怪・その33
「カラオケまで」
15年ほど、前のことです。
夜中に友人から電話があり、
ラーメンを食べに行くことになりました。
友人の車で、
ラーメン屋に向かっていたのですが、
突然、友人が急ブレーキをかけました。
「目の前を人が横切った」とのこと。
あたりを見渡しても、
そこには誰一人いませんでした。
見間違いじゃない? と友人に話しても、
「あれは絶対に人だった。」と
言い張ります。
夏の暑い日でしたが、なんとなく、
肌寒くなった感覚を
今でも、覚えています。
その後、ラーメンを食べ、
カラオケに行きました。
手続きを済ませ、個室にはいると、
店員さんが水を持ってきました。
なぜか、3人分。
部屋にいたのは友人と私の2人。
店員さんに聞くと、
「受付するとき、
3名いらっしゃいましたよね?」
遅い時間だったため、
前後に他のお客さんはいませんでした。
でも、店員さんは
私たちと一緒に
「もうひとりいた」と主張します。
他にお客さんもいなかったので、
一緒にモニターを確認しに行きました。
そこでみた映像には
私たち2人しか映っていませんでした。
ただ、私の後ろに
青白い光のようなものが‥‥。
車で急ブレーキをかけたときから、
ずっと彼は私たちといっしょに
いたのでしょうか‥‥。
(y)
2010-08-27-FRI