「ほぼ日刊イトイ新聞の本」が出るよ! |
【以前のほぼ日 その7】 テレビと遊ぶ1週間(1999年3月) 1999年の3月上旬の「今日のダーリン」から。 ほぼ日読者が増えはじめた時期です。 ----------------------------------------- 1999-03-02 「やりかけ」にしていることって、ありますか? なかには、「やりかけ」にしていることすら忘れてたり。 ぼくは、山ほどあります。 ここ数年、春先になると思い出す「やりかけ」があります。 近所の、青山墓地というところは、 花見の名所なのですが、もう、いまごろから花が咲いています。 もう桜が咲いてるゾ!と思ってから、 まてよ、あれは梅か? いや、桃の節句の季節だし、桃か? と、わからなくなってしまうのです。 クルマで通りがかるだけなので、 一瞬のうちに判断できなくてはいけません。 歩いて来て、よーく見ればいいのかもしれませんが、 それをしようと思っているうちに、 桜が満開になってしまって、なにがなんだったか?? わからなくなっちゃう。 梅なら梅、桃なら桃と、かたまって咲いている場合は、 判断がつきやすいのですが、桜の名所ですからねぇ・・・。 瞬時で、梅と桃と桜の区別がつく見分け方を、 今年こそ調べておこうと、 何年もくりかえし思ってるわけなんであります。 1999-03-04 いよいよ、世にも珍しい「出張中継」です。 中国と言っても、日本の中国地方ですね。 「尾道」にたどりつきましたアタクシ。 なんつったって、また徹夜続きの状態で、 朝の5時半に家を出て、 尾道で歩きまわるロケなんすから。 NHK-BSのロケなんですよー。 尾道に来て、尾道にまつわるクイズを作って、 いいクイズが出来たら「えらい」って番組なんです。 だから、きょうはですね、 映像なしのライブ中継を、やってみましょう。 ぼくが、尾道のどこいらへんを歩いているか、 刻々と東京・鼠穴の「ほぼ日」に連絡を入れるわけです。 メディアはメールかもしれないし、携帯電話かもしれない。 自分で連絡出来ないときは、キヨタさんに頼む。 そうやって、連絡ごとに、 このページに、「いまdarlingは、どこにいる」と、 具体的に書き込んでいくわけです。 はっきり申しあげますが、なんのためにやるのか、 自分にもまったく意味がわからない! 尾道に住んでいる「ほぼ日」読者が、1人でもいれば、 ほんの少しは関係あるかもしれないけれど、 全国の読者には、なーんにも関係ないような気がします。 でも、やってみます。なぜか? <自分だったら、そういうものを読むような気がする> なんで読むのかは、わかりませんけれどね。 1999-03-05 まだ今日は尾道にいるんだよーん。 畑がそばにある子供とか、 キュウリやトマトをもいで食べるでしょう。 その場面とそっくりな感じで。 トマト畑が、魚の育つ海になっているという印象が、 尾道にはあるんだなぁ。 おばちゃんが、港とか道の四つ角とかに、 まな板を置いて、活きた魚を、さばいて売っているんです。 カレイの大きめの活き作りが1000円くらいだったね。 お皿も持った奥さん連中が、夕食のために買いに来て しゃがみこんで魚さばくのを待っているんだよ。 みんな親切だしね、尾道ラーメンおいしかったし、 眠いこと以外は、最高です。 でも、このロケのハードさより、 ふだんの鼠穴にいるときのキビシサのほうが、 よりキツイと思いました。 睡眠時間をさらに削っているのが、 武道研究の甲野善紀さんの本ですけどねぇ。 今日の夜は、もう東京にもどっています。 1999-03-06 すごいもんだなぁ、とつくづく思うのはテレビってもの。 東京を離れると、ますますそれを感じるですね。 とにかく、テレビで見たか見なかったかが、何かを決める。 だってさ、例えば、広島の「もみじまんじゅう」だって、 昔「B&B」が、冗談にしていた土産ものでしょう。 からかい半分で、紹介していたんだけど、 それがある意味では最も「ユーメイな土産もの」 ということになっているようです。 金曜日のお昼、番組収録中に「笑っていいとも」の電話が、 清水ミチコさんから回ってきたんですが、 その直後には、尾道の町を歩いていたら、 「いいとも見ますからネェ」と声をかけられること! なんたって視聴率の1%が、百万人だっていうからなぁ。 10%で、一千万人ですからねぇ、驚きます。 「ほぼ日」がひと月かけて、テレビの1%って勘定でしょ。 テレビに出演して、ナイスな嘘をつければ、 「ほぼ日」で毎日くそまじめにメッセージするより、 ずっと多くの日本人に、「あの人は、いい!」とか、 お得な誤解をしてもらえるわけですわ。 でも、それは、やっぱりちがうと思うんですよ。 なんていうか、「お得な誤解」を求めたら、 何かを失っちゃうような気がするんですね。 明日も、ここで、この続きを書こうと思います。 1999-03-07 きのう予告しましたので、明日のお昼の予想をしましょう。 「笑っていいとも」の「輪」のゲストになると、 どういうわけか「おめでとうございます」と言われます。 このへんが、不思議な番組なんですが、 花や、電報が届いたりします。 たぶんぼくは、これが4度目の出演だと思いますが、 今回の注目のひとつは、電報も花も「ない」のではないか、 というあたりでしょうか? どう考えても、誰かが花や電報をくださるとは思えない。 このへんにタモリさんがツッコミをいれるのでしょうか。 ツッコミといえば、いま、右のほっぺたにできている 吹き出物についても、ひとつ入りそうですね。 あとは、「笑っていいとも」というタイトルに合わせた、 笑えるネタが、出るかどうかでしょうか? あいにく、ぼくには、持ち合わせがありませんので、 飛び出したとしたら完全に偶然でしょうね。 ほんとは、「ほぼ日」のことを言いたいのですが、 その話題に持っていけるかどうか、予断を許しません。 Tシャツと、CDロムを持っていってみましょう。 予想では、あんまり喜ばれない気がします。 さぁ、このデータソースを元にして、 月曜日のお昼の「予想」をズバズバ当てて、 社員食堂のヒーローになってください! 「あ、あ、あの紙袋はTシャツが入っているんだよ」とか。 あと、話題に出る可能性があるのは、「ベア」のこと。 次のおともだちを、言えたら「チワワ」と言ってみたい。 そのへんが大穴ですね。 テレビをこんなふうに遊べるのは、 「ほぼ日」読者だけですぜ(笑)。 1999-03-09 昨日の月曜日から「ほぼ日」を読みはじめたという、 新しい読者も多いと思います。 「笑っていいとも」で、 アドレスをちゃんと言わなかったので、ちょっと、 たどりつくのに苦労をかけちまったかもしれませんね。 でもねぇ、「アクセスできませんでした」 っていうくらいだから、すごかったんでしょうねぇ。 夜中のアクセスログレポートを見たら、 いつもより!!!!!くらい増えていました。 だーから「テレビってものすごい」って、 おそれいっちゃうんですよねぇ。 一方、従来からの読者の皆さん、 お仲間が増えたことを、どうぞ歓迎してください。 よくいるじゃないですか・・・ 「好きなレコードは他人に教えないんだ」なんて、 閉じこもりがちな人って。あれは、ダメよ。 ONLY is not LONELY. <たったひとりであることは、ひとりぼっちじゃない> あなたの助けるだれかに、あなたも助けられる。 見知らぬ人どうしが、ま、なかよくやっていきましょう。 それはそうと、 日曜日のこのページの予想は、外れたり当たったりでした。 まず、お花をくださった人がちゃんといたこと。 ほんとに、感謝するしかありません。 日頃の不義理を積み重ねているワタクシのような者に。 それと、ほっぺたの吹き出物に、 タモリさんのツッコミが入らなかった。これは、ハズレた。 そして、おともだちの紹介、「チワワ」って言えた! 会場全体が、激しく引きましたね。感無量です。 ともだちの輪を断ち切ってしまうかと、怖かったです。 でも、「永遠」ってないんだしね、それもいいかな? タモリさん、「坂道研究会」の玉稿、 6歳のこどものような純真な瞳でお待ちしますわ。 1999-03-10 「モテナイ光線」については、いまだに研究中です。 もともとは、あまりの「働き者ブーム」のために、 なりふりかまわず、というムードを盛り上げようと、 自分で意識しながら身だしなみにかまわなくなっていった はずなのですが、徐々にそれが板に付いてきて、 おのれの姿が鏡に映った瞬間に「おおっ!サエナイ!」と、 衝撃を受けるほどになってしまったのです。 /FONTジーンズの味だしのために、同じジーンズを連続して 1年以上もはき続けていたのも、遠因でしょう。 「ほぼ日」Tシャツやパーカーを、 ユニフォームと位置づけてなるべく着ようとしているのも、 着た切り雀の印象をかもしだしますね。 しかし、同時に、バブル期とおなじようなエエカッコしてる 「おしゃれさん」な男性を見ると、 すっごくカッコ悪く思えて、反撥していたという気分も 正直言ってあるように思われます。 時間がなくて、何を着ようかとか考える余裕があるなら、 一本企画を考えようなんて思っちゃってるのも、 おおきな原因だと思います。 「モテナイ光線」が強く放射されはじめると、 精神まで変化してきます。 家のなかだけだけど、オナラはし放題になります。 いつでもどこでも気配を消して寝られるようになります。 近くに「素敵なお嬢さん」がいても、 「おっ」とか感じなくなります。 さっき、みうらじゅんちゃんと電話で話していて、 「イトイさんは、まだ大丈夫ですよ」と言われたけど、 電話じゃ俺の光線をじかに浴びてないから言えるんだぜ。 いまのぼくは、ある意味でやっぱり 間違っていると、思います。 働くことの愉しさと豊かさが両立できるようにならないと、 「国防色」な軍人になっちまいます。 -------------------------------------------- 最近読みはじめた人は、 以前の「今日のダーリン」に意外さを感じ、 昔から読んでいた人は、あそこで読んでた、 と風景が浮かんでくるようです。 そういうものなのかもしれませんね。 明日の、「以前のほぼ日」に、つづきます。 |
2001-04-14-SAT
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