おさるアイコン ほぼ日の怪談2006

怪・その20
「ゲームを見ている」

今から11年前に、
3週間ほど検査入院した時の体験談です。

その時、時間潰しにと、文庫本と
携帯型のゲーム機を病室に持ち込んでいました。
ベッドに横になり、ゲーム機で遊んでいると、
後ろに子どもの気配がしました。

同室の小学生かな、と振り返ると、
その子はちゃんと自分のベッドにいます。
あれ? と思いつつ再びゲームを続けると、
やっぱり背中ごしに、
子どもに覗かれている感じがするんです。

その後、退院するまでの間、
テレビを見たり文庫本を読んでいた時には、
何も感じませんでしたが、
ゲーム機で遊んでいた時だけ、
背後に子どもの気配がずっと感じられました。

初めは薄気味悪かったので、
ゲームは昼間だけにしていましたが、
気配を感じるのみで、
それ以上何も起きなかったので、
退院する頃にはすっかり慣れてしまい、
気にしなくなりました。

あの時、病室にいた『気配』は、
ゲームを見たかったんでしょうね。

(しやうじ)

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2007-08-22-WED