあなたは、
球を投げて打つかどうかということを、
もっと怖がるべきだ、評論せずに」
そうやって、岩井さんは言ったらしいんです。
これはいいなと思って。
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みうら |
関係ないんすけど、
いま俺はリリーフカーに
乗ってたイメージあったな、
でもあれはピッチャーだね・・・。
そのリリーフカーで、まちがえて
ピッチャーのところにいって
笑いをとってから行くと、ほぐれていいかなぁと。
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糸井 |
(笑)まぁ、つまり岩井さんの言葉は、
いずれ知ることだと思うけど、
いまは知らない状態にいる事実に対して、
こわがっていたほうがいいということなんです。
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みうら |
なるほどね。
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岩崎 |
さっき、みうらさんが
「ひょっとこハム太郎」を見せてくれたけど、
あれは、来たなぁ・・・。
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みうら |
あ、来た!
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岩崎 |
天狗も、わたし的には、かなり来てますよー。
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みうら |
ほんとうに来ちゃったらいやですよね。
来ないようにしてますよ(笑)。
俺は、あのブームが来るといいな
来るといいなと思いながら、
「・・・またこねえよ!」
っつって笑われるのが好きなんすよ。
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岩崎 |
でも、わたしの幼稚園の頃に
先生がよく天狗話をしてましたねぇ。
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みうら |
来た?
天狗ブーム来た? 天狗ミート?!
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糸井 |
ほんとうに天狗を見た時、
人はどう思うのかなぁ。鼻が長い、とかかな?
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みうら |
・・・みんな大きい誤解をしてるんだよ!
天狗、鼻がながいっつうけど、
ものすごい長さのさきっちょに
ブタ鼻がついているんじゃないからね。
鼻の穴は唇の上にあるんだよ。
そんで鼻の先っちょだけが伸びてるんだよ?
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糸井 |
(笑)鼻梁が長いんだ
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みうら |
そこは、骨がないし。
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糸井 |
じゃあ、やわらかいのに伸びてるんだ?
天狗の鼻は。
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みうら |
・・・海綿・・・。
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糸井 |
(笑)
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みうら |
やっぱ、血が集まってっから
顔が赤いんですよ。
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糸井 |
(笑)ハハハ。
じゃあ、天狗の顔が赤くない時は、
鼻、たれてるんだ?
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みうら |
たぶんね。
ほら、寝てる時とか
のびてたら、痛いもん。
「・・・折れたぁ!」とかなるし。
マッサージで、
「ちょっと横になってください」
って言われる時だって、あるだろうし。
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糸井 |
(笑)
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みうら |
だから、海綿ですよ。
「あ、横むいてくださいねぇ?」
なんて言われた時には、
やっぱりちょっと別のことを考えて、
鼻をやわらかくする。
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糸井 |
(笑)「別のこと考える」って!
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みうら |
ピタゴラスのこととかでしょう。
「おまえ、天狗になって」
と言われた時には、別のことを考える。
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糸井 |
あぁ、調子に乗らないようにするんだね。
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みうら |
「調子にのる」って、
ほんとはいいことですよね。
調子にのってるわけですから。
「いい加減」だって、イイんだもんねー。
「お調子者」だって、ものすごくいい人ですよね。
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