怪・その24
沖縄のホテルで
短大のときのことなので、
もう20年以上前の話です。
夏休みにクラスの友人たちと、
参加者が学生ばかりの安い沖縄ツアーに
でかけました。
その日の宿泊先は那覇市内のホテル。
ホテルに着くと、部屋のある階の
エレベーターのドアが故障しているので、
1階上か下の階で降りて、
階段を使ってほしいとのこと。
こんなオンシーズンに故障したままとは‥‥
でも安いツアーだし、そんなこともあるかと、
さして気にも留めずにおりました。
しかし、夏休みで混雑しているホテルなのに、
なぜか私たちが泊まったフロアーには、
私たちとツアーの関係者の2組しか
泊まっていないのです。
さすがに不思議に思い、
エレベーターのある場所に行ってみると
エレベーターのドアがあるべきところは、
大きな鏡でふさがれていました。
ツアー関係者に、このフロアーだけ
人が少ないと言うと、
沖縄のホテルには、
そういうところがたくさんある、と。
私たちを安心させようとして言ったことなのか、
ほんとうのことなのかどうか、わかりません。
他の部屋に移ることもできず、
その夜はそのまま
その部屋で1晩過ごしましたが、
なぜかその晩のことは、よく覚えていません。
でも、翌日になって、
友人の一人が言ったんです。
「みんなが怖がると思って言わなかったけど、
部屋の隅にずっとおばあさんが座ってた」と。
(C)
2008-08-18-MON