おさるアイコン ほぼ日の怪談2008

怪・その26
サービスエリア


今から13年前のこと、
私は出産を控え、まもなく実家へ帰る予定でした。

その前に、両親が実家から車で、
私の飼っていたリスと荷物を運ぶために
上京しておりました。

その帰りの、母の体験です。

実家に朝着くために、両親は私の家を、
夜、出発していきました。

朝になり、無事に着いたよと電話がありましたが、
母から、こんな話がありました。


真夜中にトイレにいきたくなり
途中SA(サービスエリア)に寄り、
トイレにいったところ、
工事中で、母の他は誰もいなかったそうです。

突然、ぞっとする視線のようなものを感じ、
異様な寒気がしたので、
早く用を済ませて、
トイレのカギをあけようとしたところ、
カギが開かず、
「閉じ込められた?」と感じたそうです。

必死にカギを、無理やり回したのですが、
ゆっくり、何者かが力で戻すように
またカギが元に戻り、
また閉まってしまったそうです。

邪なイメージと、胸苦しさとぞっとする寒さで、
必死にカギと格闘し、やっと開けて慌てて車に戻り、
一部始終を父に話しても、寝ぼけていたんだろう、
と、父は取り合ってくれなかったそうです。

そして走り始めたところ、
腐ったような異様なにおいが。

母はリスが臭いのだと思い、
父は、母が車に戻ってから変なにおいがしたと感じ、
窓を開けても、においは暫くしていたのだそうです。

無事に家に戻り、
疲れていたためお風呂に入ったところ、
母の腰の両側部分に焼けるような痛みがあり、
鏡でその部分を見てみると丸い輪っかが、
まるできれいにお茶碗を二つ伏せたような痕が
腰の両側に、焼印のように
くっきり付いていたのだ、とのこと‥‥。


その焼印のような跡と痛みは
しばらく消えなかったようです。
一体、あの時の母は、
車に何を一緒に乗せたのでしょうね?

SAのトイレは、今も怖い、という母です。

(MICCO)

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2008-08-20-WED