MM |
うん!味が濃い!
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糸井 |
パイナップルだとかトマトだとかを育ててる現地に
僕は見学に行ったんですよ。
面白いですよ〜。
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MM |
あれ、要するに水をぜんぶシャットアウトして、
与えてる水の量をある程度
自分で把握できればいいわけですよね。
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糸井 |
つまり、顔つきを見て把握するんですよ。
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MM |
誰の?
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糸井 |
トマトの。
下の方の葉っぱがちょっとくらい枯れても、
まだまだ、とか。
そういうのをわかるようになるのが、
今の農業の人の仕事なんですよ。
点滴みたいにパイプ通しといて、
このくらいあげるとか調節すると、
根っこが、水ーっ!っていって長く太く。
水飲んで、あーおいしいーっていって、
いい実がなるんですよ。
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祖父江 |
う〜ん。
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MM |
な〜んか、さじ加減って感じだね。
面白いかも、それやってると。
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糸井 |
面白いと思う。
で、苗1本ごとに、できたトマトの味も違うし、
苗の形も違うし、トマトの甘みも違うんです。
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MM |
もとの苗じたいはいっしょなんでしょ?
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糸井 |
いっしょです。
育ち方で個性が出てきちゃう。
面白いよ。
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MM |
トマト以外にはどんな野菜をやるんですか?
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糸井 |
葉っぱ類の白菜だのほうれん草もあるし。
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MM |
うわっ、白菜とか、
それやったらすっごい美味しいと思う!
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糸井 |
めっちゃ美味いよ。
たとえばほうれん草とかって、
最低必要な肥料の何十倍もあげたりするんですよ。
すると、葉っぱが大きくなって青くなって、
水をいっぱいあげて
ブヨブヨの元気そうな顔した子ができるわけ。
で、それは、実は中で
過栄養で全部毒素になっちゃうわけです。
ほうれん草、生で食べちゃダメだって
言うじゃないですか?
あれは、肥料取りすぎたやつが、
たまっちゃったやつなんですよ。
荒々しく育てたやつは、
バリッバリ生で食えるんです。
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MM |
あの、エグ味みたいなのが?へぇ〜。
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糸井 |
あの、営業妨害になっちゃ悪いけど、
まずいっていうものは肥料のやりすぎなんです。
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MM |
だいたいにおいて?
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糸井 |
だいたいにおいて。
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MM |
ではそれは、作られたまずさなわけですね?
野菜本来のまずさじゃなくて。
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糸井 |
苦味なら苦味であるんですけども、
んーまずい、ていうのは肥料の与えすぎなんです。
ケールの葉っぱでも、生で食べて全然苦くない。
すごいもんですよ、生き物の育て方ってね〜。
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MM |
農業って、将来やったら面白いと思いますね。
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糸井 |
僕もそっち向いてますね。
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MM |
自分的には、畜産っていうものは、
向いていないんですよね。
同じように思えても。
農業はいいよね〜。
1年ごとだし。
あの、育てる感がいいよね〜。
やってみたいのは、農業と陶芸かな?
農業と陶芸は似てると思うんだよ。
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糸井 |
似てるね!
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