怪・その27
外灯の下の白い人
あれは2年前の9月頃、
私が自室で試験勉強をしていたときのことです。
猫が窓の外でひどく騒ぐので
「喧嘩でもしているのかしら」と思い、
玄関から外に出てみました。
案の定、外で喧嘩していたらしい猫たちは、
私の気配を察すると、パッ、と逃げて行きました。
その時何とはなく、
家の通りの曲がり角の方を見ました。
曲がり角にはひとつ外灯が立っていたのですが、
その下を白い服を着て、
顔を白い布で覆った、男性っぽい人が
手足をくねくね動かしながら
こちらへ歩いてきました。
なんだかわけのわからないものを見て
面食らった私は、
慌てて家に駆け込み、厳重に施錠して、
しばらく呆然と玄関に立っていました。
今でもあれは何だったのか、わかりません。
(R)
2008-08-20-WED