あなたは、今回、この講演会で、何を学びましたか──?
そんな問いが、ほとんど、意味がないような大きな時間。
「わかんないけど、よかったんですよ!」
そんな感想が寄せられる、言葉の迫力に満ちていた時間。
何かを真摯に学びたいと思ったときの気持ちを思い出す、
「知る」ということの輝きに満ちた時間。
わたしたち「ほぼ日」は、5月16日に、
みなさんと一緒に、そんな時間を過ごしたいと思いました。
そして、予想以上の
「その場にいることのよろこび」
に満ちた講演会を、おこなうことができたんです。
あの時間は、全身を耳のようにして懸命に聞いてくれた
みなさんのおかげで生まれたんだと思います。
ほんとうに、どうもありがとうございました。
「人の話をナマで聞くって、やっぱり、おもしろいなぁ」
「わかんないけど、帰り道に、なんか泣きそうになった」
「わからないことを知りたい気持ちに、火がついた感じ」
日曜日の夜から、そんな感想が到着しつづけています。
コンサートが終わった夜のような興奮のおたよりの数々は、
ひとつひとつ、「驚き」と「輝き」に満ちていたんですよ!
「ぼくは中学3年の男の子です。
明日は中間テストですが、勉強せずに聞いてます。
こっちのほうがすっげーいい勉強ですよ、ホントに」
「ぼくは大学でデザインの勉強をしていて、
明日までに課題があるのですが
智慧の実がおもしろくて、ぜんぜん進みません。
クロッキー帳には、絵ではなくメモがいっぱいです」
「将来のことより目先のことを考えなさい、
と親に言われつつ、勉強しつつ
パソコンのディスプレイに向かっていました。
中学生の自分にも分かりやすい内容で、
勉強していても頭に入ってくる……。
なんていい授業なんだろうと思っていました。
正直、学校の授業がこれからつまらなくなりそう」
こういう、勉強の合間に、インターネット中継を
たのしんでくれたメールを読むと、ふと、自分自身の
「向学心」について、思い出したりしませんか──?
受験の時期って、実際に勉強をしているよりも、
「将来、こんなことをやってみたいんだけどなぁ」
みたいなことばかり、思っているんですもんね。
受験から離れた身になってしまうと、もう正直、
「いいよいいよ、1日ぐらい、勉強、休んじゃいなよ」
などと感じながら、メールを読んでしまうんですけどね。
「毎日の気持ちの入り方のほうがだいじだ」なんて……。
頭に刺激を受けたら、勉強へ向かう目的と姿勢が正されて、
自分でも驚くほど、まっすぐ、学ぶことに
のめりこんでいくことも、よくあることでしょうから。
今日は、「智慧の実を食べよう」に寄せられたなかでも、
特にうれしかった1通のおたよりを、ご紹介いたします!
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はじめまして。
網膜色素変性症という進行性の病気で失明秒読み、
と、医者に言われて十年。
残り二%の網膜でネットサーフィンする主婦です。
『なんで視覚障害者がインターネット?』
と不審がられることでしょう。
私のバイオには、おまけ機能の
シンプルスピーチという読みあげ機能がありまして、
このおまけのおかげでネット上の
テキストを読み上げてくれる言葉を聞くことができます。
また、パソコンがあれば、多少
こんなメールなんかも書いたりできます。
『視覚障害は情報障害』なんぞと言われますが、
情報が高度に視覚化された現代では、視力がないことは
致命的でして、絶望的な情報過疎を意味します。
私のような人間には、パソコンの読み上げ機能は福音、
写真などの視覚に頼らないテキストの言葉や文字は
もう、天の恵みみたいなもんなんです。
そんな私にとって
『知恵の実を食べよう二』の先生方の講演は、
言葉にできないくらいのよろこびで、
今日は一日、PCのそばを
離れることができませんでした。
しばらくは、頭の中に浮かぶ、
一五〇億光年にくらくらすることでしょう。
人と人を繋ぐ『言葉』には不思議な力があります。
幸せな時間を、本当にありがとうございました |
ササキさん、というかたのメールでした。
集中している姿が、目に浮かぶようで、うれしかった!
ちょうどおなじぐらいの時間に、
自分の言いたい言葉だけを発する人の言葉には
優しさがないのですが、難しい内容でも
相手がわかりやすいように努力している人の言葉には、
内容の重み以上に、その人の真心が伝わってきたんです、
というおたよりを、いただいていたんです。
そのとおりですよね。
次回は、現場にいた方のメールを中心に、ご紹介します。
お相手は、さっそく「智慧の実2」単行本の準備に入った、
「ほぼ日」スタッフの、木村俊介でした。では、また明日! |