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「ほぼ日刊イトイ新聞の本」が出るよ!

【以前のほぼ日 その4】
アメリカ、涙のモバイル篇じゃけえのう。

「ほぼ日」表紙のページの言葉の、
かなり昔のものを拾い読みして、以前の姿を
ダイジェスト的に味わおうというコーナーです。

「ほぼ日」では、
darling糸井重里が仕事で出張とか
休暇で旅行とか、それがしかも海外になると、
にわかに、読んでくれてる人の共感力が、高まるんですよ。
モバイルでいったい、何が送られてくるか?に、
『一挙手一投足』のおもしろさが、ありまんのや。

プールでくつろぐ画像、
雪の降る琵琶湖で無理やり釣りをする画像など、
出張中のdarlingの姿に、ほぼ日の
だいご味を感じているかたさえ、多いでしょう。
今日は、創刊4か月の時点で、
アメリカにいった時のモバイルな1週間を
そのまま、お届けいたします。

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1998-10-03-SAT

むかしは、旅が嫌いだった。
理由はよくわからないが、要するにめんどくさかったのだろう。
でも、いまは、旅を嫌いでなくなった。
これは、仕事でロケや出張に行っているうちに、
だんだん慣れていったせいだと思う。
食べ物の場合とおなじで、いろんな行為や行動も、
自分ひとりで「好き嫌いをなおそう」とか思っても、
なかなかできるものではない。
ただねぇ、旅の前後は当然仕事がたてこむわけで、
ひーひー言ってるんです。
明日から、アメリカ。モバイル持ってさ。ひ〜ひ〜っ。

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1998-10-04-SUN

これは、日本で書きだめしておいた文です。
たぶん、ぼくは飛行機のなかです。
「あ、もういやんなっちゃうくらいステキなスチュワーデスだっ!
え、えーと、和食をプリーズ・・・わぁ、おいしいいいっ」
なんて夢をみながら、徹夜続きのぶんをとりかえそうと、
ひたすら眠り続けているにちがいないのです。
持っていく本は、こういう時のために読まずにがまんしていた、
「塗仏の宴・京極夏彦」を2冊と、なにかあと1冊です。
きょうは、たしか「進ぬ電波少年」の特番のある日でしょ?
山中湖のスワンボートは、無事東京に着いたんだろうか?

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1998-10-05-MON

月曜日ですね。でしょ?
まだ、これは日本で書きだめしておいたものです。
もし仮に、間に合えば、この日からアメリカからの原稿を、
送るつもりでいたんだけれど・・・これが出ているということは、
やっぱり無理だったということですね。
時差のこととか考えると「ほぼ無理」はわかってはいたんだけど。
残念ですが、読者の皆さまは、
この、金曜日の昼間に書いた、
「酸っぱくなった白菜漬け」のような原稿を読んでるわけです。
ちょっといやな感じ?
ぼく自身も残念ではありますが、おたがい我慢ということで、ね。

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1998-10-07-WED

昨日はフロリダからサイシンの原稿届いたのに・・・。
今日は不通でした。ダーリンさん、アーユーオーケイ?
ってことで、渡米前の書き貯めネタで元気にいこう。

『モバイルでフロリダから原稿送る作戦、大失敗!
「あー、あー、本日は晴天なり」
この原稿は、絶対に掲載されないということを前提に、
先週金曜日の夕方に、保険の意味で書いておいたものです。
きっと、ぼくはアメリカで、泣いているんです!!』

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1998-10-08-THU

ほっんとに、帰りたい!
モバイルの時代ですよ、なんて平然と言ってる人も、
いまのぼくみたいな目にあったら、静かになると思うね。
もう、報告したくないほどタイヘンだったんだよー。
英語の人々の講演などは、同時通訳のおかげで、
いくらかはおもしろいときもあった。でも、ほとんどつまらん。
アメリカでも12月に封切りっていう映画を観て、
これはおもしろかった。「エナミー オブ ステイツ」っていう。
めし? まずいよ、当然でしょ。
でも、あしたは早朝に90分だけ、釣りができるんだ。
まさか、魚も、つくりものじゃあるまいな? 

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1998-10-09-FRI

ディズニーワールドのなかの池では、バスが釣れる。
ほとんどカンテツ状態で釣りしたですよ、2時間弱。
同行のツカゴシさん、生涯初のバス(40センチ弱)を、1本。
ぼくも35センチくらいのを1本。フッキングミスが3つくらいかな。
あの壮大な舞台美術のような場所で、現実のサカナを釣ると、
なんだか、なつかしくて、ほっとするものだよ。
ま、ここは、湖沼が3万あるというフロリダだもんなぁ。
しかし、「タイトル未定新連載」、
外国で見ると・・・スゴイというか・・・。
帰国したらすぐにカタチにしますので、しばらくご辛抱ください。

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自分も旅してる感じをあじわえるからか、
こうした一種の「軽い冒険もの」は、人気なんですっ。

(明日につづきまっせい)

2001-04-11-WED

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