斉藤
&西尾 |
海野先生、ぼくらの写真いかがでしょう?
(ちょっと自信あり!)
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海野 |
あ、アオスジアゲハの交尾。これは珍しい。
東京にはアオスジアゲハって
たくさんいるんだけど、
交尾してるのは珍しいなぁ、
ボクも一回くらいしか見たことない。 |
斉藤
&西尾 |
あ、珍しいんですね!
いや、ぼくらも、
なかなか良い写真が撮れたと思ったんですよ、
実は。
(さらに自信満々に!) |
海野 |
‥‥でも、ピントが浅いね。
かろうじて眼には合ってるけど。
これは真横から撮らないと。
せっかく交尾してるんだから2匹とも
ピントが合ってないとね。
あ、F2.8。ぜんぜんダメだね、
もっと絞らないとピント合わないよ。 |
斉藤
&西尾 |
‥‥‥はい(自信はもろくも消失)。 |
海野 |
感度は、ISO200か。カメラ何?
キヤノンの「Kiss N」?
▲Canon EOS Kiss Digital N
だったらISO400まで上げて、
シャッタースピード1/80秒くらいまで下げても
ブレないから、F5.6くらいまで絞って、こう、
2匹がレンズに対して同じ距離にくるように
フレーミングしてだねぇ・・・・。
もったいないね、珍しいのにね。
ちょっと残念だね。はい、次。 |
斉藤
&西尾 |
あ、は、はい、次はこれです!
お手柔らかにお願いします‥‥。 |
海野 |
若いナツアカネだね。
アカトンボ。
(拡大)
秋になると成熟して赤くなるの。
夏の間は水辺だと暑いから、
餌もたくさんいる雑木林とかにいて、
秋になったら産卵のために水辺に戻るんだね。
水田みたいな浅い水辺が好きみたい。 |
斉藤
&西尾 |
あの‥‥、写真的にはいかがでしょうか? |
海野 |
ん? 白飛びしてるね、枝が真っ白。
ピントはまぁいいかな。
こういうときは、
マイナス補正かけてやんないとダメよ。 |
斉藤
&西尾 |
なるほど〜!
(やっぱりド素人でした‥‥トホホ)
では、これはどうでしょう?
(拡大)
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海野 |
ミンミンゼミね、木の汁を吸ってる。
このストロー状の口はね、
中に管が入ってて、二重になってるの。
中にあるほうの口を木の幹に刺してる。
これ、鳴いてなかったでしょ? |
斉藤
&西尾 |
はい。 |
海野 |
うん、汁を吸ってるときは鳴かないからね。
それに鳴くときは翅をちょっと開くのね。
だから写真見ると、
鳴いてるか鳴いてないかわかるんだよ。
それに鳴いてるのは直ぐ逃げるから、
鳴いてないのを見つけて撮るほうが簡単なの。 |
斉藤
&西尾 |
ほほ〜。
それにしても
ミンミンゼミって声でかいですよねー。 |
海野 |
ちょうど人間に聞こえやすい帯域の声なんだね。
電話ってさ、周波数帯域の上下を
ある程度カットしてあるじゃない?
言葉が聞き取れればいいぐらいの帯域に
絞ってあるわけ。
ミンミンゼミの声はそこに合ってるんだろうね。
逆にね、大きく外れてると全然聞こえない。
ヨコバイの仲間とかね。 |
斉藤
&西尾 |
ヨコバイ? ヨコバイって鳴くんですか? |
海野 |
うん。カメムシとかも鳴いてる。
聞こえないけどね。
セミの仲間はね、お腹のとこを動かして鳴くの。
たいていの種類は鳴いてるんじゃないかな。 |
斉藤
&西尾 |
でも聞こえない、と。 |
海野 |
そう。だからね、虫が止まってる枝に
センサーを付けてね、
枝に伝わる振動を拾うわけ。
そうやって人間の耳にも
聞こえるように変換すると、
鳴いてるのがわかる。鳴き声だけじゃなく、
足音とかも聞いてみると面白いよ。
次は何? |
斉藤
&西尾 |
あ、はい。これです。
(拡大)
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海野 |
コオロギね。
幼虫だから、
何コオロギかちょっとわかんないね。
こっちはオンブバッタ。
(拡大)
終齢幼虫だね。大人になる直前ね。
あ、これきれいだね、
アオドウガネじゃないかな。
(拡大)
昔は東京には少なかったんだけど、
温暖化の影響かな。
関東以南に棲むコガネムシなんだけど、
ずいぶん鮮やかな色だなぁ‥‥、
ちょっと図鑑見てみようかな。
あ、そうだね、お尻に毛が生えてるから、
アオドウガネだね。
それにしてもずいぶん大胆な構図だね、
この写真は。 |
斉藤
&西尾 |
葉っぱを食べまくってましたよ。
近くに3匹ぐらいいて。
捕まえたらウンチされました。 |
海野 |
たくさんウンチしたでしょ、ベタッって。
それなら、アオドウガネ。 |
斉藤
&西尾 |
う〜ん、勉強になります。 |
海野 |
ほかの写真は、
ハラビロカマキリの幼虫に、アブラゼミか。
(拡大)
(拡大)
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斉藤
&西尾 |
このアブラゼミ、ぜんぜん動かなくて、
近くに抜け殻があったんですよ。 |
海野 |
あるね。たぶん明け方に羽化したんだろうね。
これ、本人の抜け殻だと思うよ。
羽化した後は3〜4時間じっとしてるからね。 |
斉藤
&西尾 |
先生、最後の一枚です。
(拡大)
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海野 |
あ、ムシヒキアブ。ハエを食べてるね。
これはもっとダイナミックに撮らないと。 |
斉藤
&西尾 |
・・・ムリです。すぐ飛んでいきました。 |
海野 |
いや、150mm付けてんでしょ、撮れるよ。
あ、これは「Caplio」で撮ってるのか。
▲RICOH Caplio GX8
レンズ前1cmまで寄れるコンパクトカメラ。
海野さんもご愛用。
コンパクトカメラじゃムリだよ、
150mmでいっぱいまでレンズ繰り出して、
グッとよって捕食の様子を
強調して撮らないとねー、うーん、いかんね。 |
斉藤
&西尾 |
このアブ、
見た目もすごく恐いし(ムリです)‥‥。
つ、次がんばります。 |
海野 |
いやー、それにしても
ハエを捕まえるんだからすごいよね。
僕らだってさ、
手をパッて動かしても取れないよ、
ハエなんて。
ハンターだね、優秀なハンター。
アフリカの大草原でライオンが
シカを捕らえるみたいなことがさ、
都会の真ん中で行われてる。小さいけどね。
こういうのを見るのが
昆虫撮影の楽しみのひとつだよね。
|
斉藤
&西尾 |
はい、ほんとにそうですね。
撮影の腕はともかく、
昆虫撮影でいろんな人にそういうシーンに
出会って欲しいですねー。 |
海野 |
‥‥まあでも、
アオドウガネのお尻とミンミンゼミの写真は
いいんじゃないかな、うん。
よく見るとブレてるけどね。。 |
斉藤
&西尾 |
ありがとうございます!! |