MM |
左右にサルを描いてみたときに、
なんか足りないなと思ったんです。
「何がいいかな」って考えて、
やっぱり、「長老の話を聞いている私たち」
っていうのを、
入れないといけないんだなと思って、
それで描き足したんです。
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── |
若いですよね、このサル。
表情が若い。
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MM |
若いでしょ。やっぱり。
同じように見えるけど。そうなんだよね。
なんの違いか、わかんないんだけど‥‥。
私は、絵がすごい上手に描けるタイプじゃない
と思っているんです。
自分が描けるように描いて、今まで来たんです。
どういうことかっていうと、
「その時に自分がおかれている状況」が、
そのまま絵になるの。
だから「このサルがどうして年を取って見えるのか」、
「このサルがどうして若く見えるのか」
っていうのは自分でもよくわかんない。
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── |
左右のサルの絵が遊んでいる感じが、
観客のほうが緊張をしていて、
ステージの上で楽しんでいる長老たちを
あらわしてもいますよね(笑)。
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MM |
うん、長老たちは
どこかから苦しみも楽しみも、
楽しみみたいな雰囲気に
なっていくんだと思う。
その中でも谷川さんはいちばん若くて、
ステージをすごく盛り上げて。
観客とすごく一体化してた。
それもやっぱり角がとれてきた人の感じだよね。
だけど、やっぱり吉本隆明さんの、
なにも気にしてない感じ
っていうのもありだし(笑)。
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── |
MAYA MAXXさん自身も
ここの若者に入ってるんですか?
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MM |
もちろん! もちろん!
糸井さんも入ってる(笑)。
長老以外はみんなここ。
我々はやっぱり、
長老たちのおっしゃってることを
ほんとにわかることはできないんですよ。
まだそこまでの経験もないし、
理解できる素材がないから
そのことについて、
あまり深く考えても
仕方がないことなんだって思う。
私は個人的には、「へぇ、そうなんだぁ」って、
思っておけばいいと思ってるんです。
そのときの、自分の判断は、判断として
いちおう置いといて、
自分が生きていく間に
それが変化するかもしれないし。
だから、その地点、その地点で、
「へぇ、そうなんだ」で、
いいんじゃないかな、って思ってる。
素直に受け取ってるってことだから。
少なくともこの講演に関しては、
「え? そうなの?」とか、
そういう気持ちで聞いたらもったいないよね。
「何だかよくわかんないけど、自分の中に、
まずは入れてとおく」
っていう感じでありたいと思います。 |