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「ほぼ日刊イトイ新聞の本」が出るよ!

【以前のほぼ日 その15】
おやすみシエスタの文章、2000年8月です。


今日は日曜日なわけで、
この「以前のほぼ日」をはじめた時から、
休日に、掲載したいなあと考えていたものを、
紹介しちゃいたい!と思います。

去年の夏のシエスタモードでの「今日のダーリン」。
休日にまとめて読むと、気持ちがいいと思うんだー。

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2000-08-02

ほんとに、つくづく夏ですなぁ。
「ほぼ日」もシエスタモードに入るとか宣言したわりには、
密度濃いめのメニューを続けていますが、
まぁ、許しておくんなはい。
ってことで、思いっきり内容のうすいこと、書きましょう。
ワタクシ、個人的には夏風邪状態でありまして、
ふしぶしが痛いだのだるいだの言いながら、
さまざまな用事をこなしたり、文字を書いたり、
ミーティングしたり、謝ったり、お断りしたり、
短く居眠りしたり、引っ越しの手助けしたり、
横目で野球観たり、斜めに本を読んだり、途方に暮れたり、
電動手助け自転車買うのやめたり、
磁石をサロンパスで腰に貼り付けたり、
バタートーストになめ茸のせて食ったり、
『サイダーハウスルール』観たがったり、悩んだり、
つくり笑いしたり、新聞読んだり、研究したり、
メモしたり、放屁したり、寝ころんだり、
祈ったり、カフェラテ飲んだり、
ピータン豆腐思いだしたり、青春の日々を語ったり、
歯ぎしりしたり、気をひきしめたりしております。
明日も、ほんとは似たようなものだと思います。
ぼくのことをじっと観察している妖精とかいたら、
「この人、なんにもしてないなぁ」と思うんだろうなぁ。
どう? シエスタモードっぽくなってきた?


2000-08-03

いま、ほんとに昼寝してやったぜ、わはは。
「ほぼ日」シエスタモード宣言してから、
なにが変わったのかと言われても、よくわかんないけど、
じょじょに、スリム化をはかっていこうとしています。
力を抜くとかってことではないのですが、
なんとなく、漠然とでいいから夏休みっぽくね。
歯をくいしばったり汗かいたりして作ってないのに、
来たくなるようなページが作れれば最高ですね。
だけど、それって、また大変なことだよなぁ。
いままで2年以上も、努力努力でごまかしてきたことを、
一度見直してみようってことですからね。
「ビンボーでへたくそなんだから、
せめて泥まみれで汗かいてやってくしかない」
と、言ってきたことを、
それだけじゃだめなんだ、もひとつレベルアップしよう
という意味でもあるからね。
ことばではシエスタとは言うものの、
もっと大きな視点を持つようにしていかなきゃね。
「木陰にいろんな本を持っていってさ、
眠気にあわせて風に吹かれながら読んでいる」
そういう感じの、夏の「ほぼ日」ってできないものかなぁ。
長い目で、見てやってください。
まだまだ、そういう力量はないように思うんで。

2000-08-08

みなさん休んでますかぁ?
夏はあっちいから、さぼったり昼寝したりして
「やる気ねぇよ」とか、かったるくほざいてますかーっ?
なんてったって、シエスタモードですからね「ほぼ日」も。
ぼくなんか、昨日は仕事場にも行かなかったですからね。
わはははは、すごいだろう。有言実行だろ。
・・・実は、外での仕事がずううううっと続いてて、
出勤する前に真夜中になっていたのさ。
お昼前に買っておいたアイスのカフェラテを、
冷蔵庫のチルドのところに入れておいたので、
朝が明けるのを待ちながら、19時間後に飲んだりしてる。
けっこうおいしいよ。
ジミ。
このところ、インターネットというものの、
なんか「ほんとのところ」が、
なんとなくわかってきたような気がしてきてさ。
暑忙しいんだけど、気分は晴れてるんだよなぁ。
たぶん、キイワードは『可能性』ってやつだね。
可能性そのものが、インターネットの実態なんだと、
言ってしまったらどうなんだろう。
これ、古いよとか、普通じゃないっすかと、
簡単に言われちゃいそうだけど、
そういうもんじゃないんだよなぁ。
3年後くらいに、きっとみんながそういうこと言い出す。
「インターネットとは、可能性のことだ」と、さ。


2000-08-09

西伊豆のタコさん、カニさん、こんにちは。
ぼくは、お昼に東京を出発して、
出版社の男性ふたりと共に、土肥に行くからね。
毎年おなじみの吉本隆明さん一家の民宿に一泊さ。
だけどなぁ、かつては、この夏の行事も、
純粋に遊びだけで参加していたんだよなぁ。
ところが、去年も今年も、
仕事にかこつけて、というような旅になってるよ。
今年の場合は、かつて若年男性誌に連載していた
吉本さんの『悪人正機頁』ってやつを単行本にするんで、
その打ち合わせっていう理由さ。
内容を少しプラスして本にするんだけれど、
この出版はうれしいですよー。
一昨年の春から約1年間、毎週、
吉本さんのことばをまとめて徹夜で原稿作っていたもんな。
しんどかったけれど、どんな質問にも、
それこそ快刀乱麻って感じで答えてくれる吉本さんは、
なべぶた持った武芸者のようだったし、
同時にそのへんのおじさんみたいだった。
タイトルさえ未定の単行本だけれど、
朝日出版社だから、出たら必ず買ってくれと、
熱く宣伝しちゃいます。
で〜もな〜〜〜〜、仕事関係なく、
あの土肥の「つまらない海」に
退屈とたわむれに行くって感じがよかったんだけどなぁ。
ムスメがおむつしていた頃から、毎年行ってたもんなぁ。
では、おそらくモバイル不通な海に、行ってきまーす!


2000-08-10

うっみで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っす。
海水浴場で〜〜〜す。
波の音が聞こえますか。
貝がらを耳にあてると人魚の嘆きが聞こえるんだよ。
でも、その貝って、サザエもアサリも似合わないねぇ。
ホラ貝なんかも、ちがう感じだねぇ。
やっぱり、そういう時のおしゃれ系の貝がらって、
ホタテ系って気がするねぇ。根拠ないけどさ。
ホタテ系といっても、まだ中に身のある貝はよくないねぇ。
けっこう限定されてるもんだね、こういう場面も。
しかし、こうして書いている場所は東京なんです。
西伊豆って、モバイルには最悪な環境だったんで、
あらかじめ予定稿を書いてから出発したのさ。
今日の夜には東京に戻っているんですけどね、
モバイルの状態が悪いからって理由で、
一日休んじゃうなんてことになったら口惜しいでしょ。
だから、いわば、録書でお届けしているわけです。
学生の人たちが夏休みに入ったので、
学校から「ほぼ日」にアクセスしてた人が、
欠席している昨今ですが、
たぶん今日あたりから、旅行中の読者のアクセスが
暫時減少していくと予想されます。
読者もシエスタモードに入ってるわけです。
でも、ぼくらのシエスタは、うす目を開けて
次の動きを考えているような
貧乏くさい昼寝ですから、こんなんじゃダメですよね。
ちゃんとしっかり「ほぼ日」を作ることと、
たのしく休みを遊ぶことが、両立しないってのは、
「遊びの思想」がてんでなっとらんってことなんですよね。
たりらりら〜〜〜〜ん。


2000-08-11

結局、東京にいる以上に睡眠時間が少なくなったけれど、
がんばって海に行ってよかった。
毎日のリズムとちがう一日ができたことで、
いつもなら考えないような思いつきができたし、
なにか別の筋肉が「やっと動けたよ」と、
もぞもぞしはじめたような気がする。
海辺でかき氷なんか突っつきながら、
「こういうタイトルの本、どうよ?目次もできてるんだ」
と、同行の編集者氏に語ってる自分は、
あきらかに「遊び」としてものを考えていたように思う。
リリー・フランキーのイラストのTシャツ着ていたら、
吉本家の次女に、えらくうらやましがられた。
わるい気はしなかったね。
しかし、彼女の背中のバッグには、ぬあんと、
奈良美智の絵が手描きで描いてある。
そうか考えてみたら、いっしょに仕事もしてるし、
けっこうかなり親しいダチらしい。
奈良美智サイトのURLを教えてもらったので、
帰京してから長い時間それを見ていた。
吉本ばななになってしまった次女嬢は、
2歳の頃から知っているうちの娘が
18歳になっているということに、格別に驚愕。
「どんな服、着てるの」とか「どんな音楽聴いてる?」
といった質問を連発してくるが、
その「想像のヒントを求める方法」のほうが、
ぼくにはかえっておもしろかった。
会社員どうしで、ともだちの近況を語るとき、
「どんな服着てるんだい?」とか、ありえないものなぁ。


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(つづきます)

2001-04-22-SUN

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