怪・その1
腹ばいの腰に
私が看護師の仕事をしていた時の事です。
日勤を終え、深夜勤に備えて自宅のベッドで
仮眠を取っていました。
部屋は電気をつけたまま、
腹ばいでうとうとしていました。
急に腰のあたりが重苦しくなり、
気分が悪く目を覚ましたのです。
なんだろう? と思い
腹ばいのまま、ふりかえると‥‥、
私の腰に、
おばあさんが四つん這いになっていました。
「にっこり」微笑んでいました。
そのおばあさんは、
私が担当した事のある患者さんです。
容態はあまりよくありませんでしたが、
すぐに命を落とされるというものではなく、
他病院への転院が決まっていました。
その晩私は深夜勤に行き、
おばあさんとも普通に会話もしましたし、
容態も特に変わりはありませんでした。
おばあさんは転院をされた数日後、
帰らぬ人になりました。
今でもあの腰の重みは覚えています。
(にゃ〜ご)
2009-08-04-TUE