第53回 今日はとことん、ヘビトンボ。

第52回でご紹介しました、
ムシキライさんからの
「カマキリでセミ?」という質問に、
たくさんの方からメールをいただきましたよ。
虫博士チームの力足らずなところを、
全国の虫博士たちが、
すかさずフォローしてくださいました。
ありがとうございました!

さて、頭はカマキリのようで、
翅はセミのよう、という虫は、
「ヘビトンボ」という虫らしいのですが、
名前からして、すでに興味津々です。

では、どんな虫なのか、
全国の虫博士たちからいただいたメールを
ご覧ください〜。
(画像は、下の「今日の虫検索」でごらんくださいね!)



コワイ顔でインパクトあり。

頭はカマキリ、
翅はセミのような虫のことですが、
ヘビトンボではないでしょうか。
私も数回しか生で見たことがないのですが、
コワイ顔でかなりインパクトのある虫です。
いかがでしょうか?
(Anissa)

コワイ顏なんだ‥‥、
と恐々と画像を検索してみたところ、
確かに、幼虫も成虫も迫力があります!
「ヘビトンボ」という名前にも、
インパクトがありますよね。
名前の由来を調べてみたところ、
大あごで噛みついてくる姿や、
長い胴体を持ち上げて飛ぶ姿が、
ヘビの鎌首をもたげる姿に似ているからだとか、
顏がヘビに似ているからだとか、
言われているようです。


マゴタロウムシとも呼ばれます。

多数の突っ込みが来てると思いますが、
明らかにヘビトンボです。
田舎でよく見たムシです。
幼虫のマゴタロウムシが格好いいです。
(ぴよぴよ丸)

孫太郎虫(マゴタロウムシ)とも
呼ばれているんですね。
ヘビトンボの幼虫は、「かんのむし」の薬として、
用いられていたそうですよ。


成虫の寿命は約2週間。

いくつかお便りが届いているかもしれませんが、
そのセミのような蟷螂のような虫は、
ヘビトンボという虫です。
幼虫はきれいな清流の中でしか生きられないので、
ヘビトンボがいる地方は、
水が澄んだ環境の豊かなところだと
いうことができます。
私は高校の生物部の合宿で、
標高1500mの山の麓の山荘に宿泊したとき、
初めてヘビトンボを見ました。
虫を採集するために、
ハロゲンライトをつけて網を張ったところ、
色々な虫に混じってヘビトンボが採れていました。
結構不気味な様子の虫ですが、
成虫の寿命は約2週間ととても短いため、
成虫を見られたということは、
とても幸運なことらしいですよ。
ちなみに幼虫は、ムカデを連想させる
さらに不気味な様子です。
(元生物部)

成虫になってから
2週間の寿命ということですが、
その間、何も食べずに水だけを飲んで
交尾相手を探すんだそうです。
同じく水辺の生物であるホタルと似てますね。
また、夜の灯火に寄ってくるようですが、
噛まれると痛いそうなので
気を付けてくださいね。


液体によって溶けていく‥‥?!

カマキリとセミが合体したような虫は
おそらく、ヘビトンボではないかと。
ウスバカゲロウの仲間です。
幼虫は3年も生き、メスは卵を産む時に、
自らの体液で卵を守りつつ、
自分もその体液によって溶けていくとか‥‥。
おそろしや。
(さんご)

自分も溶けていく‥‥なんて、
恐ろしいことが本当に起こるのか、
また、溶けるとしたら、
実際にどんなふうに体液で自分の体を
溶かすのか調べてみたのですが、
残念ながらわかりませんでした。

ただ、メスは、産卵後に粘液を卵全体にかけて、
卵を守る、ということはあるようです。
そのときの粘液には、
強い臭気があって、その臭いで
卵を守るらしいとも言われているようですが、
実際どうなんでしょうか?!
虫博士チームでも、
引き続き調べてみたいと思いますが、
虫博士のみなさま、
ご存知でしたらぜひ教えてくださいね。

知れば知るほど興味のつきないヘビトンボ、
メールをくださった虫博士のみなさま、
ありがとうございました!

ところで、ヘビトンボの体液でも触れました、
虫の「臭い」についても、興味津々です。
虫の臭いについてこれだけは語りたい!
というものがありましたら、
ぜひ、メールをくださいね。
では、また来週〜。



今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleのイメージ検索を利用しています。)

ヘビトンボ


はらだゆきこさんの虫カレンダー
(2006年7、8月)
1024×768    800×600
※お好みのサイズをクリックしてください。
 

2006-08-06-SUN



(c)Hobo Nikkan Itoi Shinbun