おさるアイコン ほぼ日の怪談2005

怪・その28
「冷たい手」

まだ私が学生で、山手線の駅に程近い
いわゆる高級住宅街に住んでいた頃の話です。

小さなマンションに住んでいたのですが、
夜寝ている時に急にドライヤーのスイッチが入ったり、
何日か家を空けて帰った日に部屋に入ると、
勝手にエアコンがついていたり‥‥、
妙な事は有りましたが、
それ程気にもせず過ごしていました。

ある日寝ていると、何とも言えない恐怖感で目が醒め、
その瞬間金縛りにあいました。
そして動けないながらも、
何かが悪意を持って私に近付いてくる感覚‥‥、
そして、仰向けに寝ている私の頭と枕の間に、
冷たい女性の手が差し込まれました。

その後、どうしたか覚えていません。
でも‥‥私の頭の地肌に触れるその手が、
とても冷たかったのは今でも覚えています。

その後引越しをして、今は違う所に住んでいますが、
当時遊んでいた友人が今になって言います。

「ずっと言えなかったんだけど、
 あの部屋、
 なんだかすごく怖かったよ」と。

(takashi)


「ほぼ日の怪談」にもどる もう、やめておく 次の話も読んでみる
2006-08-25-FRI