怪・その25
「ブラウン管に映る姿」
1990年代はじめぐらいだったと思います。
ある日の夕方に祖母が、
「水戸黄門」だったかの時代劇の再放送を
見ていた時のことです。
テレビを見ていたら、突然、
画面いっぱいに時代劇とは関係のない
男性のバストアップが映り出したそうです。
その男性は洋服を着ており、
よく見てみると、
先日亡くなった、
母の従姉妹にあたるキミちゃんの夫の、
忠さんだったそうです。
泣いたり笑ったりしている顔ではなく
どちらかというと無表情、
というより普通にたたずんでいるような
表情だったそうです。
時間にして10分ほど映って、
その後は何事もなかったかのように
時代劇の続きを見ることが出来たそうです。
そしてそのような出来事が、何日か続いたそうです。
その話を祖母がキミちゃんに話したところ
返ってきた答えが
「ひょっとして
お骨を埋葬してないせいじゃないだろうか?」
だったそうです。
そのとき都合で供養する場所がなく、
火葬だけすませ、遺骨を自宅の仏壇の前で
保管していたそうです。
その後しばらくして
しかるべき供養をしたところ
忠さんは現れなくなったそうです。
以上、祖母から聞いた不思議な話でした。
この件で怖い思いをした人は誰もおりません。
しかし親戚が集まると
あれは何だったのだろうと話題になる話です。
(マイルス)