ITOI

頭出し:電波少年的放送局の62時間。
いくつになっても、馬鹿は馬鹿。

臨時更新で、その時その時の会話をお届け!
数時間ずつ更新で、水曜深夜の座談をご紹介!!

<第3回(23日17時40分更新!)>

零士 体育会系の人って、
しめるところとゆるめるところが
ウマイんですよね。
たまに「しめ」と「ゆるめ」が
逆の人がいるんですよ。
・・・これはぼくら接客業には向いてないんです。
「いいやつ」で終わっちゃうんですよ。
いいやつなんだけどなあ、って。
大貫 「いいやつ」ってやですよねぇ・・・!
糸井 わはははは。
沼澤 (笑)来た来た。
糸井 いいやつには、泣かされるよねぇー。
ときどき、大貫さんのセリフの中に
俺も言いたかったってことが混ざる(笑)。

俺、たとえば、
「少年らしい」って誉め言葉が嫌いなのよ。
そう言われてよろこんでる人もイヤで・・・。
大貫さん、少年っぽいって自認している人はどう?

俺なんか、どんどんオヤジ好きになってるもん。
一般的に「オヤジ」と呼ばれている人たちの
覚悟とか決意とか、そういうのがすごい好き。

零士さんのおっしゃることも
オヤジと言えばオヤジだもんねぇ。
「しめる時はしめて!」みたいな。
零士 昔から受けるタイプは同じなんですよ。
まず、かわいさがあって、
それが「ゆるめ」と「しめ」が逆になっちゃうと、
それはかわいいとは言われないんですよ。
「だらしない」っていうことになる。
糸井 うん。
零士 ぼくらの世界は
ほんとにタテ社会なんですけど、
その中でもできるやつっていうのは、
できないやつから見ると、
なんでこんなやつが!って思うぐらい、
許されることは許されながら上に来るんですよ。
その、できないやつ、っていうのが
割と「いいやつ」系なのかなぁ、と。
沼澤 (笑)すっごいミュージシャンの世界に似てる。
零士 おなじだと思いますよ。
糸井 スポーツの人たちも、そうだよね。
零士 われわれの世界は、露骨ですよね。
沼澤 だから、音楽の世界でいて、
自分がどう思われているんだろう、
ということも、気になったりするんですよ。
あいつはしゃべってばかりで
生意気だ、とか言われたりしますし。
大貫 よくそういうことを言うけど
でも、そんなことないよ。
糸井 沼澤さん、ぜんぜん、
「かわいい」タイプですよ?
大貫 ねぇ、
「人に迷惑かけちゃいけません」
みたいに育てられた?
すっごい、すりこまれてる?
沼澤 それはすごいあった。
たとえば、
お金を借りて買わないといけないことは
できないことだから、それはするな、とか。
人に頼ることは、ちがう、とか。
それはいちばんいけないことだと
言われてきたんです。
だけど、ぼくはアメリカに行く前の
日本にいる時には、ずうっと、
人に迷惑をかけ続けていたんですよ。
大貫 ひとりで生きられないから、
そりゃ、あるよ。
糸井 人生は、とばっちりの連続だよ。
沼澤さんは、とくにすごかったの?
沼澤 ええ、すごかった。
音楽をやる前に、野球とかいろいろ
やっていた時代っていうのは、もうほんとに
絶対にそいつとは友達になりたくないやつで。
糸井 自信を持って言うんだけど、
それがどうも見えてこないのよ。
ほんとにそう?
沼澤 そうなの?
大貫 だったら、そうだったのかもしれない。
今は違うけど、ほんとうは
ものすごくイヤなやつだった、という。
なんかの時に、ポット出てくる・・・?
糸井 それを気にしたり、
心配して暮らしているのかなぁ。
沼澤 いや、アメリカにひとりで行って、
はじめて、どんなに自分がやなやつかわかった。
自分の部屋に電気をひくための
電話をかけることにしてもこわくてできないし、
洗濯も何もかもひとりでやらなきゃならない。

・・・それを知りながら、英語もはなせずに
ひとりで暮らしている部屋の中で、
それまでやってきたことを、
異様に考えるんですよ。
とんでもないことを、今まで、
知らずにいたとは言え、20何年やってきたなぁと。

ドラムをやったりひとりの生活をしたりしはじめて、
その後はこれをくりかえしてはならん、と。
糸井 これは、本人にしかわからないかもね。
その段差みたいなのは、ほんとは
右か左かちょっとずれたものかもしれないけど、
本人にとってはすごい違いがある、というか。
まわりの人は、そんなに思っていないかもよ?

よく俺、昔の自分に会ったら
説教してやりたいぐらいだと思っているけど、
昔からの友達は今もつきあっているから、
そいつからは、たいして変わったとは
思っていないのかもしれないよね。
沼澤 でも、ぼく、
そのアメリカに行く前の友達で
いま会う人って、ひとりもいないですよ。
糸井 俺もある期間のともだちは、いないよ。
大貫 わたしもそうだよ。ふたりぐらい。
糸井 そんなんだよね。
零士 気をつかって会わなくなることもあるし。
ぼくのオンタイムは
昔の友達にとってはオフだし。
交流を持てないことがある。

ぼくは、自分とおなじジャンルの人間には
友達を作らないようにしているんです。
このジャンルでは、
「仲間か、敵か」だけです。
糸井 おぉ・・・。
沼澤 そっかぁ。
零士 自分のまわりは仲間。
だけど、まわりは敵ですよ。
沼澤 商売敵という。
零士 敵を倒すことよりも、
仲間を維持することのほうが難しい。
チームの仲間を増やしたりすることや
ケアしたりすることのほうが、
敵とドンパチすることよりも
ずっと難しいですよ。
大貫 そうですよね。
零士 自分のピラミッドの崩れを防ぐという。
軍の人とかもそうだと思う。
敵がしっかりしていて
戦争だ、となったら総力で戦えるけど、
仲間の裏切りをおさえることのほうが、
難しいんじゃないですかね。
糸井 ゴッドファーザーのような話だね。
大貫 (笑)


(※数時間後に、つづきをおとどけです)

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2002-05-23-THU
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