鶴瓶 |
(来て早々、気功教室に参加)
野球観られるの?
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糸井 |
観られるよー。
観ようよ観ようよ、巨人阪神戦。
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鶴瓶 |
お、阪神勝ってる勝ってる。
6対0だ。
眠たいんだったら、寝なはれや。
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糸井 |
水飲む?
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鶴瓶 |
おねがいー。
いやいや、久しぶりですなぁ。
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糸井 |
久しぶりー。
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鶴瓶 |
イトイさんと言うと、いつも思い出すねん。
昔に、番組で一緒にまわった時に
エレベーターの中でキレたやつ。
頑固なおっさんにキレて。
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糸井 |
(笑)ハハハハ。
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鶴瓶 |
あれ、おかしかったわぁ。
「いいじゃないか!
あんたには迷惑かけてないだろ!」
って。むこうはまた頑固で・・・。
ひとが怒っているのって、おもしろいね。
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糸井 |
うん。
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鶴瓶 |
自分が沸点に達していないから、
先にキレて。
俺のほうが先にキレそうなタイプなのに、
イトイさんのほうが先にキレるね。
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糸井 |
俺ね、人が怒りたがっている時に、
代理で怒るくせがあるの。
自分だけの時は
どっちでもいいことがおおいけど。
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鶴瓶 |
これは、たぶん誰かが
怒りたがっているだろうな、
という気を感じて、先に怒る。
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糸井 |
でも、怒りは、
(年齢を重ねると)なくなりますね。
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鶴瓶 |
あれなくなりますねぇー。ほんまに。
おかしなもので。
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糸井 |
鶴瓶さん、最近怒りましたか?
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鶴瓶 |
こないだねー。
ひさしぶりにもんのすごい
腹立つ出来事があって、
その時は怒りましたなぁ。
ぼくもイトイさんも、
おいしいところ好きでしょ?
うちの弟子の名前が、
笑福亭瓶成、ってきまったんですよ。
そのお祝いに食べにいってて。
そうしたら、話しかけられて。
「このへんに、おいしい中華ありませんかね?」
ぼくもおいしいところたくさん知ってますからね。
でもそんなん、ひとの食事してるところで
よそのお店を聞くというのも、失礼な話ですよ。
はじめサインしてくれゆうたから
サインしたんですけども。
まぁ、別に話しかけられることは
そんなにかまわないんだけど。
で、教えたら・・・
「なぁー!いい店教えてもらったから、
これ、サインよりも価値あるなぁー!」
って、しかけてきよったんですよ。
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糸井 |
それはしかけてるねぇ!
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鶴瓶 |
まぁ、ええわと思ってたら、
「せやけどなぁ、教えてもろて」
・・・聴こえてるんですよ、こっちに。
「教えてもろて、まずかったら、
『鶴瓶に教えてもうたわ』って言ってやろ!」
言われたんですよ。
・・・これ、失礼でしょ。
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糸井 |
けんか売ってるねぇ(笑)。
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鶴瓶 |
だから、即いいましたわ。
「お前、教えてもろたってゆうたら、
承知せんぞコラァ」
そしたら向こうが慌てふためいたんですよ。
いやいやいや、って。
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糸井 |
どういう人だった?
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鶴瓶 |
顔が嫌いなタイプって、あるでしょう?
なんかちょいちょいしかけてくるんですよ。
相手になってもらいたいんでしょうなぁ。
ほんと、腹たったわぁ。
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糸井 |
ある種のライバル意識なんでしょうねぇ。
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鶴瓶 |
そうそうそう。女連れで。
こっちはおとなしくしてるのやわ。
他のお客さんにも迷惑かけたないじゃないですか。
横で小さい声で、きこえんようにいうたら、
あとで、お店のかたがあやまられまして。
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糸井 |
店の人がこまるよねー。
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鶴瓶 |
ほんとそう。
すんませんねぇこちらこそ、って。
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糸井 |
そういうのって、
うまいじゃない鶴瓶さんって。
前に一緒にめしとか食いにいったけど、
相手したほうがいいときにはするし、
しないときは、しない。
その鶴瓶さんが怒るって、よっぽどだったんだね。
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鶴瓶 |
よっぽどよ!
ほんでね、
「あんた酔うてんでしょ、酔うてんの?」
って連れていた女の人に言われてたもん。
「酔うてない!」って言ってるけど、
こっちとしては、酔うてないとしたら
承知せんぞこらぁ、っていう話ですよ。
失礼で・・・。
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糸井 |
ああいうのって、
ハンデ戦みたいに思ってるんじゃないかな?
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鶴瓶 |
そうそうそう。
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糸井 |
要するに、
「おまえは俺のことを知らないかもしれないけど、
俺はおまえのことを知ってる」
ハンデがあるなら何やってもいい、みたいな。
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鶴瓶 |
イトイさん、一般の人でも怒るでしょ?
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糸井 |
いや、俺はなるべく火をつけないように。
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鶴瓶 |
俺も俺も。
弱いでしょ、こっちは。
弱い立場じゃないですか。
暴れたらめちゃめちゃ言われますしね。
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糸井 |
おおごとになるまえに済ませたい、
みたいな気持ちが、ありますよねー。
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鶴瓶 |
そうそうそう。
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