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この「虫博士たち。」記念すべき第1回目に
登場してくださって以来、
たびたび、この「虫博士たち。」を訪れては、
とっても面白い虫話を聞かせてくださる、
編集者の柳瀬博一さんから、
またまた面白そうなお知らせが届きました。
「養老孟司先生の
虫に関する新しい本が出るんですよ〜」
とのことで、さっそくご紹介しようと思ったら‥‥
この「養老孟司のデジタル昆虫図鑑」、
編集しているのは、柳瀬さんご本人じゃないですか!
それなら、ぜひ柳瀬さんに
本には載っていないエピソードも交えながら
ご紹介していただきたい! ということで、
本日は、柳瀬さんからの
虫(本)話をお送りいたしますね。
今からご紹介する本は、
虫好きで有名な養老先生自らが
家庭用スキャナを駆使して、
ご自身の貴重なコレクションを「撮影」して作った、
手作りの昆虫図鑑、とのこと。
では、お楽しみください〜!
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スキャナで昆虫図鑑!!
全国の虫博士の皆様!
このたび、虫博士業界の大立者、
養老孟司さんが、
なんと手作りの昆虫図鑑を発行いたしました。
それが、これからご紹介する
『養老孟司のデジタル昆虫図鑑』
(日経BP社刊)です。
養老さんといえば、
『バカの壁』に『唯脳論』、ですが、
大の虫好き、という側面も
広く知られるようになってきました。
そうそう、その養老さんの虫博士ぶりは、
このコーナーの第1回目にも
ちょっと紹介させていただきました。
そんな養老さんが自らの虫コレクションを開陳し、
虫に対する愛情を惜しみなく注いだ
エッセイを集めたのが本書です。
全ページオールカラーで、
珍妙な虫、綺麗な虫、かっこいい虫が
これでもかと登場し、
養老さんがユーモアたっぷりの文章で
彼らのプロフィールを紹介していきます。
(拡大)
オオキノコムシ
(拡大)
タマムシ
(拡大)
トゲナシトゲトゲ
(拡大)
アウラタキンイロクワガタ
そして――。本の中に登場する虫の写真、
実はすべて養老さんのおうちにある、
家庭用のプリンタスキャナ複合機で撮影しています。
プリンタスキャナ、といえば、
写真入り年賀状をつくるときに活躍する、
あれ、です。
え、どうしてあれで実際の昆虫の写真が撮れるの?
そう思われるかもしれません。
撮れちゃうんです、ほんとうに。
そもそも、この本も、
家庭用のスキャナで虫の実物写真が簡単に撮れる、
というのを養老さんが知ったのが
きっかけでできたのです。
2年前の夏のことです。
養老さんの自宅に仕事でうかがったところ、
養老さんがにやにやしながら
一枚の写真を振りかざしてぼくに渡したのです。
写真には、「オトシブミ」の標本が
。
「どう? 綺麗に撮れているでしょ?」
「あれ、養老さん、カメラやらないですよね、
どうやって撮ったんですか?」
小さな虫の標本の写真をカメラで撮るには、
ストロボやマクロレンズなど
専用機材とテクニックが必要です。
オトシブミは1センチに満たない小さな虫。
普段写真を撮らない養老さんが
どうやってこの写真を撮ったのか不思議でした。
すると養老さん、
「これで撮ったんだよ」
と机の上を指差します。
そこには、家庭用スキャナが。
「こんなもので、どうやって
虫の標本の写真が撮れるんですか?」
「まあ、見てて」
養老さんは、スキャナのカバーをとって、
本体の間に本を二冊はさんで隙間をつくり、
スキャナのガラス面の上に、
虫の標本を背中が下になるように載せました。
接続してあるパソコンでスキャナを操作すると、
なんとものの1分ほどで小指の先ほどの虫の画像が、
パソコンの画面いっぱいに映し出されたのです。
なんとも簡単。
ストロボも、マクロレンズも、カメラもなしで、
誰でもこんな綺麗な写真がとれちゃうんだ!
正直、びっくりしました。
「スキャナって、巨大なデジカメなんですね」
「そう。これ使えば、簡単に図鑑ができるよね」
などと雑談して2年、ほんとにつくっちゃったのが、
この「デジタル図鑑」というわけです。
もしご自宅にプリンタスキャナや
スキャナがありましたら、ぜひ一度、
ムシの写真を撮ってみてください。
別に虫じゃなくてもOK。
花でも、葉っぱでも、石ころでも、鳥の羽でも、
どんどんスキャンして、
PCの画面に映し出したり
プリントアウトして眺めてみましょう。
普段見過ごしていた
小さきもののディテールの美しさに、
はっと気づかされます。
スキャンした写真データをもとに、夏休み、
親子でオリジナル図鑑をつくることだってできます。
おっと、その前に、
まずは本書をお読みくださいませ。
(日経BP社 柳瀬博一)
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プリンタスキャナの新しい遊び方ですね〜。
立体のものもスキャンできるんだと、
ちょっと驚いたのですが、
考えてみれば、わたしたちが商品写真のために
よくスキャンする本だって、
じゅうぶん立体のものですもんね。
養老先生の柔軟な発想に恐れ入りました。
そして、何よりも
本の中の養老先生が楽しそうなんです。
「そのタマムシ、でかすぎですから!」
と、読みながら思わずつっこみたくなるような、
そんな雰囲気も
お楽しみいただけるのではないかと思います。
柳瀬さん、ご紹介をありがとうございました!
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2006-07-16-SUN |