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トイレに擬態するガ。
私の住んでいる近所の公衆トイレのドアに、
毎年、秋になるとガの一種と思われる昆虫が
やって来るのです。
初めて彼等の姿を発見した時は、
どう見ても朽ちた枝か梢にしか見えませんでした。
近づいてよく見ると、足や触覚があって
「アー、昆虫か」と納得したのですが、
最初は何かのオブジェかデザインかと思うほど、
うまく擬態していました。
ただどう考えても、
あまりにも場違いな所で懸命に、
その気になっている彼等を見ていると思わず、
「君たち悪いけど、ここはトイレで
森はあっちの方なんだけどなぁ」と、
突っ込みを入れたくなりました。
私の推測なんですが、
蛍光灯の光に引き寄せられた彼らは、
一晩中、飛び回ったあげく疲れ果てて、
木製のドアを、樹木か何かと勘違いして
木に留まってしまったんじゃないかと、
勝手に想像しています。
(眞) |