怪・その21
盂蘭盆
話の始まりは私が中学生のころ、
16、7年前のことです。
私の両親は無宗教・無神論者といった感じで
お盆もお彼岸も何もしない人たちでした。
私は子供のころ同居していた祖母が
お盆に茄子や胡瓜に足をつけたりするのを
楽しく手伝っていた思い出があって、
その前年に祖父が亡くなっていたこともあり、
両親に何も言わず
1人で迎え盆をしました。
しかし子供だったことと、
そういう両親に育てられていたためでしょう、
いい加減なことに送り盆をやらなかったのです。
まったく気にしないで過ごして数年後、
夏が近づいてきたころでした。
夢の中で、私によく似た顔をした、
4、5歳年下の女の子に言われたのです。
「お姉ちゃん、今年はちゃんと送り盆してね
私とおじいちゃんが帰れないよ」と。
目が覚めてからちょっと考えて、
うちにある位牌は祖父のものと、
私が幼稚園のときに死産で生まれた
妹のものとだと気づきました。
その年の夏に、
私は数年遅れの送り盆をしました。
(ツクミ)
2008-08-15-FRI