第10回 虫好きも、虫嫌いにも、虫博士。

虫博士も第10回を迎え、
ますます皆さまに、虫にご縁がありますよう、
お祈り申し上げます〜!
「愛されない虫の広場R」を担当しているシェフからも
一言ご挨拶です。

え〜、私は虫が嫌いですという皆様。
嫌いには好きが混ざっている可能性があると
つねづね糸井重里も申しております。
「カツオ、勉強しなさい。
 いやよいやよも好きのうちと言うだろう!」
「そりゃ女を口説くときの言葉ですよお父さん」
「ありゃそうだったかマスオ君」
いやいや虫もおんなじです。
御当人ががこっちに来たりすると
「ひょえー」とか「にょあー」とか
妙な裏声で叫んでしまう胸囲1メートルの私ですが
なんとか「愛されない虫」の不定期コラムを担当し
ここまで続きました!
これからもますます皆様に嫌がられるよう
精進してまいります!
どうぞみなさまイヤーな体験や、
うげーな画像、いっしょに楽しみましょう!
(愛されない虫の広場R 担当:シェフ)


想像力過多気味のシェフから
メールで虫の卵系の画像など送ってくるのですが、
ごはんの時間が近い時などにはぜ〜ったい見ません。
しかもそのあと、ニヤニヤと私の側に近づいてきて、
「見た?」って聞くときの嬉しそうな顔は、
にくたらしいくらいです。
でも、愛嬌で許せるのは、
さすが、虫占いでカメムシだっただけあります。
(虫占いについては、第6回目を見てみてくださいね)
シェフ、これからも愛されない虫でいてくださいね!
あ、違うか、愛されない虫をよろしくお願いします!
ということで、
虫好きも虫嫌いも楽しめる「虫博士たち。」として、
これからもパワーアップしてお送りしたいと思いますので、
これからも、どんどんメールをお待ちしています。
バシバシ写真も掲載させていただきますよ〜!

さて、そんな心新たな「虫博士たち。」第10回目は、
ふらりと現れた虫好きの紳士のお話しを
お送りしようと思います。

たまに「ほぼ日」に現れる虫博士たち、
そんな「ほぼ日」の周りにいる虫好きな人のお話しを
今後もご紹介していく予定にしております!
どんなゲストがふらっと立ち寄ってくれるか、
楽しみにしていてくださいね。

今日は、第1回目にも登場してくださった、
グラフィック・クリエイターの「森川幸人さん」。
虫たちのとんでもない性の話をモチーフにした
大好評『ヌカカの結婚』の著者である森川さんが、
昆虫の生態に興味を持つきっかけとなった
ガガンボモドキの愛のプレゼント攻撃のお話しです。
それにしても、女装するオスって何々?!?!



森川幸人さん
(グラフィック・クリエイター)


昆虫の生態に興味を持つきっかけとなったのは、
『ガガンボモドキのおかしな性行動』という本で、
ガガンボモドキの生態を知ってからです。

よく人間ならではの行動だと思っていた行動や情動が、
他の動物がすでに? やっているなんて話は
よく聞きますが、
それは、たいがいはサルだったり、
ほ乳類レベルのことなので、
そーでしょうね、あるでしょうねと
冷静に受け入れられていたんですけど、
ムシにすでに? そーゆー行動が見られると知って
驚いたのでした。
しかも、恋愛っていうかセックスについて。
自分が苦い青春期の体験の中で
獲得してきたと思っていた「作戦」が、
すでにムシ、しかもあのガガンボモドキ
(蚊のバッタ物ぽい、デカイ、ひょろひょろしたムシ)が
やっていたと知って愕然としたのでした。

ガガンボモドキのメスは、
交尾する相手となるオスをどう選ぶかというと、
一番大きなプレゼント(エサ)を
持ってきたオスを選びます。
ライバルがいないときでさえ、手ぶらのオスはもちろん、
小さいプレゼントをもってきたオスも相手にされません。
甲斐性のあるオスだけがパートナーとして選ばれます。

恋愛の成功はプレゼントです。
いかに女性のお気に入りのプレゼントを
わたすことができるか、それが勝負の決め手。

ちなみに、
そうしたわけでガガンボモドキのオスは、
必至に大きなプレゼント(ムシ)を探すわけですが、
中には、そういう努力を一切しないで、
女装してプレゼントをもってくるオスを待ちかまえ、
まんまとひっかかったオスのエサを横取りして逃げ去り、
自分のプレゼントとして使う
「美人局」的なオスもいるようです。

『ガガンボモドキのおかしな性行動』
日高敏隆 日経サイエンス編集部

そ、そんなことが虫の世界にあるとは、
ほんとに驚きです!
ガガンボモドキ的な要素って、
もしかしたら人間の
全女性の奥底にもあるんでしょうかね?
‥‥あるんでしょうね。
私も、でっかいプレゼントを待ちたいと思います!
それにしても、女装するオス、気になります。

では来週もこのページでばったり遭遇、
いえ、お会いしましょう〜。


今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleの
 イメージ検索を利用しています。)


ガガンボモドキ

 

2005-10-09-SUN



(c)2005 Hobo Nikkan Itoi Shinbun