怪・その9
「戦後66年」
私の住んでいる島は、米国領です。
太平洋戦争で
多くの方たちがなくなった島ですので、
いろいろな話が残っています。
よくあるのは、
朝早く兵隊が行進していたとか、
ホテルで寝ていると
兵隊が覗き込んでいるとか、
激戦地だったところの近所では
夜中に兵隊が「水が欲しい」と
尋ねてくるとかの話です。
あまりにもそれらの話が多いので
世の中というものは、
「そんなこと(幽霊はいるもの)に
なっているのだろう」
と思っています。
近々沖縄にいる米国の兵隊が
1万人以上も移り住むということで、
現在、いたるところで道路が掘り起こされ、
インフラの整備が始まりました。
私の家の近所でも
空港への道が片道通行となっていてたいへん不便です。
昨晩遅くその道を車でゆっくり走行していると、
片側の掘り起こされた道路のそこかしこから、
手を広げた腕が何本もニョキっと出て、
苦しそうにもがいていました。
戦争が終わって、66年。
今でも苦しがっている人がいるんだな、
と見ていました。
(おじ)
2010-08-09-MON