ほぼ日 |
お父さんがよくする武勇伝や
自慢話についてはどうですか。
繰り返しされて、もう聞き飽きたよ、
っていう話ありますか? |

賢作 |
武勇伝じゃないけど、最近よくする話だと、
『ギルバート・グレイプ』って映画あるでしょう?
ジョニー・デップが、
恋人のジュリエット・ルイスに訊かれるの。
「あなたは大人になったら
どういう人間になりたいの?」って。
ジョニー・デップが、
「僕はね、良い人間になりたい」って答えるんです。
それがいい!と、父はよく言いますね。
それを聞いて、僕もすごく良い話だな、って思って。
もう1回観ようと思ってるんだけど。
なんか、谷川俊太郎がポロッと言うとね、
なんか、ああ、良い人間であるっていうのは
基本かな?って思って影響を受けてしまいますね。
僕もポロッといいことを
言ってやろうと思うんだけどさ、
ちょっと僕はキャラクター的に違うかなー(笑)。
|

さとみ |
やっぱり、そういうときは
お父さんっていう意識っていうより、
谷川俊太郎だって思ってお話しを聞かれるんですか。 |

賢作 |
そう。ほんとに僕はそうですね。
応援団長であり、ライバルだと思ってます。
一緒にステージにいるときは特に。
子どもが前に座っててさ、
すぐ、「おなら」とか「おしっこ」とか、
そういう詩を読むから、子どもがワーッて笑うわけ。
嫉妬するもん、それで。
クッソー、受けてるよ、こいつって(笑)。 |

るか |
同性同士、男の人だと、
やっぱりそうなるんですかね。 |

賢作 |
なんかね、今度、自分でもピアノ弾いて
笑わせたくなるんですよ。
だから、「千と千尋の神隠し」を
フリー・ジャズで弾いたりして。
でも、そうするとみんな笑わずに、
口ポカンと開けちゃうね(笑)。
|

るか |
谷川さんって今もすごくお元気ですけど、
俺は若けえ頃はよー、っていうような話は
ないですか? |

賢作 |
そう言えば、ポロッとさ、
「俺、そういえば昔ベルリンでレンタカー借りて、
ミュンヘンで捨てて、どうしたんだっけな?」とか
「俺ね、ドイツは若い頃ね、自分でレンタカーで
回ったんだ」とか言いますね。
みんなを自分の会話にひきつけて、とかじゃなく、
なんか、口の端っこからポロッと言うからさ、
あんまり武勇伝に聞こえないんだけど(笑)。
|
ほぼ日 |
淡々としてらっしゃるんですよね。 |

賢作 |
淡々としてます。
でも、よく考えると凄いと思うんだよね。
小沢征爾さんがスクーターで行ったのも
凄いと思うけど、うちのおやじも、
交流基金とかフェローシップで行って
見知らぬ国で勝手にレンタカーしてさ、
グルグル回るなんて、すげーじゃん、
って思ったんだけど。 |

さとみ |
今でもすごいですよね、
いろんなところに行ってらっしゃる。 |

賢作 |
そうですねー。好奇心旺盛ですよね、彼は。
それから、すぐに、
「それは何だ」って知りたい人。
で、よくあったことなんだけど、
家族で食事してるじゃないですか、小さいころ。
で、なんか疑問点があるわけね、話しててね。
フランスとドイツとイタリアって、
どう並んでたっけ?っていうとさ、
その場で食事中断で、百科事典持って来るんですよ、
ダダダダダって。
平凡社百科事典、ダダダダダダッ!みたいな。
もう食事中断で調べ始めちゃってさ。 |

るか |
インターネットができて良かったですよね(笑)。 |

賢作 |
良かったよねー。
今だったらもう、完全にコンピューターの前に
行くでしょうね、ダダダダダダッてね。
うん、すごいやっぱり好奇心旺盛な人だな。
機械もの強いしね、彼は。
「見せて」っていって、説明もしないのに
自分でいじり倒すみたいな。
るかさんのお父さんも武勇伝ありそうだね! |

るか |
うちは、繰り返しする話とかはね、ないなあ。
旬の話をするだけで。
なんかね、うちのお父さんはやっぱり、
自分でなんでも作っちゃたって話が多いかな。
最近は、なんかだんだん規模が大っきくなってきて。
「雪が降るから雪かきのために、
除雪車を作ったんだよ」って。
溶接機とかね、なんでも持ってるんですよ、
とにかく。
で、自分ちの雪をどかすために、除雪車を作った。
それがなかなか使えるものだったみたいで、
自分ちの雪がすぐなくなっちゃうと
つまんなくなっちゃったもんだから、
周りにある別荘の雪を全部どかしにかかって(笑)。 |

賢作 |
ありがたいなあー! |

るか |
で、本人は、嬉しくってやってるだけなんだけど、
周りの人は、「ありがとうございます!」って。
冬にね、遊びに行ったら、
草加煎餅とか、各地方のお菓子が
すごいいっぱい並んでて、
「どうしたの?これ」って言ったら、
別荘地だから、いろんな地方の人たちがいるから、
みなさん持ってきてれるんだよって(笑)。 |

さとみ |
北の国からチックですねー。 |
ほぼ日 |
ひとりホームセンターみたいな(笑)。 |

賢作 |
あんまり、相談とかしない人? |

るか |
しないですよ、誰にも。 |

賢作 |
それ、俺、似てる。うん。
もっと、ぜんぜん話が小さいけど。 |

るか |
いや、もう小っちゃいんだか大っきいんだか、
よくわからないですよ(笑)。
昔っから何でも勝手に作られてましたね。
うちね、トイレも普通の
小っちゃいトイレだったんですけど、
お父さんがトイレ長く入って、
その間に考え事するっていうのが、
なんか習慣だったらしく、
トイレにもちゃんとね、
書斎のように机が壁に沿ってできてた。 |

あんだ |
トイレか書斎かどっちなんですか、それは!(笑) |

るか |
で、電話がなぜかそこに付けてあって(笑)。 |

英 |
そこまでやるんだ! |

るか |
で、最初はお父さんが、
そこをちょっと書斎代わりにして、
電話も使えるっていうことにしたんですけど、
わたしたちが大っきくなって、
隠れてしたい電話をそこでするようになったのね。
そしたら、すっごい怒り始めて(笑)。 |

英 |
電話は取られちゃったの? |

るか |
ちゃんと取りつけちゃってるから、
外れないようになっていて、
もう引っ越したけど、
引っ越すまではありましたよ。
なんでも作っちゃうんですよねえ。 |

英 |
すごいなあ。
で、今は、もうお一人で
ずっと山梨にいらっしゃるんですか? |

るか |
うん、ひたすらいろんなものを作り続けてます。 |
ほぼ日 |
お母さんは、普通に接してるんですか? |

るか |
お母さんは、ま、それもまた普通じゃないんで、
あんまり聞かないで下さい(笑)。
お父さんもお母さんも極端な人たちなんで。 |

さとみ |
結婚しようってなったときの話、
知りたいですね。 |

るか |
高校生の時からつき合ってて、お家が近所で、
っていう話しか聞いたことがないんですけど、
も、それはね、あんまりね、
聞いちゃいけないっていうか、
聞きたくないっていうか(笑)。 |
|
<あさってに、つづきます!>
|